要介護5で利用できる介護保険サービスとは?オススメ施設や在宅介護について詳しく解説

#介護#介護の知識#介護保険

要介護5の介護認定を受けた方が在宅介護を継続するのは難しいのでしょうか?介護度が重くなってくると介護者の負担が増え、このような不安を抱えている方も多いかもしれません。

そこで今回の記事では、要介護5の方が受けられる介護保険サービスについてご説明します。在宅介護を継続する際に利用したい介護保険サービスや、オススメの施設についても解説しますのでぜひ参考にしてください。

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「要介護5」とはどのような状態?

厚生労働省が定めている「要介護認定等基準時間」によると、 要介護5は「要介護認定等基準時間が110分以上又はこれに相当すると認められる状態」と定義されています。

身体的には寝たきりで、ベッド上で過ごすことが多く、離床した際には車椅子などの移動手段が必要です。認知症が進行し、コミュニケーションを取るのが難しい方、意思疎通が困難な方も多くいます。そのため、要介護5の認定を受けている方は、他者の手助けがないと生活を営むことができません。家族が介護をするか介護保険サービスを利用する必要があります。

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他の要介護度の違いは?

要介護5は、5段階の中で最も高いレベルの介護度です。

要介護5より1つ介護度が軽い、要介護4との違いは以下のように定義されています。

要介護4介護なしには日常生活を営むことが困難となる状態
要介護5要介護4の状態よりさらに動作能力が低下しており、介護なしには日常生活を営むことがほぼ不可能な状態

参考:厚生労働省「介護保険制度における要介護認定の仕組み」https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/kentou/15kourei/sankou3.html

要介護4の方も「介護なしには日常生活を営むことが困難となる状態」のため、要介護5の方との違いがわかりにくいかもしれません。しいて違いを挙げれば、要介護4の方のほうがわずかに自身で体を動かしたり、コミュニケーションが取れる方がいる点です。要介護5は要介護4よりもさらに重い介護度なので、すべてのことに手助けが必要な状態と言っても過言ではないでしょう。

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要介護5の方が利用でき在宅介護サービス一例

要介護5の方が在宅生活を続ける場合には、介護保険サービスの利用が欠かせません。介護保険を利用することで、介護サービスが受けられるのはもちろん、担当のケアマネジャーに介護の相談をすることも可能です。家族等だけの介護だけでは体力的にも精神的にも疲弊してしまうリスクがあるので、安心して在宅介護を継続するためにも相談してみましょう。

要介護5の方は、介護保険で受けられるほとんどの居宅サービスが利用可能です。
利用できる介護サービスには以下のようなものがあります。

自宅に訪問訪問介護
訪問入浴
訪問看護
訪問リハビリ
夜間対応型訪問介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
施設に通う通所介護(デイサービス)
通所リハビリ(デイケア)
地域密着型通所介護
療養通所介護
認知症対応型通所介護
訪問・通い・宿泊の組み合わせ小規模多機能型居宅介護
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
宿泊短期入所生活介護(ショートステイ)
短期入所療養介護
福祉用具貸与(レンタルできるもの)
特殊寝台および付属品
床ずれ防止用具
体位変換器
手すり
スロープ
車いすおよび付属品
歩行器
歩行補助杖(松葉杖や多点杖など)
移動用リフト
徘徊感知機器
特定福祉用具販売(購入できるもの)
腰掛便座
自動排泄処理装置の交換可能部分
排泄予測支援機器
入浴補助用具(入浴用椅子、浴槽用手すりなど)
簡易浴槽
移動用リフトのつり具

参考:厚生労働省「公表されている介護サービスについて
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/

要介護5の方が在宅で過ごすのにおすすめのサービスをいくつかご紹介します。

自宅に訪問するサービス

要介護5の方はベッド上で過ごすことが多く外出が困難なため、自宅で受けるサービスを利用するのがおすすめです。訪問系のサービスで代表的なものには、訪問介護サービス・訪問看護サービス・訪問入浴サービスなどがあります。

「訪問介護」は自宅にヘルパーが訪問し、食事・入浴・排泄などの介護を家族に代わり実施するサービスです。家族でできる介助もあるかもしれませんが、介護疲れを防止するためにも、時にはヘルパーの力を借りることが大切です。また、自宅の浴槽での入浴が難しい寝たきりの方に対しては、簡易浴槽を持ち込み入浴の介護を行う「訪問入浴」もあります。

要介護5になると、医療的ケアが必要な方も多くなります。自宅に看護師が訪問し、医師の指示に基づいた医療サービスが受けられる「訪問看護」も導入しておくと安心です。

施設に通うサービス

通いのサービスは、施設で食事や入浴などの支援が受けられる「デイサービス」や、病院や介護老人保健施設などに併設し、医療的サービスが受けられる「デイケア」が代表的です。

