介護のサービス担当者会議とは?行われる目的や準備について徹底解説

#介護の知識

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サービス担当者会議とは?

サービス担当者会議とは、介護支援専門員(以下、ケアマネジャーと呼ぶ)が作成したケアプランの内容について、利用者様やご家族の方、各関係者が検討し合う会議です。

利用者様やご家族の方が抱える悩みを解決したり、ニーズに沿ったより質の高い介護サービスを提供するために欠かせません。サービス担当者会議では、ケアマネジャーが中心となり、各関係者を交えて意見交換や情報共有を行います。

サービス担当者会議を実施する目的

サービス担当者会議を行う主な目的は、以下の通りです。

  • ケアプランが作成された意図・根拠の共有
  • 利用者様やご家族の方が目指す「目標」のイメージ共有
  • 課題を解決するための意見交換

サービス担当者会議は、ケアマネジャーを中心に、介護職や看護師、主治医、リハビリ職など、チームケアが欠かせない介護現場で、必要な情報を共有することが主な目的です。

ケアマネジャーが作成したケアプランを基に、利用者様にとって本当に最適なケアであるかについて、各職種の意見を交えながら検討を行います。特に、主治医を招くことで、医学的知見から専門的なアドバイスが得られるようになります。

また、サービス担当者会議は利用者様やご家族の方の参加も可能です。利用者様やご家族の方のご意見・ご要望を反映しながら、ご納得いただける介護サービスの提案を行います。

サービス担当者会議の参加者

サービス担当者会議の主な参加者は、以下の通りです。

  • ケアマネジャー
  • 利用者様とそのご家族の方
  • 利用者様の主治医
  • サービス提供責任者または施設の介護主任
  • 介護職
  • 看護師
  • 理学療法士・柔道整復師などのリハビリ職
  • 管理栄養士

サービス担当者会議の参加者は、利用者様の心身状態によって異なります。

例えば、利用者様が医療やリハビリをあまり必要としていない場合、「看護師のみ参加」「主治医やリハビリ職は不在」ということもあります。基本的に、サービス担当者会議はケアマネジャーが司会進行を行い、担当の介護職が議事録を作成するケースが多いです。

サービス担当者会議の開催時期・開催場所

サービス担当者会議が行われる「開催時期」と「開催場所」は以下の通りです。

開催時期・介護サービスの新規利用時
・骨折や意識不明、一時的な心肺停止などの問題発生時
・介護認定の更新時
開催場所・利用者様の自宅
・現在入院している病院
・かかりつけ医の診療所

サービス担当者会議には、利用者様やご家族の方、各関係者などが集まるため、主催者であるケアマネジャーは、連絡調整が必要です。全員が参加できる日時や場所を決めることが重要になります。

また、開催場所である「利用者様の自宅」や「病院・診療所」には、参加者全員の自動車やバイク、自転車などが置けるかどうかを事前に確認しておきましょう。開催場所によっては、タクシーやバスでの移動も検討する必要があります。

開催時間は「15分〜30分程度」の短い時間で終わらせられるよう、配慮することが大切です。

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サービス担当者会議で取り上げるべき議題

サービス担当者会議で取り上げる議題は、利用者様の状態によって異なります。サービス担当者会議で取り上げる議題の一例は、以下の通りです。

ケース①:自宅暮らしで新規での訪問介護サービスを利用したい

利用者様の状態・ニーズ自宅で暮らしてきたが、歩行が不安定になり、掃除や洗濯などの家事が難しくなった。
そのため、新規で訪問介護サービスを利用したい。
取り上げるべき議題・訪問介護サービスは「夜間対応型」や「定期巡回」である必要があるか
・訪問介護サービスをいつから開始するか

ケース②:デイサービスを利用していたが怪我をしてしまった

利用者様の状態・ニーズデイサービスを利用しながら自宅で暮らしていたが、夜中にトイレに行こうとして、大腿骨頸部を骨折してしまった。
退院後、自宅での生活ができるか不安。
取り上げるべき議題・リハビリに特化した介護サービスを受けるべきかどうか
・リハビリ終了後、自宅で過ごすか、どの介護サービスを受けるか

ケース③在宅介護をしてきたが、これ以上在宅介護が難しい

利用者様の状態・ニーズこれまで要介護3で在宅介護をしてきた。
しかし、尿路結石による入院と手術により要介護5まで上がってしまった。
これ以上在宅介護は難しく、キーパーソンである長女が頭をかかえている。
取り上げるべき議題・施設入所を望むか、居宅介護サービスを望むか、ご家族の方の希望確認
・施設の空きが出るまでの期間、利用できる介護サービスはあるか

