親の介護で感じる負担。親の介護は在宅・施設どっちがいいの?

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親の介護は義務?

高齢化が進む現代社会では、親の介護を担う子供が増え続けています。

元気で暮らしていると思っていた親が、ある日転倒して介護が必要になった。そんな話も、決して珍しいことではありません。

子供にとって、親の介護は義務なのか?親の介護を放棄すると、犯罪に該当するのか?日本の法律では、「身内の介護義務」についてこのように定められています。

「直系血族(祖父母・父母・子供・孫)および兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。また、特別な事情がある場合は、三親等以内の親族が扶養義務を負う可能性がある。

嫁・姑関係に扶養義務がありませんが、親や兄弟姉妹、子供、孫には扶養義務があります。また、直系血族以外では、夫婦間にも扶養義務があるのです。

親の介護を放置するとどうなる?

高齢者の親や配偶者、兄弟姉妹は高齢であったり、他界しているケースが大半です。そのため、高齢者の子供が「親の介護」を担うケースが多いのです。

しかし、子供にもそれぞれの仕事や家庭があるのも当たり前のこと。扶養義務があっても、子供が親の介護に時間やお金を割くことが難しいのも現状です。

そのため、子供が親の介護を直接行う必要はありません。

市区町村の役所にある介護保険課や、ケアマネジャーに相談し、介護施設への入居手続きを行うことも「親の介護」に該当するのです。

必要な介護保険サービスの手続きもせず、親の介護を完全に放棄することは「介護放棄(ネグレクト)」として虐待行為に該当します。

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親の介護で起こるトラブル

親の介護で起こり得るトラブルとその対処についてご紹介します。

親の介護では、事前にトラブルの予測や下準備をしているかしていないかで対応に大きな差が生じやすいと言われています。親の介護が必要になる前から、トラブルの予測と準備をしっかりしておきましょう。

①兄弟姉妹間での介護の押し付け合い

親の介護が必要になった時、兄弟姉妹間で介護の押し付け合いに発展する場合があります。

介護は体力的にも精神的にも大変だからという理由で、「近くに住んでいるから」「あなたは長男/長女だから」と親の介護を兄弟に押し付けることも。親が認知症になってしまってからでは、親の意向を確認することができません。

そのようなトラブルを防ぐためにも、親の介護が必要になる前から、介護について家族でしっかり話し合っておくことが大切です。

②介護費用の問題

介護は住宅改修や介護用品の購入・レンタル、通院費や施設入居費など費用がかさみます。介護保険サービスの適用により減額になりますが、自己負担額は必ず発生します。

そのため、親本人が払うのか、子供が払うのか、はたまた兄弟姉妹の誰が負担するのか介護費用の支払いは誰が担うのか家族で話し合うことが大切です。

また、金銭管理を担う人がいない場合、後見人制度の利用も検討する必要があります。

③仕事と介護の両立ができない

親の介護が必要になったものの、仕事があるからできないと悩む人は多いです。親の介護が必要になったと会社に伝えても、職場での立場や役職によっては介護休暇が貰えるまでに時間がかかる可能性もあります。

そのため、親の介護が必要になる前から、高齢の親がいることを会社に伝え、介護休業制度について会社に確認しておくことをオススメします。

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困った時の相談先

親の介護が必要になり、頼れる兄弟姉妹や親族がいない。もしくは、1人で親の在宅介護を担ったために、介護疲れに追い込まれている。このような状況に直面した時には、以下の公的機関への相談がオススメです。

  • 親が住んでいる市区町村の役所にある「介護保険課」もしくは「高齢者支援課」
  • 親が住んでいる地域にある「地域包括支援センター」

地域包括支援センターは、高齢者福祉に関する相談窓口です。介護保険サービスの利用方法や、介護保険サービスの内容について教えてもらえます。介護保険サービスの利用により、親と自分自身が抱える心身の負担が軽減できます。

介護休業制度を積極的に活用する

親の介護が必要になった時は、介護休業制度を活用しましょう。

介護休業制度は負傷や疾病、身体や精神の障害などが理由で2週間以上「常時介護」が必要な家族を介護する場合に取得できる休暇です。要介護2以上の介護認定を受けた家族を支える従業員に適用されます。取得日数は家族1人につき3回まで、通算93日までと決まっています。介護休業の申請により、介護と仕事との両立を図ることがオススメです。

