訪問入浴サービスとは?高齢者が安心して自宅で入浴するための看護師と介護職員の役割

#介護保険#家族介護者支援#看護師の役割#訪問入浴サービス#高齢者介護

家族介護者の負担を軽減し、介護を必要とする高齢者にとって快適な生活を提供する訪問入浴サービス。

本記事では、訪問入浴サービスにおける看護師と介護職員の役割について解説します。

他にも、訪問入浴サービスの内容やメリット、利用方法についても詳しくご紹介します。

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訪問入浴サービスとは

そもそも、訪問入浴サービスとはどのようなサービスでしょうか?

ここでは、訪問入浴サービスの定義やサービス利用者と条件、利用時の流れについて解説します。

訪問入浴サービスの定義

訪問入浴サービスとは、看護師と介護職員が自宅に訪問し、専用の折り畳み式浴槽を使用して自宅での入浴をサポートする介護サービスです。

訪問入浴サービスは、自力で入浴が困難な高齢者に特化しており、身体的なサポートだけでなく、精神的な健康維持にも大きく役立ちます。

訪問時には、看護師が利用者様の体調確認を行い、安全に配慮して入浴を進めます。

専用の設備を使うことで、寝たきり状態の方でも快適にお湯に浸かることが可能です。

また、訪問入浴サービスは介護保険が適用されるため、経済的な負担も軽減されます。

サービス対象者と条件

訪問入浴サービスの対象者は、要介護認定を受けた方です。

具体的には、以下の条件に当てはまる方が利用対象者です。

  • 要介護1以上の介護認定を受けた方
  • 主治医から入浴許可を得ていること

この条件を満たしていない、要支援1〜2の介護認定を受けた方でも、特定の条件下で利用できるケースがあります。

利用対象に該当するかどうか、不安な方は担当のケアマネジャーにご相談ください。

利用時の流れ

訪問入浴サービスの初回利用時から日常的な利用までの流れは、以下の通りです。

  • 要支援または要介護の介護認定を受けた後、利用したい訪問入浴サービス事業所に相談の問い合わせを行います
  • 訪問日時を設定し、看護師と看護職員が利用者様のご自宅に到着します
  • 到着後、看護師が利用者様の血圧や体温などの健康状態を確認します
  • 介護職員が防水マットの上に専用浴槽を設置し、お湯の温度調整を行います
  • 利用者様の洗髪や洗体など必要なケアを行いながら、安全な入浴をサポートします
  • 入浴後、看護師による再度の体調確認を行います
  • その後、介護職員が片付け作業へと進みます

