行動援護従業者養成研修の受講ガイド|障がい福祉サービスで活かせる介護の専門資格 

#介護の資格#行動援護従事者#障害福祉サービス

知的障がいや精神障がいのある方への支援に特化した「行動援護従事者養成研修」について詳しく解説します。この研修では、ご利用者の自立した生活を支援するために必要な知識とスキルを体系的に学ぶことができます。講座の概要や資格取得後のキャリアパスをまとめていますのでぜひ参考にしてください。

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行動援護従事者養成研修とは?

行動援護従事者養成研修は、知的障がいや精神障がいのある方にサービスを提供する際に必要な知識・スキル習得をするための研修プログラムです。この研修は、障害者総合支援法に基づいて実施され、質の高いサービスを提供できる人材の育成を目的としています。

障がいがあっても自立した生活が送れるように、それぞれの障がいの特性や心理についての理解を深め、サポートする技術をを身につけます。

行動援護とは?

行動援護は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つです。知的障がいや精神障がいにより行動上の困難がある方に対して、必要な支援や外出時の移動サポートを行います。

主な支援内容は以下のとおりです。

①予防的対応危険な行動を予防するための声かけ
環境調整による不安・混乱の軽減
パニックの予兆察知と対応
②制御的対応自傷行為等の危険回避
他者への迷惑行為の制止
適切な行動への誘導
③身体介護的対応排泄・食事等の介助
衣服の着脱支援
移動時の介助

行動援護では、専門的な知識と技術を持ち、利用者の自立支援を重視する必要があります。

行動援護従事者養成研修を受けるメリット

行動援護従事者養成研修を受けるメリットは、行動援護従事者として就業できることです。行動援護従事者として就業するためには研修を修了し、かつ知的障がい児者もしくは精神障がい者の直接業務1年以上の実務経験が必須です。

資格取得により、障がい特性の深い理解や行動障がいへの対応方法、リスクマネジメントの技術などの専門知識が習得できます。利用者のニーズに的確に対応できるようになるので、安全で質の高いサービスの提供や、家族からの信頼獲得にもつながります。

また、経験を積むことでキャリアアップも可能です。転職を考えた場合にも採用されやすくなり、選択肢も広がるでしょう。

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講座の受講方法について

行動援護従業者養成研修の受講資格要件

行動援護従業者養成研修の受講資格要件は、特に定められていません。

資格や実務経験の有無を問わずどなたでも受講することが可能です。

行動援護従業者養成研修の研修カリキュラム

研修のカリキュラムは、実施する自治体やスクールによって異なります。

カリキュラムの一例は以下のとおりです。

Ⅰ 講義合計:10時間
強度行動障害がある者の基本的理解に関する講義1.5時間
強度行動障害に関する制度及び支援技術の基礎的な知識5時間
強度行動障害のある者へのチーム支援3時間
強度行動障害と生活の組み立て0.5時間
Ⅱ 演習 合計:14時間
基本的な情報収集と記録等の共有1時間
行動障害がある者の固有のコミュニケーションの理解3時間
行動障害の背景にある特性の理解1.5時間
障害特性の理解とアセスメント3時間
環境調整による強度行動障害の支援3時間
記録に基づく支援の評価1.5時間
危機対応と虐待防止1時間

参考:千葉県「行動援護従業者養成研修」実施要綱

開講スケジュール

開講スケジュールもスクールによって異なりますが、研修期間としては3〜4日で取得できる内容です。スクールによっては、オンライン受講を導入ししているところもあるので、より取得しやすいスケジュールになっています。

受講手続き・費用

行動援護従業者研修は、都道府県もしくは都道府県が指定するスクールなどで受講することができます。受講料はスクールによって異なり、35,000円〜45,000円が相場です。

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受講料割引制度もある?

行動援護従業者研修は、スクールによって割引制度が利用できるケースがあるので、割引の対象になっていないかチェックしておくことをおすすめします。また、障がい者の方を対象とした施設であれば、勤務先でも研修費用の補助をおこなっているところがあります。助成費用や指定のスクールがあるかなど、事前に相談しておきましょう。

自治体でも研修費を一部助成しているケースがあるので一部をご紹介します。

東京都港区の助成制度

東京都港区では、港区内の障害福祉サービス事業者や障害児通所支援事業者等で勤務する方が研修を受ける場合に受講料の一部を助成しています。

要件の詳細は以下のとおりです。

  1. 就業日又は研修修了日のいずれか遅い日を起算日とし、3か月以上、区内の障害福祉サービス等の従事者として就業している。
  2. 上記(1)の就業を申請時において継続している。
  3. 他の助成機関等から本研修に関わる助成(本事業の助成を含む)を受けていない。

対象となる研修には、実務者研修や初任者研修など8種類の研修がありますが、行動援護従業者研修の助成上限金額は44,000円です。

参考:港区障害福祉サービス等事業者従業者養成研修受講料助成制度について

神奈川県横浜市の助成制度

横浜市では、全身性障害者ガイドヘルパー養成研修・知的障害者ガイドヘルパー養成研修・同行援護従業者養成研修(一般課程)・行動援護従業者養成研修の4種類の研修が助成の対象になります。

要件を以下にまとめました。

就業期間・研修修了日と就業開始日のいずれか遅い方の日を起算日として3か月以上
・申請時も継続して就業していること
サービス提供実績・修了した研修に対応する障害種別の利用者に対するサービス提供が1回以上ある方
対象者・申請時に横浜市民であること
・雇用形態が人材派遣形態でないこと
・他の助成機関等から本研修に関わる助成を受けていないこと(就業先が受講料を負担している場合も対象外)
・令和4年度以降に申請し、本助成を受けたことがないこと(令和3年度以前に助成を受けた方は再申請が可能)
・暴力団員でないこと

上記の要件を満たしている場合には、研修受講料のうち上限2万円までが支給されます。ただし、予算額に達した時点で助成の受付が終了になるため、早めの申請が必須です。

参考:横浜市「ガイドヘルパー等養成研修受講料助成事業について」

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行動援護従事者の仕事内容・対象者とは?

行動援護従業者研修は、以下のような事業所に就業する際に役立ちます。

  • 居宅介護事業所(ホームヘルプサービス)
  • 重度訪問介護事業所
  • 障害者グループホーム
  • 障害者デイサービス
  • 放課後等デイサービス
  • 就労移行支援

行動援護従事者の役割は外出サポートがメインです。しかし研修では、障害の基礎的知識やチーム支援、コミュニケーションの取り方など、基本的な知識や技術を習得するため、知的障がい・精神障がいの方を対象としたサービスを提供する、いずれの事業所でも資格を活かすことができます。また、家族のために取得する方や、ボランティア前に基礎的知識を得たい方にもおすすめの資格です。

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講座や仕事内容の概要を知った上での申し込みを

行動援護従事者養成研修は、知的障がい・精神障がいのある方への専門的な支援を行うために重要な研修プログラムです。行動援護に必要な実践的なスキルが習得できるので、研修修了後は、さまざまな障がい福祉サービス事業所での就業機会が広がります。障がいのある方の自立した生活を支援したい方・より専門的なスキルを身につけたい方・キャリアアップを目指したい方にとっては価値ある資格といえます。この記事を参考に受講を検討してみてください。

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