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親の介護3つのスタイル

親の介護には大きく分けて3つの住まい方があります。親や自分自身の状況に合わせて、最適なスタイルを選びましょう。

①遠距離介護

他府県に住む子供が遠く離れた場所から親のサポートを行うスタイルです。遠距離介護では、移動距離の長さや交通費がかさむという理由から、疲れを感じて近居や同居を選ぶ人が多いのも実情です。

②近居介護

近所や隣家に住む子供が、短距離の移動で親の介護やサポートを行うスタイルです。それぞれのライフスタイルが確保されるため、同居よりもストレスが少ないです。

③同居介護

1つの家で一緒に住み、子供が親の介護を行うスタイルです。遠距離や近居よりも親の体調の変化や転倒にすぐ気づけるという特徴があります。

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遠距離・同居のメリット/デメリット

親の介護には、3つの住まい方がありますが、特に遠距離介護と同居介護ではそれぞれのメリット・デメリットが大きいものです。

メリット・デメリットを理解し、自分自身や親に最適なスタイルを選びましょう。

遠距離介護の
メリット

・親も子供も、お互いの生活環境を変えることがない。
・親は住み慣れた土地や家で生活ができる。
・離れて暮らすため、介護者のストレスや疲弊が少ない。
遠距離介護の
デメリット
・親の体調の急変や転倒に、すぐ気づくことができない。
・親の体調が急変した場合、親の家での連泊が必要。
・交通費や電話代などの出費が大きい。
同居/近居介護の
メリット
・近居では、お互いのライフスタイルが保たれる。
・遠距離介護に比べて親の体調の急変や転倒に気づきやすい。
・遠距離介護に比べて、交通費などがかからない。
同居/近居介護の
デメリット
・同居では、親か子供の生活環境に変化が生じる。
・親子の距離が近すぎるため、心労が生じやすい。
・新しい地域での生活や人間関係にストレスが生じる。

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親の介護をスムーズに行うための準備

「住み慣れた土地や家で最期まで過ごしたい」という親の希望。「仕事や家庭があり、親の介護ばかり優先できない」という子供の意見。

親の介護では、双方の希望や意見がぶつかり合うことも珍しくありません。親の介護には3つの住まい方がありますが、どれが最適かは個人によって異なります。

まずは離れて暮らし、必要があれば近居を検討する。親の介護状態の変化に合わせて、最終的には同居を考える。

このように、状況に合わせて段階を踏んで住まい方を変えることがオススメです。

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遠距離での親の介護を行うコツ

遠距離介護では親子で適度な距離感を保ちつつ、子供が親のサポートをします。しかし、離れて暮らすことでの心配も大きいことが特徴です。メリットとデメリットの差が大きい遠距離介護を上手く行うコツをご紹介します。

①周囲の人やかかりつけ医、専門職と連携を図る

親の友人や近隣住民、かかりつけ医やケアマネジャー、訪問介護員など。色んな人との連携を図り、親の安否確認を行うようにしましょう。特に、親の友人や近隣住民との信頼関係の構築は欠かせません。

②親とのコミュニケーションをしっかり図る

電話や見守りカメラなどの活用を行い、親とのコミュニケーションを図りましょう。親子関係での信頼関係ができていないと、親の介護は成立しません。日常生活の様子や体調の変化など、こまめな連絡でしっかり把握しましょう。

③介護費用を把握し、将来の介護に備えておく

親の預貯金や生命保険の加入など、金銭管理もしっかり行う必要があります。

また、いつ必要になるか分からない介護施設を把握しておくことも大切です。介護にかかる費用が十分に足りているか、日頃からチェックしておきましょう。

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困った時は1人で抱え込まず、相談を

親の介護が必要になったものの、どうすれば良いのか分からない。相談できる人や頼れる人がいない。そういった不安から、孤独感やストレスを感じる人は珍しくありません。

また、兄弟姉妹や夫婦、親戚同士で親の介護を押し付け合ったり、揉めることもあるのが現状です。

肉体的にも精神的にも負担が大きい親の介護だからこそ、地域の役所や地域包括支援センターへの相談が大切です。親の介護に悩んだ時は1人で抱え込まず、積極的に相談をするようにしましょう。

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