災害時に役立つ防災介助士とは?資格取得の難易度や費用、メリットについて解説

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災害時に注目される防災介助士とはどんな資格?

防災介助士とは、「公益社団法人 日本ケアフィット共育機構」が創設した民間資格です。

需要の高さから、2015年に資格内容の一部がリニューアルされました。防災介助士は、地震や台風、津波などの自然災害が起こった時にとるべき適切な行動や、実践に活かせる知識・技術が学べる資格です。

近年、日本国内や海外など、地域を問わず地震や大型台風などの自然災害が頻繁に起こっています。もし、介護や医療的ケアを必要とする利用者様が入居している介護施設で自然災害が起こった場合、どう対応するべきなのでしょうか。防災に関する基礎知識を持っているだけでは、実際に自然災害が起こった時、スムーズに対応できない可能性が高いです。

防災介助士の資格を取得することで、災害への正しい知識や理解、普段しておくべき備え、災害時の行動などが具体的に学べます。

防災士との違い

防災介助士と似た資格に、防災士という資格があります。

防災士とは、「認定特定非営利活動法人(NPO法人)日本防災士機構」が認定を行っている民間資格です。「防災介助士」と「防災士」のそれぞれの違いや特徴は、以下の通りです。

防災介助士自分自身や身近な人を守るために役立つスキルを身につける
防災士所属団体や企業、地域などの要請を受け、「避難誘導」「救助」「救命」「避難所の設置」などを行うためのスキルを身につける

防災介助士は、防災士の活動をサポートしたり、高齢者や障がい者の支援活動をしたりすることが主な役割です。防災介助士は『介助士』という名称の通り、高齢や病気、障がいなどにより、特別な配慮を必要とする方の保護や支援を行います。

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防災介助士の役割

防災介助士の役割は、高齢や病気、障がいなどにより支援や配慮が必要な方への対応に焦点を当て、誰も置き去りにしない「インクルーシブ防災」を実施することです。

災害発生時は、迅速な情報伝達や避難の準備、備品の確保を行う必要があります。また、普段の生活環境とは異なる状況での避難所生活に一人ひとりが対応しなければなりません。

しかし、高齢や病気、障がいにより、避難所での生活が難しい方や、特別な支援・配慮を必要とする方も多くいます。防災介助士は、ハンディキャップを持つ方でも安全に避難し、災害から身を守るためのサポートを行うことが主な役割です。

ここからは、防災介助士に求められる3つの役割についてご紹介します。

防災について『知ること』

災害とは、地震や台風、津波などの自然災害のことだけではありません。火災やテロリストによる襲撃、感染症などの疫病も災害に含まれます。

防災介助士は、まず、さまざまな災害の種類や特徴、防災方法を知って理解することで、被害を最小限に抑えます。

自分自身や大切な人を『守ること』

災害に備えて、地域や各企業ではさまざまな防災対策が行われています。しかし、高齢や病気、障がいなどにより、さまざまな配慮や支援を必要とする方への十分な対策が間に合っていないことが現状です。

防災介助士は、ハンディキャップを持つ方を視野に入れ、いざという時に自分自身や大切な人を守るための備えや対策を行います。

自分自身や大切な人を『助けること』

防災介助士は、災害が起こった際に、避難の計画や情報伝達、備品の確保など、迅速な対応を行い、人々を助けます。

また、適切な応急処置の方法や救助方法を身につけ、自分自身や大切な人を助けることが防災介助士の最も重要な役割です。

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防災介助士の資格取得方法

防災介助士の資格は、テキストを使った自宅学習と課題の提出、実技教習の受講の後、筆記試験に合格することで取得できます。

ここからは、防災介助士の資格取得の流れについてご紹介します。

申し込み

まずは、「公益社団法人 日本ケアフィット共育機構」の公式サイトにある「防災介助士」の申し込みフォームから、申し込みに必要な情報を入力します。

受講要件は特になく、どなたでも申し込み可能です。申し込みが受理されると、講座の受講に必要なテキストや課題などが郵送されます。

講座の受講

申し込みから12ヵ月以内に、テキストを使った自宅学習と課題の提出、筆記試験を含む実技教習への参加を行います。さらに、実技教習を受ける前に、各自で全国各地の消防局・消防本部が実施している「救命講習」を受講しなければなりません。

