介護従事者が押さえるべき移乗介助の基本とリスク管理のポイントを徹底解説
移乗介助は、介護従事者にとって日常業務の中でも特に重要な技術です。しかし、適切な方法を知らないと、介護従事者自身の腰痛や利用者の転倒などのリスクが高まります。
この記事では、介護従事者が押さえておくべき移乗介助の手順や安全対策を理解し、実務での負担を軽減する方法を詳しく解説します。安全な介助のポイントや福祉用具の活用法も解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
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目次
記事監修者
氏名:堀池和将
保有資格:介護福祉士
職務:訪問介護管理者
プロフィール:専門分野における豊富な知識と経験を持ち、数多くの新規施設立ち上げにも携わり施設長も歴任してきた。現在は地域密着介護に貢献するため、訪問介護部門の管理者として従事している。
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移乗介助とは?介護従事者が知っておきたい基本知識
移乗介助は、利用者が自力で移動することが難しい場合、介護従事者が車椅子やベッド、トイレなどへ安全に移動させるための技術です。正しい知識を身につけていなければ、介護従事者の身体的負担に大きく影響します。ここでは、介護従事者が知っておくべき基本知識を解説します。
適切な移乗介助を学ぶ必要性
移乗介助は、車椅子からベッドやトイレへの移乗など利用者が頻繁に行う動作です。そのため、介護従事者は利用者の身体的負担や障害リスクの軽減、そして自身の健康のためにも適切な移乗介助の技術が必要です。
移乗介助におけるリスク
移乗介助において正しい知識がなければ、介護従事者は腰痛や関節の負担などの怪我、利用者は転倒や皮膚損傷のリスクが高まります。そのため、介護従事者は、正しい姿勢や重心の位置を意識して安全を確保し、利用者が不安にならないように移乗させる必要があります。介助に不安がある場合は、サポート機器の活用も検討しましょう。
移乗介助に関する法的なポイント
移乗介助を行う際、介護施設と職員には利用者の安全を守る義務があります。介助を始める前には、必ず利用者や家族に説明を行い、同意を得る必要があります。また、厚生労働省の定める安全基準に従い、利用者のプライバシーを保護しながら適切なケアを行う責任があります。
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【初心者向け】移乗介助の基本手順ガイド
移乗介助は、正確な手順を踏むことで利用者と介護従事者の双方の負担を減らし、安全性が高まります。ここでは、初心者でも実践しやすい基本的な流れを解説します。
1. 利用者の体勢を整える
まず、利用者の姿勢を整えます。車椅子に座っている場合は足を床にしっかりとつけ、安定した状態を確認します。体が崩れていると転倒のリスクが高まるため、必要に応じてクッションなどで支えましょう。
2. 介護職員の正しい位置と姿勢
介護職員は腰を落とし、背筋を伸ばして利用者の側に位置します。足幅を肩幅程度に開き、重心を低くすることで、腰への負担を軽減し、安全なサポートが可能です。腕力で持ち上げるのではなく、身体全体でポジショニングを意識しながら支えましょう。
3. 安全な移乗サポートの方法
移乗時には、利用者の腕や肩に負担がかからないよう注意が必要です。利用者が支えを必要とする場合、介護職員は片手を腰に、もう片方を体の中心に当てて支え、安全に動かします。段差がある場合は特に慎重に行い、利用者の無理のない速度で進めましょう。
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介護従事者が知るべき移乗介助のリスク管理
移乗介助を行う際には適切なリスク管理が必要です。事故のリスクを減らし、介護従事者の身体的負担を軽減するための対策を確認しましょう。
移乗介助における事故防止策
移乗介助では、利用者の転倒、腰痛に注意が必要です。利用者の転倒・転落を防ぐためには、まず利用者の足をしっかりと床につけることが大切です。これにより、安定した姿勢を保つことができます。また、介護従事者は利用者のバランスをサポートしやすい位置に立つことで、より安全な介助が可能になります。
補助器具の活用法
介護現場には、リフトやスライディングボードなど移乗をサポートする福祉用具が数多くあります。リフトを使えば、介護従事者が利用者を持ち上げる負担が減ります。また、スライディングボードは、ベッドと車いすの間に渡して使用し、利用者を滑らせるように移動することで、抱え上げる動作を最小限に抑えられます。
車椅子やベッドの使い方の工夫
車椅子では、必ずブレーキをかけ、フットレストを跳ね上げ、アームレストを外せる場合は取り外します。ベッドは適切な高さに調整し、必要に応じて柵を活用します。また、移乗時は車椅子をベッドの高さに近づけることで、より少ない動作で安全な移乗が可能です。また、車椅子のブレーキや足元の支えが確保されているかも確認しましょう。
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まとめ
移乗介助は、利用者と介護従事者の双方の安全を守るために欠かせない技術です。正しい姿勢や手順、福祉用具の活用方法を理解し、利用者との良好なコミュニケーションを保つことが、安全性と負担軽減につながります。腰痛予防に努め、無理のない範囲でのケアを続けることで、快適な介護を実現しましょう。介護従事者の皆さんが安心して業務に取り組むための参考として、ぜひご活用ください。
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