高齢者は便秘になりやすい!原因を正しく知り、便秘を予防しましょう
高齢になると発症しやすい便秘。筋力や食欲の低下など、さまざまな原因からなるとされています。
「便が出る頻度が減った」
「お腹が張って痛い」
「便秘を予防する方法が知りたい」
このようなお悩みを解消するため、便秘の予防方法や対策について紹介します。
高齢者が便秘になりやすい理由についても解説しているので、正しい知識を身に付けて健康的な毎日を過ごしましょう。
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目次
高齢者が便秘になりやすい理由
高齢者は若い人と比べて便秘になりやすいとされています。
その理由をひとつずつ見ていきましょう。
- 腸の機能の低下
- 運動量の減少
- 食事の摂取量の減少
- 喉の渇きづらさ
腸の機能の低下
大腸は、筋肉が動きぜん動運動を引き起こすことで内容物を運搬しています。
高齢により筋力が低下したり、ぜん動運動にかかわる自立神経が乱れたりすることで、大腸のなかに便がたまるリスクが高まります。
「弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)」と呼ばれるこのような便秘は高齢者に多いため、日頃から対策を考えなければなりません。
運動量の減少
運動不足による食欲不振が便秘を招くおそれがあります。
とくに寝たきりの方などは、自分で運動ができないため便秘のリスクが高まるでしょう。
また、運動量が不足することで、腸のぜん動運動の低下につながることも。
高齢者のうち、1回30分以上の運動を週に2回以上、1年以上継続している「運動習慣のある人」は30~40%程度と、半数に満たないため注意が必要です。
(参考:「健康日本21」最終評価)
食事の摂取量の減少
上記で紹介した運動量の低下のほかにも、歯周病といった口腔内のトラブル、合わない入れ歯の使用などが原因で、食事の摂取量の減少を招くおそれがあります。
便のもとになる食事が減ってしまうと大腸への刺激が弱まり、便が大腸のなかにたまりやすくなってしまいます。
喉の渇きづらさ
高齢になると喉の渇きを感じる機能が低下してしまいます。
接種する水分量が減ると、便に含まれる水分も減少。
便が硬くなり便秘につながってしまいます。
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便秘がもたらす症状
便秘がもたらす症状は以下のとおりです。
- 腸内の悪玉菌が増加する
- 腹痛・吐き気をもよおす
- 病気につながる
腸内の悪玉菌が増加する
腸のなかに便が長期間とどまることにより腐敗が進み、悪玉菌が増加します。
悪玉菌は、アンモニアや硫化水素といった悪臭を発生させる有害物質をつくり出すため、便やおならが臭くなってしまいます。
腹痛・吐き気をもよおす
大腸に便がたまると、下腹部が張ってきます。
1週間も便が出ないと、張りがかなりきつく感じられるでしょう。
悪化すると、腹痛や吐き気をもよおす場合もあります。
病気につながる
便秘を放置してしまうと、腸閉塞(ちょうへいそく)や直腸潰瘍(ちょくちょうかいよう)といった合併症につながるおそれがあります。
たかが便秘だからと放っておくのではなく、早めに対策をとるのが重要です。
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便秘になりづらい生活習慣
便秘のなりやすさは、生活習慣と大きく関係しています。
下記を参考に、便秘になりづらい生活習慣を身につけましょう。
- 規則性のある排便習慣
- 適度な運動
- こまめな水分補給
- 規則正しい食生活
規則性のある排便習慣
便意がなくてもトイレに座る時間をつくるなど、排便を習慣づけましょう。
最初のうちは出づらくても徐々に体が慣れ、スムーズに便を出せるようになります。
適度な運動
生活のなかに適度な運動を盛り込むことで、腸のはたらきの活性化につながります。
ウォーキングや軽い体操など、気軽に取り組めるものがおすすめです。
自分で体を動かせない高齢者もいるので、その場合は家族やヘルパーがサポートしましょう。
座位の姿勢をとるだけでも、便秘の改善につながります。
こまめな水分補給
高齢になると、喉の渇きを感じづらくなります。
便を柔らかくして排出しやすくするため、意識的に水分を取りましょう。
お茶やコーヒーといった飲み物には、利尿作用のあるカフェインが多く含まれています。
尿として水分を出しすぎると便が硬くなるおそれがあるため、摂取する際は水がおすすめです。
規則正しい食生活
朝食をしっかりと摂ることで腸が刺激され、スムーズな排便につながります。
食欲が低下しがちでたくさん食べられないからこそ、排便を促す栄養素を食事に盛り込むことが重要です。
食物繊維や乳酸菌が含まれる食品は、排便を促すとされています。
食事の際は、野菜やきのこが多く入ったおかず、納豆やキムチ、ヨーグルトなどの発酵食品を積極的に取り入れましょう。
自宅で簡単に行える便秘対策マッサージ
便秘になってしまった際の対処法として、自宅でできるマッサージをいくつか紹介します。
- 「の」の字マッサージ
- 腸もみ
- ツボ押し
「の」の字マッサージ
おへその周りを「の」の字を書くように手のひらでなでるマッサージです。
大腸が流れるように動くのをイメージしながら、時計回りにゆっくりとなでます。
なかなか便が出ない頑固な便秘の方は、少し強めに下腹部を押し込んでみましょう。
腸もみ
腸にあたる位置を優しく揉み込むマッサージです。
腸を優しく刺激することで、ぜん動運動を活発にするのが狙い。
大腸の四隅にあたる、肋骨の下と腰骨の上を優しく揉みほぐしましょう。
毎日続けることでお通じの改善が期待できます。
ツボ押し
急な便秘の際はツボ押しも試してみましょう
おへその両サイドにある「天枢(てんすう)」というツボは、便秘に効くとされています。
ツボを押してお腹まわりの筋肉の緊張をほぐし、腸を刺激することで排便を促しましょう。
また背中などの自分では届きづらいところにもツボはあります。
家族と住んでいる人や介護施設で暮らしている人は、周りの人に押してもらいましょう。
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下剤に頼りすぎるのはNG
排便のペースは人によって違います。
毎日する人もいれば、3日に1回という人も。
また、年をとるにつれ排便の周期が遅くなってくることもあります。
「毎日出なくなったのが不安」「排便ペースを一定に保てる」などの理由で下剤に頼るケースがありますが、本当に必要かどうか便の状態から判断しましょう。
コロコロの便や短くて硬い便などが出る場合は、便が大腸のなかに長くとどまりすぎているため下剤を使うのは有効でしょう。
ゆるい下痢気味の便が続いている場合は、下剤で腸を刺激するのは得策ではありません。
便秘薬の使用が習慣化してしまうと腸が慣れてしまい、本当に必要なときに効果が感じられなくなるおそれがあります。
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日頃のケアでスムーズな排便を
お年寄りは、筋力や腸機能の低下などにより便秘になりやすいリスクを抱えています。
原因を把握し、正しく予防・対策するのが重要。
排便は日頃の生活習慣と大きく関係しています。
「規則正しい排便習慣を身につける」「水分をこまめに摂る」などを意識すれば、便秘の予防につながるでしょう。
定期的な運動や栄養バランスのとれた食生活も効果的です。
便秘になってしまった場合は、すぐに下剤に頼るのではなく、食生活の改善やマッサージなどで症状の緩和に努めましょう。
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