防災介助士の必要カリキュラムや受講費などの詳細は以下の通りです。

自宅学習の内容申し込み後、配布される「防災介助士資格取得講座テキスト」に沿って、自宅学習を進めます。テキスト内容は以下の通りです。
第1部:防災介助士の基本理念と社会的必要性
第2部:防災介助士に必要な防災の視点
第3部:災害事象の理解と対応
第4部:災害時に即応する防災技術
第5部:関連法規・制度
各自で受講する救命講習実技講習を受けるまでに、次のいずれかの講習を各自で受講する必要があります。
・地元消防署「普通救命講習ⅠまたはⅡ」
・日本赤十字社「救急法一般講習または基礎講習」
受講費用27,500円(税込)
引用:災介助士 | 公益社団法人 日本ケアフィット共育機構

実技教習・筆記試験

自宅学習と課題提出、救命講習の受講を終えたら、実技教習と筆記試験を受けます。実技教習の内容や、筆記試験の詳細は以下の通りです。

実技教習の内容実技教習では、「防災意識のチェックやリーダーシップ(ICS)」や「防災への理解」といった内容を座学で学ぶほか、実技教習で以下の介助技術を身につけます。
・椅子を使った搬送
・三角巾を使った足首の固定
・毛布を使った搬送
9:30〜17:00の時間帯で実施され、最後の1時間は筆記試験です。
実技教習・筆記試験ともに事前予約制で、東京・大阪・福岡の全国3箇所にある会場で実施されています。
筆記試験の難易度筆記試験の合格率は80%以上です。
70点以上の得点で、合格となります。
万が一、不合格だった場合でも、再試験の受験が可能です。
再試験を受ける際は、別途3,300円の受験料が必要です。

資格認定

提出課題と筆記試験を通過後、申請・登録手続きを行うことで「防災介助士」の資格取得となります。

ただし、提出課題が70点未満の場合は課題の再提出が必要になり、筆記試験が70点未満の場合は、不合格となるので注意が必要です。

資格更新

防災介助士の資格は、3年ごとの更新が必要です。なお、資格更新の際は、3,300円(税込)の更新料が必要です。

防災介助士の資格更新の際は、更新日の1ヵ月前に、必要な書類が郵送されます。郵送された案内に沿って、更新手続きを行いましょう。更新の際は、郵送された以下の書類に必要事項を記入します。

  • 更新申請票(はがきサイズ)
  • ふりかえりアンケート

もし、資格の有効期限が過ぎてしまったにもかかわらず、更新がなされていない場合、それまで保有されていた資格は失効となるので要注意です。

ただし、引っ越しや海外勤務、長期の病気療養など、資格の更新手続きに困難があることが認められた場合、特例として失効される資格が救済されます。詳細については、「公益社団法人 日本ケアフィット共育機構」の公式サイトにて確認もしくはお問い合わせください。

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防災介助士資格を取得するメリット

防災介助士の資格を取得することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。防災介助士の資格を取得するメリットは、主に以下の5つです。

  • 災害や防災に関する正しい知識が身につく
  • 正しい判断や適切な対応方法ができるようになる
  • 適切な介助方法や応急処置が身につく
  • 災害時にリーダーシップをとって対応を行うことができる
  • 介護職の場合、ケガや窒息などの緊急時の応急処置もスムーズにできるようになる

災害時、介護施設に入居する利用者様が自力で避難することはほぼ不可能に近いです。混乱した状況の中、介護職が率先して避難の誘導や必要な支援を行うためにも、防災介助士の資格を取得することをオススメします。

いざという時に、自分自身や大切な人を守るために、防災介助士の資格取得を通じて、防災や災害に必要な知識・技術を学んでみてはいかがでしょうか。

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介護現場での防災対策に最適な資格

災害時、自分自身や大切な人を守るためには、日頃から災害や防災に必要な知識・技術を学んでおくことが重要です。

特に、高齢や病気、障がいなどにより、自力避難が困難な方は、介護職や防災介助士の助けを必要としています。必要な配慮や支援を行いながらも、人々の命を守ることができるようになる「防災介助士」の資格取得を、是非ご検討ください。

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