親が認知症になったら施設入居のタイミングはいつ?施設の種類・選び方について解説!

#介護施設の種類#認知症
  • 親が認知症になってしまって在宅介護が大変!
  • 認知症の人でも入居できる介護施設ってどんな施設?
  • どんなタイミングで施設を検討したらいい?

とお悩みではないでしょうか。

認知症は、徐々に進行する疾患です。
「できる限り長く家にいさせてあげたい」と頑張って介護をしていても、限界を感じてしまうこともあるでしょう。

そこで今回の記事では、認知症の方が入居できる施設の特徴・入居の手順・入居するメリットとデメリット・入居のタイミングについて解説します。

この記事をこれからの介護を考える参考にしてください。

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認知症の人を支える家族の悩み

認知症の代表的なものには、脳の一部が萎縮することによっておきる「アルツハイマー型認知症」や、脳血管障害で障害された脳の部位によって症状が異なる「血管性認知症」などがあります

認知症は、物忘れ、時間や場所が分からなくなる見当識障害、理解力や判断力の低下などが代表的な症状で、徐々に対応が困難になり家族の精神的負担も大きくなります。

不安・うつ症状・怒りっぽくなる・幻視・もの盗られ妄想・徘徊などの症状が進行しても、元気だった頃を知っている家族はなかなか受け入れにくいものです。

「認知症であることが認められない」「認知症でもなるべく家でみてあげたい」「誰に相談したら良いのか分からない」などさまざまな葛藤を抱え、気づいた頃には介護疲れで限界を感じてしまっているケースも少なくありません。

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認知症の人が入所できる施設はあるの?

認知症の方が入所できる施設には、さまざまな選択肢があります。
認知症があってもその方らしく暮らせるように、認知症ケアについて研修をしたり、安全に生活できるようミーティングを行ったり、施設により取り組みが行われています。

施設入居を考える場合、まずは現状を知るためにもかかりつけ医に相談することがおすすめです。また、高齢者の相談窓口である「地域包括支援センター」や「居宅介護支援事業所」のケアマネジャーに相談してみましょう。

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認知症の人が入れる施設の特徴

認知症があっても入居が受け入れ可能な施設は以下の4施設です。

  • グループホーム(認知症対応型生活介護)
  • 特別養護老人ホーム
  • 有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅

施設によって、入居条件や費用などさまざまです。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

グループホーム(認知症対応型生活介護)

グループホームは認知症高齢者専門の施設です。

原則要支援2以上の方が対象で、施設と同じ市区町村に住所がない場合は入居ができません。1つの住居に5〜9人の少人数グループで、食事の準備や掃除、洗濯などの家事を分担しながら家庭的な環境で共同生活ができます。

認知症があっても豊かな日常生活が送れるように、自立支援を目標にケアが行われる施設です。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、「特養」と略される公的介護保険施設です。入居の対象は原則要介護3以上の高齢者で、認知症の方でも受け入れています。

「従来型」の施設は個室もありますが、相部屋の場合もあります。「ユニット型」では、10人程度のグループ単位で、個室と共有のリビングルームで生活するのが特徴です。

看護師が配置されているので、看取りの対応までしてくれる施設が多く、一部の医療的ケアも可能です。

公的施設のため入所にかかる費用が安く抑えられますが、施設によっては待機者が多く、なかなか入居できないケースもあります。

有料老人ホーム

有料老人ホームの代表的な施設は「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」です。介護付き有料老人ホームは、施設の介護スタッフから24時間体制でケアが受けられます。一方、住宅型有料老人ホームは、施設にいながら在宅の方と同じように訪問介護やデイサービスなどの外部事業者と契約して介護サービスを受けます。

介護職員の他に看護師や機能訓練を行うリハビリ職などの医療職も配置されており、認知症の高齢者も受け入れが可能です。

有料老人ホームは施設の設備や介護体制、レクリエーションなどのサービスが充実しているところが多く、多種多様な施設の中から選択できます。

ただし、民間企業であり入居金が高額な施設も多いため、かかる費用についてはしっかり相談する必要があります。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は「サ高住」と言われる高齢者向けの賃貸住宅です。

「一般型」と「介護型」の2種類があり、「一般型」は介護を必要としない方が対象ですが、「介護型」は介護が必要な方や認知症の方にも対応しています。

施設のスタッフから「安否確認」や「生活相談」などのサービスが提供され、介護サービスが必要になった場合は、外部の事業者と契約して必要な介護サービスが受けられるのは、住宅型有料老人ホームと同じです。

ただし、サ高住はスタッフが24時間体制ではないため、認知症が重度になり介護の必要度が上がってきた場合は、生活が難しくなる場合もあります。入居を検討する際は、しっかりサービス内容を確認しましょう。

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施設の選び方・注意点

認知症の方の受け入れ施設を選ぶには、どんな準備をすればスムーズに選べるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

1.本人・家族と相談する

まずは、認知症の高齢者本人や関わる他の家族としっかり話をすることが大切です。
本人が将来どのような生活を望んでいるのかはもちろん一番大切ですが、家族がどのような介護をしてあげたいと思っているかも重要です。意思疎通が図れていないと、家族同士がもめる原因になってしまいます。

