介護職が知っておきたい接遇マナーとは?接遇マナー5原則について紹介

#介護の知識

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介護現場での接遇マナーとは?

介護現場での「接遇マナー」とは、主に利用者様やご家族の方に対して心を込めたおもてなしや対応をすることを指します。しかし、それ以外にも、見学者の方や実地指導で来訪された行政の方など、さまざまな方が介護現場に来られます。

どのような方が来訪された場合でも、丁寧な言葉遣いや自然な笑顔などを意識することが非常に大切です。また、介護現場では、利用者様と毎日関わっていると、心理的な距離感が近づきすぎてしまいます。

そのため、利用者様にタメ口を使ったり、「ちょっと待って!」など、偉そうな口調になったりしている介護職を見かけたことがある方は多いはずです。

毎日利用者様と関わり、介護サービスを提供する側であるからこそ、利用者様に信頼される必要があります。

介護現場での接遇マナーは、高品質かつ安心感・信頼度の高い介護サービスの提供に欠かせないのです。

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介護職の接遇マナーが重視される理由

介護職にはなぜ、接遇マナーが求められるのでしょうか。また、介護職一人ひとりが接遇マナーを守ることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここからは、介護職の接遇マナーが重視される理由について3つご紹介します。

利用者様やご家族の方に信頼していただくため

利用者様にとって、介護施設は毎日の生活を送る場所です。そこに常駐する介護職は、利用者様にとって家族のような存在になりがちですが、サービスを提供する側・される側という、それぞれの役割があります。

赤の他人から偉そうな口調で「早くして!」と急かされたり、「危ないから座ってて!」と行動を制限されたりすると、ストレスが溜まります。溜まりに溜まったストレスが精神状態や認知症を悪化させ、暴力行為や介護拒否につながってしまうのです。

また、利用者様の状態が面会するたびに悪化していると、ご家族の方も心配してしまいます。利用者様やご家族の方の信頼を得て、安心・安全な介護サービスを提供するには、介護職一人ひとりの接遇マナーが重要視されるのです。

利用者様への敬意・尊厳を忘れないため

介護資格を取得するための研修や講座では、「利用者様への敬意・尊厳を保った介護を行うこと」を学ぶはずです。しかし、実際に介護施設に入社すると、いきなり利用者様にタメ口を使って話す先輩介護職を見かけて衝撃を受けるでしょう。

先輩介護職は、利用者様と友達感覚のように話していますが、実際は友達でも家族でもありません。自分自身が生まれる前の数十年前の日本を支えてきた人生の大先輩として、利用者様のことを敬うことは当然です。

先輩介護職の間違った対応を真似してしまうと、自分自身が上司や同僚、利用者様やご家族の方からの信頼を損ねてしまうので、絶対に真似をしてはいけません。

介護サービスの質向上のため

デイサービスやご家族の方との外出から帰って来た途端、タメ口で「おかえり!」と言われると、どんな気持になるでしょうか。

介護サービスの利用料を支払い、利用者様・お客様という立場で介護施設を利用しているにも関わらず、雑な対応をされる。そんなことが続けば、他の介護施設に移ろうかと検討することにもなりかねません。

介護職一人ひとりが接遇マナーを心がけるだけで、施設全体の雰囲気が良くなり、介護サービスの質も必然的に向上します。

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介護現場での接遇マナー5原則

介護現場での接遇マナーには「接遇マナー5原則」というものがあります。

接遇マナーの基本を5原則としてまとめたものです。この「接遇マナー5原則」を頭に入れて仕事をするだけで、自然と接遇マナーが上達していきます。

ここからは、接遇マナー5原則についてご紹介します。メモに書いていつでも見返せるようにすることで、より高品質な介護サービスの提供につながるでしょう。

挨拶

挨拶は接遇マナーの基本中の基本です。挨拶は入社日に一度だけすれば良いというものではありません。

毎日の出勤で、利用者様や面会に来られたご家族の方、同僚、上司など、その日に顔を合わせた相手には必ず挨拶をする必要があります。また、挨拶は仏頂面・暗い表情ですると、周囲の人たちに不快感を与えてしまうため、要注意です。