サービス担当者会議での注意点

サービス担当者会議でさまざまな議題を取り上げる中で、話がそれてしまったり、全く別の話に切り替わったりしてしまうこともあります。そのため、サービス担当者会議では、話が変わってしまわないよう、話の論点を明確にすることが重要です。

いずれのケースでも、「サービスの開始日」や「サービスの必要性」「サービスを受けることで生じるリスクや弊害」「他によりよい提案があるか」が考えられます。

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サービス担当者会議に必要な事前準備

サービス担当者会議を始める前に、徹底した事前準備を行うことが重要になります。もし、いい加減な事前準備を行った場合、当日に抜けが目立って慌てることになるでしょう。

ここからは、サービス担当者会議の主催者がするべき事前準備をご紹介します。

各参加者への連絡調整

サービス担当者会議を実施するには、「日時決め」「実施場所決め」「各参加者への連絡調整」が重要になります。その際に、利用者様のどのような議題を取り扱うかについて、簡単でいいので、伝えておくことが望ましいでしょう。「その日は予定が入っていて、参加できない」と言われることがないよう、余裕を持って早めに連絡を入れることが大切です。

会議内容と時間配分の見直し

サービス担当者会議では、参加者全員が共通した「議題」が理解できるよう、議題やその内容を明確にまとめておきます。参加者全員が内容を理解できるよう、資料を作成しておくことも大切です。

また、サービス担当者会議の実施時間は「約15分〜30分程度」のため、時間内に会議が終わるよう、事前に時間配分を考えておくようにしましょう。

挨拶文・お礼文の準備

サービス担当者会議の実施当日、開始前と終了後に、参加者全員への挨拶やお礼をする必要があります。事前に挨拶文やお礼文を考えておくことで、当日「何を話していいのか分からない」とパニックになることはありません。

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サービス担当者会議の流れ・進め方

実際に、サービス担当者会議はどのような流れ・手順で行われるのでしょうか。特に、限られた時間ですべての議題・内容について話し合うには、時間配分が重要です。

ここからは、サービス担当者会議の実際の流れ・進め方についてご紹介します。

始まりの挨拶と自己紹介をする

サービス担当者会議の始まりの挨拶は、主催者のケアマネジャーが行います。

「本日はご多忙の中、お集まりいただきありがとうございます」という簡単な挨拶で構いません。続いて、主催者の自分自身の職種と氏名を名乗り、今回の会議で取り上げる「議題」について簡単に紹介します。

その後、主催者であるケアマネジャーが、参加者全員の職種や氏名を紹介しますので、紹介された方は軽く一礼するようにしましょう。

議題に沿って話し合う

始めの挨拶の際、ケアマネジャーが紹介した「今回の会議で取り上げる議題」について、利用者様やご家族の方の意向・意見を確認しながら話し合います。各参加者が持っている知識や知見に沿ったアドバイスをいただき、利用者様にとって最適の介護サービスが提供できることを目指します。

ただし、話が脱線することもあるため、要注意です。必ず、主催者であるケアマネジャーが話を戻すように促しましょう。

利用者様・ご家族の方の同意を得る

サービス担当者会議は、各参加者が話し合うだけの場ではありません。利用者様やご家族の方に、実際に提供する介護サービスの説明を行い、同意を得たうえで会議が終了します。

もし、利用者様やご家族の方が納得されない場合、後日改めてサービス担当者会議を開くこともあります。

終わりの挨拶とお礼をする

会議の最後は、主催者であるケアマネジャーが、参加者全員に挨拶をします。「ご多忙のところ、お集まりいただきありがとうございました」と挨拶とお礼をするのが一般的です。

各参加者が帰宅したのを確認してから、改めて利用者様とご家族の方に挨拶とお礼を伝え、事業所に戻ります。

議事録の作成と共有を行う

サービス担当者会議が実施されてから1週間以内を目途に、会議で話し合ったことをまとめた「議事録」を作成し、各参加者に手渡しまたは郵送、メールなどで共有します。

議事録には基本的に、以下の内容を記載します。

  • 今回の会議で取り上げた「議題」
  • 会議当日に話し合った内容
  • 会議当日に決定したこと
  • 今後、課題や再検討が必要な内容

なお、議事録の作成と司会進行を同時に行うのが負担に感じる場合は、介護職などに議事録作成を依頼することもおすすめです。

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目的や事前準備・当日の流れを理解してスムーズな進行を

サービス担当者会議は、利用者様やご家族の方が希望する介護サービスを提供するうえで、欠かせない重要な会議です。サービス担当者会議では、利用者様やご家族の方の意向・ニーズに加えて、各専門職の専門的な意見や知識を共有します。会議当日にスムーズな進行ができるよう、当日の流れをしっかり把握しておくことが重要です。

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