認知症の介護には、施設入居を拒否しているケース、家族一人だけに負担がかかってしまっているケース、入居にかかるお金の問題など多くの課題が考えられます。まずは将来についてじっくり話し合う機会を持ちましょう。

2.ケアマネジャーに相談

施設の入居を検討し始めたら、まずはケアマネジャーに相談するのが一番です。その方の心身の状況や経済状況に合った施設の提案をしてもらえます。

施設入居に対して不安がある場合も、これまでの経験を通しさまざまな事例を教えてもらえるでしょう。入居したい施設との仲介もしてもらえるので、まずはケアマネジャーに相談し、施設入居への不安を解消しておくと安心です。

3.情報収集

介護保険で入居できる施設は多岐に渡ります。パンフレットを取り寄せられる場合はお願いしてみると良いでしょう。

また、インターネットなどで情報収集してみるのもおすすめです。施設での取り組みなどの情報が掲載されている場合もあり、雰囲気がつかめます。インターネットであれば、条件を絞りながら検索ができるので希望の要件に合った施設選びがスムーズです。

4.施設見学

パンフレットやインターネットで情報収集して、気になる施設があれば施設見学を申し込んでみましょう。

一つの施設に絞るのではなく、気になる施設があれば複数見学するのがおすすめです。
実際に足を運ぶと、施設の周辺環境や設備、清潔であるかなどが確認できます。入居者の雰囲気や、職員が入居者の方にどのように接しているかなども垣間見られます。また、イベントやレクリエーションや、食事の献立などもチェックしておくのが大切です。見学の際に食事の試食ができる施設もあります。

実際に肌で感じて入居した後の生活をイメージしてみましょう。

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認知症の人の施設入所メリット

認知症の高齢者を在宅で介護しているご家族の中には、親を施設に入れることに抵抗を感じる方もいるのではないでしょうか。
認知症の方が施設に入居するとどのようなメリットがあるのか確認していきましょう。

家族の介護負担軽減

家族の介護負担が軽減されるのは、大きなメリットです。
認知症の高齢者を介護する家族の中には、対応に苦慮し、介護疲れを起こしてしまっている人も少なくありません。家族が疲弊して体調を崩してしまったり、介護うつ、介護離職、虐待などさまざまな問題が引き起こされたりします。施設に親を任せることで、介護問題を回避できるメリットがあります。家族の生活も大切にしないと在宅介護を続けていくのは困難です。施設の入居により少し距離を取ることが、利用者本人と家族との関係を良好にできるメリットもあります。

安全を確保できる

認知症の方は、在宅で生活を続けていくうちに危険やトラブルに巻き込まれる可能性があります。徘徊・異食・転倒など家族では対応しきれない事象が増えてくることも。

施設に入居すると、認知症の方の対応に慣れているプロのスタッフが、安全に生活できるように介護をしてくれるので安心です。

生活が活性化する

施設に入居することで生活が活性化する方もいます。とくに、自宅に引きこもりがちだった方であれば、施設で役割を与えてもらったり、他の入居者と交流をしたりして、認知症の進行を遅らせることも可能です。

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認知症の人の施設入所デメリット

認知症の方の施設入所にはデメリットもあります。デメリットもしっかり確認しておきましょう。

施設での生活がストレスになる可能性

認知症の方が施設に入居するデメリットとして一番にあげられるのが、環境の変化に伴う認知症状の悪化です。

集団生活が苦手な方は、施設での生活がストレスになる可能性も。

認知症の症状には「見当識障害(場所が分からなくなる)」や「夕暮れ症候群(帰宅願望)」「不安・不穏症状」などがあり、施設入所に伴う環境の変化でそれらの症状が出現・悪化する場合もあります。環境の変化に対応できるまでは、施設内を徘徊したり施設外に脱走してしまったりする事例もあります。

施設探しが難しい

高齢者施設は定員が限られており、入所したいからといってすぐに入所できるものではありません。また、施設のタイプにより認知症の方を受け入れていない場合もあり、希望の施設に入居できないことも。認知症の方の受け入れ態勢が整っている施設選びが重要になります。

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施設入所のタイミング・準備

認知症は徐々に進行する病気です。最初は症状が軽いため、在宅介護を続けられると思っていても、環境の変化や体調不良、怪我などが原因で急激に症状が進んでしまうケースも考えられます。今すぐ施設入居を考えていなくても、少しずつ情報収集しておくのがおすすめです。

デイサービスやショートステイなどを利用し、介護サービスを受けるのに慣れておくのも良いでしょう。

認知症の人を支える家族が精神的に負担を感じることで、虐待を起こすリスクも生じます。
家族がストレスを感じて心身共に疲れ切ってしまうのは、家族にとっても認知症を抱える本人にとっても不幸なことです。

認知症の方本人の意思はもちろん大切ですが、介護者が負担に感じて辛いと感じ始めたときなど、自宅で生活を続けられるか将来の不安を抱いた段階ですぐに相談し、準備を始めておきましょう。

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家族だけでは対応できない場合、施設に頼りましょう

この記事では、認知症の方の施設入居について解説しました。

施設入居に躊躇する方もいるかもしれませんが、入居をすることが認知症の方と 認知症の方を支える家族双方にとって良い選択になるケースもあります。

まずは勇気を出して、介護のプロに相談してみましょう。

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