通いのサービスを利用するメリットは、外出の機会が設けられるので生活が活性化することです。アクティビティや機能訓練なども受けられるので、心身機能の維持向上が期待できます。他にも、施設の設備で入浴サービスを受けたい方や、家族の休息時間を設けたい方など、さまざまな目的で利用されています。

要介護5の方が通いのサービスを利用する時は、入浴設備や食事内容などが対応しているか、送迎車に乗り込めるかなどを事前にチェックしておくことが大切です。車椅子に長時間座っていることが難しい方は、休息できる場所があるかなどもチェックポイントです。半日利用型や入浴特化型などさまざまなタイプがあるので、現在のお身体の状態で利用可能であるかをしっかり確認しておきましょう。

施設に宿泊するサービス(ショートステイ)

施設に宿泊するショートステイのサービスには「短期入所生活介護」「短期入所療養介護」があります。特別養護老人ホームなどで日常生活の介護を受けるのが「短期入所生活介護」、介護老人保健施設や医療機関などで医療的サービスも受けられるのが「短期入所療養介護」です。

ショートステイも、家族の休息時間を設けるための「レスパイトケア」には必要な介護サービスです。

福祉用具貸与・販売

在宅介護には福祉用具の利用も欠かせません。福祉用具を利用することで、介護者の介護負担は大きく軽減します。

ベッド上で過ごすことが多い要介護5の方には「介護ベッド(特殊寝台および付属品)」や、褥瘡を予防するための「床ずれ防止用具」「体位変換器」はマストアイテムと言っても過言ではないでしょう。また、離床する際には「車いすおよび付属品」も必須です。

介護保険で利用できる福祉用具には、レンタルできるものと購入できるものがあります。排泄や入浴などに利用するものはレンタルにそぐわないため購入になります。福祉用具専門相談員や看護師、ケアマネジャーに相談しながら、お身体の状況に合う福祉用具を選択しましょう。

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要介護5の方にオススメの介護施設一例

要介護5の状態になると、在宅介護が困難になり施設入居を希望する方も増えます。

要介護5の方は以下のような施設に入所することが可能です。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 有料老人ホーム
  • グループホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅

要介護5の方は、基本的にすべての介護施設を利用できますが、自立型の施設や医療的サービス・看取りに対応していない施設もあるので、介護体制をしっかり確認しておかなくてはなりません。また、必要な介護や医療サービスに応じて費用がかさむ場合もあるので、利用料金のチェックも重要です。

ここからは、要介護5に適した施設サービスをピックアップしてご紹介します。

介護保険で利用できる公的施設

自治体や社会福祉法人などが運営する公的施設は「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護医療院」の3種類です。

公的施設の種類特徴
特別養護老人ホーム原則要介護3以上で常時の介護が必要な方が対象
看取りの希望を受け入れている施設も多い
費用が安いため待機者が多くなかなか入居できないこともある
介護老人保健施設退院後、在宅復帰を目指すための施設
医療ケアやリハビリが充実している
入所期間は原則3ヶ月で終身利用はできない
介護医療院医療と介護両方のケアが必要な方が長期療養できる
病院に併設されている施設が多いので緊急時にも安心
看取りやターミナルケアに対応している

公的施設は費用が安いのが特徴です。ただし、その分人気があり「特別養護老人ホーム」はなかなか入居できないケースがあります。また「介護老人保健施設」は原則、在宅復帰を目指す方の施設なので、終身利用ができない点にも注意しなくてはなりません。

有料老人ホーム

要介護5の方には有料老人ホームもおすすめです。有料老人ホームは「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」が代表的です。

有料老人ホームの種類特徴
介護付き有料老人ホーム施設の介護スタッフから24時間の介護サービスが受けられる
介護度により介護保険サービスの自己負担額が設定されている
医療的ケアや機能訓練も受けられる
住宅型有料老人ホーム施設のサービスに介護サービスは含まれない
外部の事業所と契約して介護サービスを受ける
スタッフの配置が少ない施設もある

介護付き有料老人ホームは「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、施設のスタッフから介護サービスが受けられます。介護度により月額の自己負担額が定められているので、介護度が変わらなければ毎月の料金変動がなく安心です。

一方で住宅型有料老人ホームは、施設で介護保険サービスを提供しません。在宅で生活されている方と同じように、訪問介護や訪問看護などの事業者と個別で契約します。要介護5の方は常時の介護が必要なため、支給限度額内で利用するサービスを調整する必要があります。

最近では、有料老人ホームでも手厚いサービスを提供している施設が多く、リハビリが充実している施設や、看取りに対応している施設などさまざまなタイプがあります。ただし、高額な施設も多いので、必要なサービスと利用料金を見極めて選ぶようにしましょう。

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看取りも視野に入れた介護サービスの選択を

今回の記事では、要介護5の方が利用できる介護保険サービスについて解説しました。

要介護5の方には、医療サービスが必要な方や看取りの段階に入っている方もいます。お身体の状況により必要なサービスは異なるので、ケアマネジャーと相談しながら選択しましょう。

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