介護業界の人手不足…将来どうなる!?問題点と解決方法について解説
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目次
介護現場が人手不足の理由とは?
介護現場が人手不足の理由は、公益財団法人介護労働安定センターの「介護労働実態調査結果」を中心に、さまざまな一般企業がアンケートをとっています。しかし、1位をとっている理由は、アンケートを行った公式団体・一般企業によってさまざまです。
ここからは、ランキング制ではなく、介護職が早期離職してしまう原因について、多い理由をご紹介します。
- 職場の人間関係に問題があった
- 結婚/妊娠/出産/育児などのライフステージの変化があった
- 職場の運営理念や運営方針に不満があった
- 昇進や昇給もなく、将来性がないと感じた
- 別業界や別業種に興味を持ったから
- 給料が少ないと不満を持ったから
- 自分自身に介護の仕事が向いていなかった
- 家族の介護が必要になったため
- 家族の転職/転勤により、引っ越しが必要になったため
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人手不足により生じている問題・課題
介護業界の人手不足により、現在どのような問題や課題がしょうじているのでしょうか。ここからは、介護業界が抱える人手不足問題の詳細についてご紹介します。
介護人材の不足人数とは
厚生労働省が行った「介護人材の確保、介護現場の生産工場の推進について」では、介護現場の人手不足について以下のように報告されています。
年度 | 必要な介護人材の人数 | 不足分の人数 |
2023年度 | 約233万人 | 約22万人 |
2025年度 | 約243万人 | 約32万人 |
2040年度 | 約280万人 | 約69万人 |
年度が進むにつれ、少子高齢化が進行するため、「必要な介護人材の人数」も「不足している介護人材の人数」も比例して増加している傾向にあります。このままでは、将来的に1人の介護職が負担する業務が増え続け、さらに離職率が高まってしまう可能性があります。
都心部は特に人手不足が深刻化している
求人者の雇用率を示す「有効求人倍率」。北海道や青森県、秋田県、徳島県、香川県などの地方では、介護職の有効求人倍率が「2〜3倍程度」です。しかし、東京都や大阪府などの都心部では、介護の有効求人倍率が「4〜6倍程度」と、倍以上の差があります。
それは、都心部には人口が多い分、高齢者人口も多いからです。地方では高齢者人口が少ない分、介護職の有効求人倍率がやや低めになっているのです。
そのため、都心部の介護施設・介護事業所は入居希望者が絶えず、多くの要介護高齢者を支えるための介護人材を探しています。
※参照:厚生労働省「介護人材の処遇改善について:地域別の状況」
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000406512.pdf
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このまま人手不足が進行するとどうなる?
このまま介護業界の人手不足が進行し続けるとどうなるのでしょうか。現在よりもさらに多くの問題・課題を抱えることになりかねません。
ここからは、人手不足の進行により、将来起こりうる問題について3つご紹介します。
介護職の離職率が高まる
このまま介護現場の人手不足が進行し続けると、介護職1人あたりの業務負担が現状よりもさらに多くなってしまいます。毎日残業・毎日出勤時間の1時間前に出社など、出勤時間を超えた労働を強いられる可能性も高くなります。そうなってしまうと、介護人材が増えるどころか、嫌気がさして辞めてしまう介護職が増えてしまうでしょう。
介護施設・介護事業所の倒産が増える
介護施設・介護事業所は当たり前のことながら、利用者様の人数に対して、必要な人数の介護職を配置することが求められます。しかし、人手不足が進行し続け、介護職1人当たりの業務量が増えるにつれ、離職者が増加。介護施設・介護事業所の運営が厳しくなってしまい、倒産・廃業に追い込まれてしまう可能性があるのです。介護職一人ひとりが辞めることで、介護施設・介護事業所全体の経営難に響いてくるのです。
在宅での介護問題が絶えなくなる
「在宅介護での高齢者虐待」「独居高齢者の孤独死問題」「老老介護・認認介護」など、在宅介護に関する問題・課題は多岐に渡ります。しかし、介護施設・介護事業所の倒産が続くことで、要介護高齢者を預かってもらえる場が極端に減ってしまいます。仕事や家事、育児をしながら、家族の介護を負担する日々。ストレスが溜まり、虐待問題やネグレクト問題に発展しやすくなってしまいます。
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介護現場の人手不足問題の解決方法
現在もしくはこれから先の将来に起こる、介護業界の人手不足問題。一体どのように解決するべきなのでしょうか。
ここからは、介護業界の人手不足問題の解決法を3つご紹介します。
外国人労働者の雇用
日本では少子化の影響により、将来の介護の担い手が減少し続けています。新卒者の応募を募っても、初任給が高い企業や、大手・有名な企業に新卒者をとられてしまいがちです。そのため、外国人労働者を雇用することで、素早く人手不足の解消が目指せます。若年層の雇用に限界がある日本でも、高い専門知識・技術を持った外国人労働者を雇うことができるため、雇用の幅が広がります。
DXやITツールの活用で業務の効率化を図る
介護職が利用者様と接するのは、基本的に食事や入浴、排泄、着替えなど、利用者様が日常生活上必要としている介助を行う時です。それ以外の時間は、ほとんどが記録作成や日報作成などに追われています。時には記録作成が間に合わず、サービス残業となってしまうことも。
意外にも、「介助より記録の方が大変」「介助と記録の両立ができず、毎回落ち込む」など、記録に関する悩みを抱えている介護職が多いようです。しかし、利用者様の情報共有において、記録業務は欠かせません。
近年では、介護記録作成の効率化を図るITツールが多くあるため、ITツールの利用で業務の効率化を図ることが大切です。
地域活動を積極的に行う
多くの介護施設・介護事業所では、利用者様の個人情報保護のため、ご家族の方や行政以外に利用者様の情報を伝えることはありません。また、利用者様がボランティアの方や実習生と写真を撮っても、施設内・事業所内で保管し、ボランティアの方や実習生に写真を渡さないこともよくあることです。
そのように、利用者様を保護するあまり、近年の小学生は「病院なら知ってるけど、介護施設って何?」と、介護施設の存在すら知らないという事態に発展しています。大人でも、介護施設と聞くと病院のような場所をイメージする方がいるほど、あまり介護施設・介護事業所の運営内容は外部に知られていません。
新卒者や中途採用者の応募を募るのであれば、まずは地域への広報活動を行うことが重要です。地域の小学生と高齢者が関わる機会を作ったり、夏祭りやお花見などで地域の方を招いたりと、まずは介護施設・介護事業所の存在や運営内容を知ってもらいましょう。また、積極的に見学会を開き、利用者様の暮らしを知ってもらうことも大切です。
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人手を増やして利用者様が安心できる施設に
介護職の離職が相次ぐことで、利用者様の日常生活を支えきれなくなり、結果的に介護施設・介護事業所が倒産してしまうケースは決して珍しいことではありません。また、倒産・廃業になってしまった場合、利用者様が新しく利用できる介護施設・介護事業所を探して紹介する必要もあります。
人手が充分に足りており、利用者様が安心して生活できる介護施設・介護事業所を目指すには、外国人労働者を雇うことや、業務の効率化を図ることが重要です。
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