この流れに沿って、安心して自宅で入浴できるサポートが行われます。

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訪問入浴サービスのメリット

訪問入浴サービスは、利用者様の身体的な清潔保持を提供するだけではありません。

日々変化する健康状態や心身状態を把握し、適切なサポートやご家族へのアドバイスを行うことも訪問入浴サービスのサービス内容です。

ここからは、看護師が中心となり、訪問入浴サービスを提供するメリットについて解説します。

身体的・精神的健康への影響

定期的な入浴は、高齢者にとって身体的・精神的な健康維持に重要です。

温かいお湯に浸かることで血行が促進され、新陳代謝も活性化します。

また、リラックス効果によってストレス軽減にもつながり、心身ともに安定した状態を保つことができます。

その一方で、血圧の変動が大きい方や高血圧症の方は、血行の促進により血圧の急上昇を起こすリスクもあるのです。

他にも、低体温症の方が急に温かいお湯に浸かるとヒートショック現象を起こし、急な心肺停止を起こすこともあります。

このようなリスクを軽減し、安全な訪問入浴サービスを提供するためにも、看護師による体調確認や入浴中の観察が欠かせません。

家族への負担軽減

家族介護者が要介護高齢者の入浴介助する際には、多くの場合、身体的にも精神的にも大きな負担が伴います。

訪問入浴サービスを利用することで、家族介護者の大幅な負担軽減が実現可能です。

しかし、中には寝たきりによる拘縮や筋萎縮などで、専門知識を持った介護職員でも入浴が難しいケースがあります。

そのような場合でも、どのように介助を行えば高齢者が安心してお湯につかることができるか、看護師が助言を行うことでうまくサポートを行うことができます。

その結果、介護職員によるサポートの安全性が向上し、家族介護者も安心して見守りを行うことができるのです。

看護師による客観的なアドバイス・指導は、安全性の向上や事故リスクの軽減に大きく貢献します。

専門的なサポート

看護師による健康チェックやご家族へのアドバイスを行うことは、訪問入浴サービスの大きな特徴です。

看護師の医療と介護の両面性を持った専門的なアドバイス・指導によって、高齢者一人ひとりに合わせたケアが提供されます。

具体的には、体調管理や感染症の予防など、さまざまな観点から健康維持に必要なアドバイスを行います。

また、必要に応じて医療機関との連携も行われるため、体調の急変時や意識レベルの低下などに直面しても、臨機応変かつ適切な対応が可能です。

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利用方法と費用について

訪問入浴サービスの利用を希望する場合、どのようにして利用を開始するべきなのでしょうか?

ここからは、訪問入浴サービスの利用方法と費用について解説します。

また、申し込み手続きや費用概算、保険適用についても解説するため、訪問入浴サービスの利用を検討している方やご家族の方は、是非ご一読ください。

申し込み手続き

訪問入浴サービスの具体的な申し込み手続きや必要書類は以下の通りです。

  1. まずはインターネットやパンフレットなどで、訪問入浴サービスを提供している事業者の情報を調べます
  2. 利用を希望する訪問入浴サービス事業所へ連絡し、相談日程を設定します
  3. 相談日程までに、「要介護認定書」や「主治医からの許可書」などの必要書類を準備し、相談日に事業者へ提出します
  4. 事業者側で必要書類の確認後、具体的な利用開始日程が決まります。
  5. 利用開始日以降、決められた曜日や時間帯に継続した訪問入浴サービスが提供されます

これらのプロセスによって、自宅での入浴が困難な要介護高齢者でも、安心して自宅で訪問入浴サービスを受けることができます。

費用概算

訪問入浴サービスの利用で、実際にかかる費用について具体的に解説します。

訪問入浴サービスは介護保険が適用されます。そのため、自己負担額は利用者様の個人または世帯の所得状況によって1割〜3割の範囲内で提供される仕組みです。

一例として、要支援1〜2の認定を受けた場合は856円程度から始まり、要介護1〜5の認定を受けた場合は1,266円程度となります。

要介護度が高ければ高いほど、自己負担額も高額になっていきます。

ただし、この金額は利用者様の所得によって変動するため、注意が必要です。

また、地域差もあるため、事業者への事前確認をおすすめします。

保険適用について

介護保険料は、40歳以上になると給与から天引きされます。

なお、自営業者の場合は、国民健康保険に上乗せされる仕組みで介護保険料を支払います。

40歳以上の国民が支払う介護保険料によって、介護費用の7割〜9割を国が負担する仕組みとなっているのです。

訪問入浴サービスは「公的介護保険制度内」で提供されているため、多くの場合、1割から3割程度の自己負担額で利用できます。

介護保険制度のおかげで、介護を必要とする高齢者やその家族は経済的負担を軽減しながら必要な介護サービスを受けられます。

また、一部地域では独自の助成制度も存在するため、そちらも併せて確認すると良いでしょう。

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まとめ:訪問入浴は看護師の転職にもおすすめ

本記事では、訪問入浴サービスにおける看護師の役割から、訪問入浴サービスの利用開始方法、費用などについて詳しく解説してきました。

介護を必要とする高齢者が利用する訪問入浴サービスでは、看護師による利用者様の体調管理が欠かせません。

夜勤ありの病棟や介護施設で働いている看護師の方に、おすすめの転職先でもあります。

高齢化が進む現代社会では、今後さらに訪問入浴サービスの需要が高まると想定されています。

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