誰に対しても、笑顔で明るくハキハキと、特に耳の遠い利用者様には大きな声で元気よく挨拶することで、職場の雰囲気が明るくなります。

言葉遣い

介護現場では、利用者様に対してタメ口を使っている介護職が意外と多くいます。

ご家族の方が来られた時だけ敬語を使っている姿を見ると、モヤモヤしますよね。相手が誰であっても、正しい敬語を使った言葉遣いを心がけることが大切です。

しかし、堅苦しい印象を与えてしまう可能性があるため、利用者様からご希望があれば、敬語とタメ口を適度に混ぜた言葉遣いで接することをオススメします。

表情

つい、目の前の仕事に集中すると無表情になってしまうという方は多いでしょう。しかし、介護の仕事は人と人との関わりが欠かせない仕事です。仏頂面や無表情で介護業務をしていると、利用者様から「怖い」と思われてしまいます。

「自然な笑顔を作るのが苦手」「どうしても顔が引きつってしまう」という悩みを抱えている介護職も少なくないでしょう。

忙しい時でも、利用者様の顔や表情を見る機会を作ることで、自然と笑顔になって話すことができるはずです。笑顔が苦手な方こそ、利用者様との積極的なコミュニケーションを心がけましょう。

態度

悪い態度は意外と自分では気づかないものです。他者から見て、「いつもしかめっ面をしてため息をついている」「いつも偉そうに腕を組んでいる」などと指摘されがちです。

態度や姿勢など、意識する時間をなるべく多く設け、周囲の人に不快感を与えないような立ち振る舞いを心がけるようにしましょう。特に、ご家族の方やその他来訪者の方は、意外と介護職の態度をよく見ています。

いつ、どんな時でも誰かに見られているかもしれないという意識を持ち、仕事に励むことが大切です。

身だしなみ

介護職の身だしなみも、接遇マナーの1つです。接遇マナーで大切な身だしなみは、男性だと寝癖を整えたり、ひげをきちんと剃っていたり、爪を短く切っていたりすることです。

女性の場合は、髪色やメイクが派手すぎないか、爪が長くないか、相手が不快に感じるほどの香水をつけていないかが重要視されます。また、長い髪は1つ結びにしましょう。

制服・私服問わず、仕事で着る服はこまめに洗濯することが大切です。

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介護現場での接遇マナーで注意するべきポイント

少子高齢化の影響で人手不足問題を抱えている介護現場では、限られた時間内に自分自身の担当業務を終わらせることに必死で、接遇マナーが後回しになりがちです。しかし、どんなに忙しい時でも、接遇マナーをわきまえることは非常に大切です。

ここからは、多忙を極める介護現場での接遇マナーで注意するべきポイントを3つご紹介します。

利用者様と視線を合わせる

目の前の業務に追われている時、利用者様から声をかけられるとついそのまま返事をしてしまいがちです。しかし、そのような態度をとっていては、利用者様に「忙しいところ、声をかけたのが悪かったかな」と気を遣わせてしまいます。

最終的には、何か言いたいことがあっても我慢するようになってしまう可能性もあります。そのため、どんなに忙しい時でも、必ず利用者様の方に歩み寄り、視線を合わせて会話するようにしましょう。

忙しくても丁寧な対応を行う

忙しい時間帯に認知症の利用者様から声をかけられ、何かを尋ねられたが、内容が分からない。そのような経験をした介護職は多いはずです。忙しいし、時間に余裕がないからといって、適当な返事をしてしまうと、後で悲惨なことになる可能性があります。利用者様が「皆忙しいから、自分でなんとかするか」と考え、徘徊し出すことも。

また、雑な扱いを受けたことで不穏状態になったり、認知症が悪化したりする可能性も考えられます。そのため、忙しい時でも、丁寧な対応や適切な返事をすることが大切です。

適切な距離感を保つ

利用者様やご家族の方に対して、丁寧に接するあまり、無茶な要求をされても断れなかったという介護職もいます。「丁寧な対応」というのは、あくまで挨拶や言葉遣い、表情、態度、身だしなみなど、相手を不快にさせないように接することです。

接遇マナーは、相手の言うことを何でも通すということではありません。変に距離感が近くなってしまうと、無茶な要求をされることが増えてしまうため、適度な距離感を保つことも大切です。

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接遇マナーの徹底で質の高い介護サービスの提供を

接遇マナーは、介護の基本です。接客業・サービス業の一種である介護分野では、利用者様やご家族の方、その他来訪者に心を込めたおもてなしをすることが求められます。

特に、距離感が近づきすぎてしまう利用者様との接し方も、接遇マナーを学ぶ機会とともに、見直してみてください。接遇マナーを徹底することで、高品質な介護サービスの提供が実現します。

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