介護保険被保険者証の申請手続きと利用方法について徹底解説

介護保険被保険者証は、介護サービスを受けるために欠かせない重要な書類です。
65歳以上の方に交付されるこの証明書は、要介護認定や介護サービス利用時に必要となります。
本記事では、その申請手続きや再発行方法について詳しく解説し、安心して介護サービスを利用できるようサポートします。
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目次
介護保険被保険証とは
ここでは、「介護保険被保険証の定義」「交付対象者」「記載内容」など、介護保険被保険者証の基本的な情報について解説します。
介護保険被保険者証の定義
介護保険被保険者証は、65歳以上の方が介護サービスを受けるために必要な書類です。
介護保険被保険者証には、被保険者の氏名、生年月日、保険者番号などが記載されています。
介護サービス利用時に介護保険被保険証を提示することで、適切なサービスを受けるための基盤が築かれます。
特に、要介護認定を受ける際には、介護保険被保険者証が必須となります。
交付対象者
介護保険被保険者証は、基本的に65歳以上の方に自動的に交付されます。
しかし、以下のようなケースでも、交付されることがあります。
- 分類:「第2号被保険者」
- 年齢:40歳以上65歳未満
- 条件:16の特定疾病が原因で要支援・要介護状態になった
介護保険被保険者証が交付される「第2号被保険者」には、以下の16の特定疾病が原因で要支援・要介護状態になったという条件が必要です。
【第2号被保険者の「16の疾病」】
末期がん(医師の診療に基づき回復の見込みがないと判断されたものに限る)関節リウマチ筋萎縮性側索硬化症(ALS)後縦靭帯骨化症骨折を伴う骨粗鬆症初老期における認知症【パーキンソン病関連疾患】 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病脊髄小脳変性症脊柱管狭窄症早老症多系統萎縮症糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症脳血管疾患閉塞性動脈硬化症慢性閉塞性肺疾患両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 |
記載内容
介護保険被保険者証には、以下の情報が記載されています。
- 被保険者の氏名
- 生年月日
- 住所
- 被保険者番号
- 保険者証の有効期限
介護サービス利用時には、これらの情報が記載された「介護保険被保険者証」が必要となります。
そのため、紛失に注意して大切に保管し、必要なときにすぐ取り出せるようにしましょう。
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申請手続きについて
介護保険被保険者証の交付を受けるには、申請が必要です。
ここからは、申請方法や申請に必要な書類、申請先などに関する詳細について解説します。
申請に必要な書類
介護保険被保険者証を取得するために必要な書類は、以下の通りです。
- 介護認定申請書
- 本人確認書類(運転免許証またはマイナンバーカードなど)
- 委任状(代理人が申請する場合のみ)
介護保険被保険者証の取得のための申請は、必ずしも本人がおこなう必要はありません。
代理人が申請することも可能です。その際は、委任状が必要となります。
委任状を含め、これらの必要書類は各市区町村の役所窓口で入手可能です。
申請方法
介護保険被保険者証の申請は、各市区町村の役所にある「介護保険課窓口」もしくは地域包括支援センターで行います。
本人が来所できない場合は、家族やその他代理人による手続きが可能です。
申請後は、30日以内に要介護認定結果とともにご本人の自宅に郵送されますので、その後に介護サービス利用が可能となります。
申請先
介護保険被保険者証の申請先は、居住地の市区町村にある役所です。
市区町村によって窓口の名称や担当部署が異なる場合があります。
そのため、ご自身の住んでいる地域にある役所の情報を事前に確認しておくことが重要です。
また、一部の地域ではオンラインでの申請もおこなわれています。
来所が難しい場合は、オンラインでの申請が可能かどうかについても調べておくことをおすすめします。
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再発行手続き
もし介護保険被保険者証を紛失したり、記載されている情報の変更が生じたりした場合は、再発行の手続きが必要です。
ここからは、紛失時や情報変更時に必要となる介護保険被保険者証の再発行手続きについて、詳しく解説します。
再発行が必要な場合
介護保険被保険者証の再発行が必要になるケースは、主に以下の通りです。
- 紛失
- 盗難
- 氏名や住所などの記載内容に変更が生じた場合
もし紛失してしまった場合でも、見つかるまで探し続けるのではなく、速やかに再発行の手続きをおこなうことが重要です。
再発行手続きの流れ
介護保険被保険者証の再発行手続きは、各市区町村の役所にある「介護保険課」でおこないます。
まず、介護保険課窓口で「介護保険被保険者証の再発行を希望します」と伝えましょう。
その後必要な書類を提出し、30日以内に新しい被保険者証が郵送されるという流れになります。
必要書類
介護保険被保険者証の再発行には、以下の書類が必要です。
- 再発行申請書
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
なお、紛失による再発行の場合は、「どのような経緯で紛失したのか」などについて、その旨を記載した理由書も求められることがあります。
そのため、紛失についてはご本人やご家族同士でしっかり確認したうえで、役所窓口にお問い合わせください。
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介護サービス利用時の注意点
介護保険被保険者証の取得後、どのような流れで介護サービスの利用につながるのでしょうか。
また、介護サービス利用時には、介護保険被保険者証に関するいくつかの注意点があります。
ここからは、実際に介護サービスを利用する際に、「どのように提示すればよいか」「注意すべき点」などについて解説します。
介護サービス利用時に必要な情報
介護サービスを利用する際には、介護保険被保険者証のみ用意すればいいというわけではありません。
ご本人の要支援・要介護度や健康状態、既往症などの情報が求められます。
これらの情報は、ケアマネジャーと共有しながら、適切なプラン作成につながりますので事前準備が大切です。
特に、ご本人やご家族の方の覚えている範囲内でいいので、メモを残しておくことをおすすめします。
【例】
2025年1月時点での健康状態 | 食事:キュウリやすじ肉など、咀嚼が難しい食材以外であれば自力摂取できる。入浴:転倒リスクが高いため、家族の一部介助が必要。排せつ:つたい歩きで自力でトイレに行けるが、間に合わないことが多く、常時紙パンツ使用。 |
2025年1月時点での既往症 | 発症時期不明:高血圧症のため、現在も定期的に通院中。2022年4月頃:誤嚥性肺炎を発症し、3週間入院。2023年1月頃:再び誤嚥性肺炎を発症し、3週間入院。2023年5月頃:胆石が原因で膵炎を起こし、胆石の除去手術をおこなう。それと同時に、せん妄を起こす。2023年6月頃:膵炎による入院でのせん妄がきっかけとなり、MRI検査をおこなう。2年前からアルツハイマー型認知症を発症していたことが明らかとなる。 |
どのように提示するか
介護サービスの利用時には、必ず介護保険被保険者証を提示する必要があります。
この際、先ほどご紹介したご本人の「健康状態」や「既往症」などの情報をメモしたものを提示しましょう。
それにより、ご本人の健康状態や既往症について、サービス提供者が詳しく把握できるようになります。
サービス提供事業所との連携
介護保険被保険者証を提示し、介護サービスの利用が始まったからといって、介護施設または介護事業所にご本人を丸投げするのは NGです。
介護サービスの利用開始後も、サービス提供事業所との連携を図ることは非常に重要です。
ケアマネジャーと密接にコミュニケーションを取り、ご本人やご家族の意向を反映させたケアプラン作成につなげましょう。
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まとめ
本記事では、介護保険被保険者証について、その定義から申請手続き、そして利用方法まで詳しく解説しました。
本記事でご紹介した知識を活用し、ご自身またはご家族が安心して介護サービスを利用できるよう努めてください。

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