介護をサポートしてくれる介護ロボット・AIについて解説【導入によるメリットも紹介】
「介護ロボットってどういうもの?」
「最近よく聞くAIってなんだろう?」
介護の現場における「介護ロボット」や「AI」。名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
現在、人材不足の解消や介護サービス向上のため、ロボットやAIを導入する事業所・施設が増えています。
今回は、介護現場で広がりつつある介護ロボット・AIについて解説します。
正しい知識を身に付けて、高齢者・職員両方に優しい環境づくりに取り組みましょう。
- 介護ロボット・AIとはなにか
- 現場で実際に使われているロボット・AI
- 導入によるメリット
この記事を読んでわかること
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目次
介護の新しいスタイル「介護ロボット」とは
介護ロボットはその名のとおり、介護の現場で役立てるために開発されたロボットのことです。
主な利用目的は以下の2つ。
- 介護される人の動作をサポートする
- 介護する人の負担を軽減する
介護現場での問題解決に有効であると、今注目を集めています。
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なぜ介護業界向けにロボットが開発されるようになったのか
- AI搭載自立走行ロボット「アイオロス・ロボット」
- 電動アシストウォーカー「RT.2」
- セラピーロボット「PALO」
- マッスルスーツ「Every」
- 移乗サポートロボット「Hug」
AI搭載自立走行ロボット「アイオロス・ロボット」
「Aeolus Robotics」社が開発した介護支援ロボットです。
人工知能と3Dビジョンの搭載により「人物の特定」「障害物の把握」「物体の認識」といった判断が可能。
2本のアームを使い「エレベーターのボタンを押す」「ドアをあける」「日用品を運搬する」などの動作を行います。
電動アシストウォーカー「RT.2」
「RT.ワークス株式会社」が開発した、電動アシスト付きのシルバーカーです。
坂道に反応し、上りでのアシストや下りでのブレーキを自動でかけてくれます。
手元のボタンでアシストの強さを調整可能。
高齢者の安全な外出をサポートしてくれるアイテムです。
セラピーロボット「PALO」
「PALO」は、アザラシ型のセラピーロボットです。
動物とふれあうことで、ストレスの軽減・心を癒やす効果を求める「アニマルセラピー」。
PALOの使用には、アニマルセラピーと同じ効果が期待できると確認されています。
2002年には「最もセラピー効果があるロボット」としてギネスに認定されました。
本物の動物とのふれあいには、感染症やアレルギーなどのリスクがありますが、PALOならその心配もありません。
マッスルスーツ「Every」
「Every」を装着すると、力仕事をアシストしてくれます。
「重いものを運ぶ」「中腰の姿勢になる」「高齢者を起き上がらせる」といった場面で、負担を軽減。
介護職員の身体的負担を減らし、サービスの向上が図れます。
移乗サポートロボット「Hug」
自力で立ち上がるのが難しい方のために開発された「Hug」。
抱きかかえるように優しく体を持ち上げてくれます。
ベッドから車いす、車いすからトイレへの移乗が楽に。
介護する人・される人両方の負担を減らすロボットです。
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現場におけるロボット導入のメリット
ロボットの導入によるメリットは「介護の負担」を減らせることです。
介護する人・される人それぞれにとってのメリットを見ていきましょう。
介護する人の負担軽減
介護の現場では「重いものを運ぶ」「高齢者の体を支える」など、力を必要とする場面が数多くあります。
介護者の力をアシストするものや、高齢者の自立をサポートするロボットを導入すれば、力仕事の負担を減らせます。
また、見守りロボットを使えば安否確認も効率的に。
人手不足が懸念される介護の現場ですが、ロボットに仕事をまかせられる部分もあります。
介護者の精神的負担の軽減にもつながるでしょう。
介護される人の負担軽減
姿勢の保持や移動をサポートするロボットを使えば、高齢者の身体的負担を軽減できます。
さらに、高齢者が自力で体を動かす機会も増やせ、身体機能の低下予防も図れるでしょう。
セラピーロボットや見守りロボットなどの導入で、心理的負担の軽減も期待できます。
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ロボットを導入する大きなデメリットとは
大きなデメリットとして挙げられるのは「価格」。
開発の費用がかかるぶん、高価格のものが多いです。
また、自治体によっては介護ロボット導入の予算が降りるところもありますが、認知状況の低さから、まだまだ制度の全国的な普及には至っていません。
しかし現在、厚生労働省が介護ロボットの開発・導入を積極的に支援しています。
助成金や補助金の制度も充実してきており、今後の介護のロボット普及が期待できるでしょう。
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ロボット以外でも介護業界で活躍するIT「AI」
「AI」とは、「人工知能」のこと。
その最大の特徴は、自ら学習する機能が備わっているところです。
状況を自分で分析・判断するため、人間が指示を送り続けなくても適切な行動をとれます。
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AIを介護業界に導入するとどうなるのか
介護施設の職員は、高齢者の介護以外にも多くの業務を抱えています。
AIの導入によって、手作業で行っていた事務処理を自動で行えるほか、夜間の見守りも任せられるでしょう。
AIの導入によって業務負担が軽減され、人材不足の解消も期待できます。
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AIの導入事例を紹介
- 見守りセンサーAI「LASIC+(ラシクプラス)」
- ケアプラン作成システム「SOIN(そわん)」
- 送迎支援サービス「DRIVEBOSS」
見守りセンサーAI「LASIC+(ラシクプラス)
「LASIC+」は、凸版印刷株式会社が開発したAI付き見守りセンサー。
プライバシーに配慮したセンサーをお部屋に設置し、高齢者の行動を分析します。
行動データをもとに、普段と違う異常行動を検知した場合はすぐ介護職員に連携。
見守り業務の負担を軽減しつつ、高齢者が安心して過ごせる環境づくりに役立ちます。
「SOIN(そわん)」
AIが蓄積したデータをもとに、ケアプランを提案してくれるシステム「SOIN」。
過去の介護記録の参照など、ケアマネジャーが手作業で行っていた業務をAIが自動で行ってくれます。
ケアマネジャーの負担を軽減するほか、高齢者により最適なケアプランを提案できます。
送迎支援サービス「DRIVEBOSS」
デイサービスといった事業所では、利用者の送迎計画書を作成する必要があります。
送迎支援サービス「DRIVEBOSS」は、テータベース上の情報をもとに、利用者に最適な送迎計画を自動で作成してくれるサービス。
利用者へのサービス向上や、職員の業務負担軽減が図れます。
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AIを介護に生かすためにはまだデータが不足している
AIの能力を最大限活かすためには、データが必要になります。
しかし、介護現場での判断は個人に委ねられることが多く、AIに共有できるデータとして残りにくいです。
現在政府によって、科学的介護システム「LIFE」が運営されています。
全国の介護事業所で作成されている介護の記録・実績をデータとして蓄積。
AIによる介護の最適化に役立てられています。
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介護業界へのIT導入の課題は「心」「信頼関係の構築」
介護が必要な高齢者は「人から介護を受けたい」という意識が強く、AI・ロボットの導入に不安を覚えている方も多くいます。
AIやロボットは道具であり「介護を行うのは人である」と理解してもらうことが、信頼関係の構築に重要です。
高齢者の気持ちに寄り添いながら最新技術の導入を進め、介護する人・される人の両方に優しい環境を目指しましょう。
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