介護職向け高齢者の脳トレ15選:認知症予防と介護現場での活用法

利用者様の認知機能低下を心配されている介護職の方ヘ。
本記事では、介護施設で簡単にできる高齢者向け脳トレを15選ご紹介します。
認知症予防に効果的な方法から、介護現場での実践的な活用法まで、詳しくご紹介します。
是非、これからご紹介する脳トレを介護施設でのレクリエーションに取り入れてみてください。
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目次
高齢者向け脳トレの重要性と効果
高齢者向けの認知症予防ゲームは、脳機能を維持するための方法として、非常に重要です。
脳トレレクリエーションで得られる効果は、認知機能の低下を防ぐことと、脳を活性化させることです。
特に、運動とシニア向けの簡単脳トレを組み合わせて行うことで、より高い効果が期待できます。
運動は血液循環を促進し、脳に十分な酸素や栄養素を供給するという効果を発揮するのです。
これにより、脳の神経を成長させるBDNF(脳由来神経栄養因子)というタンパク質の分泌が促進されます。
BDNFは記憶をつかさどる「海馬」の維持・肥大に効果的なため、認知症予防に効果的です。
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最新の研究から見る脳トレの効果
最新の研究結果によると、定期的かつ難易度が高い脳トレは、認知機能の予防に有効的であることが示されています。
例えば、利用者様が1人で手芸やパズルなどの単独活動を行うケースもよくあるでしょう。
しかし、運動と脳トレを同時に取り入れた複合的な脳トレプログラムの方が、単独活動よりも高い効果を示すことが報告されています。
「人付き合いが苦手」「1人での創作活動に集中したい」という利用者様でも、週に1回程度はグループ活動に参加してもらい、少し難易度が高い脳トレに取り組んでもらうことが重要です。
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おすすめの高齢者向け脳トレ15
ここからは、高齢者に適した脳トレを、計15種類紹介します。
これらの脳トレは介護施設のレクリエーションでも活用できます。
そのため、「レクリエーションのネタが思いつかない」とお悩みの介護職の方にも最適です。
レクリエーションネタとしても、認知症予防としても活用できる、高齢者向け簡単な脳トレゲームです。
言語系脳トレ~3種類
言語系脳トレとは、以下のような高齢者向け認知症予防ゲームを指します。
- なぞなぞ(季節や食べ物、動物、スポーツなどに関連するものなど)
- クイズ
- 漢字ドリル
クイズや漢字などの言語を使った脳トレは、利用者様の記憶力や思考力を刺激する脳トレレクリエーションとして効果的です。
数理系脳トレ~3種類
数理系脳トレは、高齢者の脳機能を維持する方法として重要です。
具体的には、以下のような内容を指します。
- 計算ドリル
- パズル(数独、クロスワードなど)
- 暗算ゲーム(小学校低学年レベルのもの)
数字や計算を使った脳トレは、論理的思考力を鍛える効果があることが特徴です。
もし、認知症を発症した場合の暴力行為や暴言などのBPSD(周辺症状)の緩和が期待されます。
視覚・運動系脳トレ~4種類
視覚・運動系脳トレは、特に女性高齢者に人気があるシニア向け脳トレです。
具体的には、以下のような内容を指します。
- 塗り絵
- 手芸
- カードゲーム
- ボードゲーム
視覚・運動系脳トレは、高齢者の創造性や集中力、手先の器用さを向上させる効果があります。
また、昔から編み物や縫い物などの手芸が得意だった利用者様にとっては、昔のことを思い出す「回想療法」にもつながるため、おすすめです。
身体活動を伴う脳トレ~3種類
身体活動を伴う脳トレは、日常生活に簡単に取り入れることができるうえ、高齢者の認知症予防として効果的です。
具体的には、以下のような内容を指します。
- 散歩
- 園芸
- 簡単な体操(ラジオ体操など)
利用者様の日常生活にこのような身体活動を取り入れることで、運動と脳トレの相乗効果により、より高い認知症の予防効果が期待できます。
コグニサイズ:運動と認知課題の組み合わせ~2種類
コグニサイズとは、国立長寿医療研究センター(NCGG)が開発した、運動と認知トレーニングを組み合わせた新しい運動方法です。
具体的には、以下のような内容を指します。
- 足踏みやスキップをしながら計算をする
- 足踏みやスキップをしながらクイズやしりとりをする
コグニサイズは、運動しながら脳を使う問題に取り組むことが特徴です。
これにより、『運動による身体の健康促進』と同時に『脳機能の活発化』を促し、認知症の発症が予防できると期待されています。
ただ単に運動や脳トレをするよりも、運動と脳トレを同時に行うことで、より高い認知症の予防効果が得られるでしょう。
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介護施設での脳トレ活用法
介護施設でのレクリエーションは、さまざまな方法で行うことが可能です。
- 1人の介護職が10名程度の利用者様に対してレクリエーションを実施する
- 複数の介護職が複数の利用者様と一緒に散歩や園芸などの活動をする
- 1人の介護職が1人の利用者様に個別でのレクリエーションを提案する
また、先ほどご紹介した15種の脳トレレクリエーションも、季節に合わせて行うことで、より楽しむことができます。
例えば、
- 春は『お花見会』と称して散歩や園芸活動を実施する
- 夏は漢字ドリルや計算ドリル、手芸など、室内で行える脳トレを実施する
- 秋は『運動会』と称して、散歩やコグニサイズなどの身体を動かす脳トレレクリエーションを実施する
- 冬は夏と同様に、なぞなぞやカードゲームなどの室内で行える脳トレを実施する
このように、季節に合わせて脳トレレクリエーションを実施することで、利用者様の熱中症や脱水症状などを防ぐこともできます。
クイズ大会や季節のなぞなぞ大会など、季節を楽しみながら脳を活性化させる活動を定期的に開催することが重要です。
なお、「グループ活動」か「個別活動」のどちらを希望するか、利用者様お一人おひとりの希望を確認することを忘れてはいけません。
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脳トレの効果を最大化するコツ
脳トレレクリエーションの効果を最大限に引き出すためには、継続的な実施が不可欠です。
毎日30分~1時間以上など、長時間脳トレレクリエーションを行うと、利用者様が飽きてしまったり、疲れてしまったりするのでNGです。
以下の方法を取り入れることで、脳トレの効果を最大化します。
- 毎日10〜15分程度、定期的に脳トレを行う
- 脳トレの内容は毎日同じものではなく、日々異なるメニューを用意する
- 季節に合わせた脳トレクイズや塗り絵などを実施する
- お花見会やクリスマスなどのイベントには、ご家族の方や地域の方、ボランティアの方をお招きし、利用者様の社会参加を促す
- お花見会には桜餅、夏にはそうめんなど、季節の食べ物を取り入れたレクリエーションを行う
特に、介護施設内で孤立化しやすい利用者様にとっては、ご家族や地域の方などとの社会参加の機会を用意することが非常に大切です。
社会参加を行うことによって、利用者様の脳の活性化に役立ちます。
また、季節に合わせた食べ物を取り入れることで、季節感を感じたり、日頃の脳トレへのモチベーションが高まったりします。
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まとめ:高齢者の生活に脳トレを取り入れるポイント
高齢者の脳機能を維持する方法として、日常生活に脳トレを定期的に取り入れることが重要です。
ご家族はもちろん、介護主任やケアマネジャー、看護師、機能訓練指導員などの多職種への相談も欠かせません。
利用者様お一人おひとりの興味や能力に合わせた脳トレ方法を選択し、継続的に実施することが認知機能の維持・向上につながります。

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