病院への付き添いで高齢者をサポート。保険適用の通院介助について解説

#介護保険

「病院までひとりで行くのが大変」
「通院介助を受けたい」
「どのような人が介助を受けられるの?」

このような疑問・悩みを抱えていませんか?

通院介助とは、介護保険適用で病院までの移動をサポートしてくれるサービスです。

この記事では「どのような人が通院介助を受けられるのか」「通院介助のサービス内容」「介護保険適用外のサービス」などを解説しています。

記事の内容を参考に、通院時の移動・金銭の負担を減らしましょう。

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「通院介助」は、通院が困難な高齢者を助けるサービス

「通院介助」はその名のとおり、病院への移動をサポートするサービスです。

ひとりで通院するのが困難な高齢者にヘルパーが付き添い、車への移乗や、病院での手続きをお手伝いします。

病院内での介助は医療保険の範囲でのサービスになるため、通院介助は主に移動中のサービスを指します。

車内での健康管理など、移動にかかわること以外もサポートしてくれるのがメリットです。

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通院介助を受けられるのは要介護の認定を受けた方

保険適用の通院介助を受けられるのは、要介護1~5の認定を受けた方です。
要介護認定の詳細については下記を確認しましょう。

自立 歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能であり、かつ、薬の内服、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態
要支援1 日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態
要支援2 日常生活上の基本的動作についても、自分で行うことが困難であり、何らかの介護を要する状態
要介護1 要支援状態から、手段的日常生活動作を行う能力がさらに低下し、部分的な介護が必要となる状態
要介護2 要介護1の状態に加え、日常生活動作についても部分的な介護が必要となる状態
要介護3 要介護2の状態と比較して、日常生活動作及び手段的日常生活動作の両方の観点からも著しく低下し、ほぼ全面的な介護が必要となる状態
要介護4 要介護3の状態に加え、さらに動作能力が低下し、介護なしには日常生活を営むことが困難となる状態
要介護5 要介護4の状態よりさらに動作能力が低下しており、介護なしには日常生活を営むことがほぼ不可能な状態

(引用:2015年の高齢者介護 参考(3) 介護保険制度における要介護認定の仕組み

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保険適用で通院介助を受けるには条件がある

通院介助を受ける際、保険が適用される条件が定められています。

条件は以下のとおり

  • ケアマネジャーによって通院介助がケアプランに組み込まれていること
  • 自宅と病院間の移動の介助が目的となっていること

ケアマネジャーによって「通院介助が必要」と判断される必要があるので、介助を希望する場合はしっかりと相談しましょう。

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介護保険が適用されないケース

要介護認定を受けていても、介護保険が適用されない場合があります。
ひとつずつ見ていきましょう。

病院内での介助

病院内での介助は医療保険サービスになるため、介護保険の適用外になります。

例外として「ケアマネジャーが必要と判断し、病院側での対応が困難」な場合は、訪問介護員による病院内での付き添いが可能。

保険の範囲内で診察室内まで付き添うことはできないため、訪問介護員の同席が必要な場合は自費でサービスを受ける必要があります。

自宅以外での待ち合わせ

介護保険の範囲で認められているのは「自宅から病院」「病院から自宅」の通院介助です。
そのため、自宅以外を出発点・到着点にしたい場合は適用外となります。

しかし2021年に介護保険の法改定があり、居宅を起点・終点とする通院介助に保険が適用されることとなりました。

これまでは、自宅出発後に病院を2院以上まわる際、自宅を経由する必要がありました。
現在は、病院から病院への移動も保険が適用されます。
また、デイサービスを発着点とする場合も、保険の適用範囲内となります。

自立・要支援

自立・要支援の方は、保険適用で通院介助を受けるのが困難です。

要支援の場合、訪問サービスは「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」により実施されるため、介護保険の適用は困難。

総合事業は高齢者の自立を目指して行われる事業です。
「できないことをお手伝いする」「自分でできることを増やす」といったことが目的のため、要支援者への通院介助はケアプランに組み込まれにくいです。

介護保険適用外の介護サービスを利用できることがあるため、介護支援事業所で確認してみましょう。

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通院介助を利用する際はまずケアマネジャーに相談しよう

要介護1~5で通院介助の利用を希望する場合は、まずケアマネジャーに相談しましょう。
ケアマネジャーにより介助の必要があると判断されると、ケアプランに通院介助が組み込まれます。
その後、ケアマネジャーからサービス提供事業者へ依頼を行い契約。
指定の日時よりサービスを受けられます。

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制限のない通院介助を希望する場合は「介護タクシー」を利用する

介護タクシーは2種類存在します。それぞれの特徴を見ていきましょう。

介護タクシー

介護タクシーは目的が定められていない、自由度の高いサービスです。お買い物や習い事、外食など、さまざまな用途で利用できます。

ドライバーは介護職員以外もなれるため、乗車の介助は行わないことも。自立した人向けのサービスといえるでしょう。

また、介護タクシーのなかには「福祉タクシー」も含まれます。
福祉タクシーは身体障がい者向けの乗り物で、車いす用のリフトやスロープがついているのが特徴。

介護タクシーと同じくドライバーは介護関係の資格をもっていないことが多く、介助を受けられない可能性が高いため注意が必要です。

介護保険タクシー

介護保険タクシーはその名のとおり、介護保険適用の料金で利用できるサービスです。
利用用途は「通院」「本人が行く必要のある買い物」「選挙会場への移動」など。

このうち買い物は、補聴器や眼鏡といった「本人がその場にいて調整しなければならないもの」に限られます。

また、タクシーのドライバーは介護資格をもっており、乗降の際の介助を行ってくれることもメリット。

介護度の高い方は、介護保険タクシーを利用しましょう。

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分からない場合は信頼できる介護職者に相談しよう

保険適用で通院介助を受けるには、ケアマネジャーに判断してもらう必要があります。

要介護1~5の認定を受けていて、自宅と病院間の移動を目的としている方なら、介助を受けられる可能性が高いです。

場合によっては介護保険が受けられないこともあります。その場合は、保険適用外の介護タクシーを利用するのもひとつの手です。
利用目的が定められていないため、さまざまな所へ行くのに役立てられるでしょう。

保険の適用には多くの条件があり、自分だけで判断するのは難しいです。
自分にとって最適なサービスがどのようなものか、担当のケアマネジャーや訪問介護員などに相談してみましょう。

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