急増する高齢者の夏バテ!食事や水分摂取方法を工夫し、夏バテの予防・対策を!

#高齢者の病気

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介護者が理解しておきたい「高齢者の夏バテ」

在宅介護・訪問介護では、高齢者の熱中症や夏バテへの対策が欠かせません。
それは、エアコンによる温度管理がされている病院や介護施設と違い、高齢者が過ごす環境の温度管理が行き届きにくいからです。
毎年5月頃~9月頃まで、高齢者の熱中症、夏バテへの注意が必要です。
特に、8月後半~9月にかけては長引く残暑で身体が疲れています。
高齢者は、「喉が渇いた」「暑い」などの感覚が鈍くなるため、熱中症や夏バテに気づきにくくなります。
そのため、家族や介護職が高齢者の熱中症、夏バテに配慮する必要があるのです。

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なぜ高齢者の夏バテには注意・配慮が必要?

人間は加齢に伴い、気温に対する感覚や、体温調節機能が低下します。
また、筋肉量の低下により、体内に水分をためる機能も低下してしまうのです。
そのため、高齢者は「熱中症」「夏バテ」「脱水症状」を引き起こしやすくなります。

特に、高齢者の中でも要介護状態の方は熱中症や夏バテへの注意が高まります。
認知症により、猛暑日にも関わらずクーラーもつけず、窓も開けずに過ごすことや、真冬のように服を着込んだり、暖房をつけることもあるからです。
熱中症や夏バテに注意が必要な時期は、高齢者の室内環境をこまめに確認しましょう。

「もったいない」は夏バテの大敵!

高齢者には、「電気料金がもったいない」という理由で暑さを我慢している人も多いです。

しかし、年齢を重ねて身体が弱っている状態で、暑さを我慢することは大変危険です。
そのため、熱中症や夏バテの危険性を高齢者自身にも理解してもらう必要があります。
高齢者自身に、暑さへの抵抗力が弱っていることも含め、熱中症・夏バテ対策への理解をしてもらうことが大切です。

また、離れて暮らしていても、テレビ電話や見守りカメラを用いて、高齢者の安否確認や
室内環境のチェックをすることは欠かせません。

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まずは熱中症にならない環境作りから

高齢になると、暑さに気付きにくくなるため、体感に頼ることはやめましょう。
室温計を置き、部屋の温度と湿度を数字で目視することがオススメです。
以下のような点に注意しながら、部屋の温度・湿度を管理しましょう。

①エアコンは28℃を超えないように調節

暑いからと室温を下げ過ぎてしまうと、外気温との差で夏バテをおこしやすくなります。
時折窓を開けたり、扇風機を利用したりして外気温との差を作らないことが大切です。

②温度は60%以下になるよう調節

湿度が高いことにより、発汗作用や体温調節などの身体の機能が狂いやすくなります。
夏バテを引き起こさないためには、温度だけでなく湿度にも注意しましょう。

環境作りの次に服装の工夫も!

熱中症や夏バテの対策として、気温や湿度などの環境だけが重要ではありません。
夏バテ対策として、服装を工夫することも大切です。
以下のような点に注意しながら、高齢者が普段着る服を選びましょう。

①素材に配慮しながら身体を冷やさない服装を選ぶ

身体を締め付けない形状で、綿やドライ素材など、吸汗速乾性に優れた服を選びます。
ベッドで寝ていることが多い場合には、寝具類も通気性の良いものを選びましょう。

②外出時の服装には身体を冷やさないものを選ぶ

涼しい屋内から、暑い屋外へ出ると温度差により、夏バテを起こしてしまいます。
そのため、ストールやカーディガンを使い、身体を冷やさないことも大切です。
快適な温度に保たれている環境から、外出する際には特に注意が必要です。

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夏バテ対策に効果的な食事・水分

夏バテ対策に効果的な食事として、旬のものがオススメです。
夏バテになると、食欲がなくなることで体力が落ち、病気にかかるリスクも上がります。
大事なのは、しっかり食べてよく眠り、体力をつけること。
そのためにも、旬の食材を食卓に並べ、高齢者に美味しく食事をとってもらいましょう。

初夏は喉を通りやすい食事を

春から初夏にかけての急な温度差で、食欲がなくなることは珍しくありません。

  • トマトやキュウリなどの水気の多い野菜を使ったサラダ
  • 大根なますやそうめんなど、サッパリして喉を通りやすい食事

夏真っ盛りの時期には、このような食事がオススメです。
また、夏は冷たいものを飲食する機会が多くなるため、胃腸が疲れやすくなります。
そのため、おかゆやリゾットを食べるようにし、胃腸を労わるようにしても良いでしょう。

夏の終わりは食べやすく栄養のある食事を

夏の終わりからはうなぎや、秋の旬であるサンマや新米などがオススメです。

  • うな丼やサンマの丸焼きなど、栄養のある食事
  • ぶどうや梨など、旬の果物で喉を潤す

季節を感じながら、栄養のある食事をとることで、夏に弱った身体を回復させます。
果物は水分やビタミンが豊富で、熱中症や夏バテ対策に大きな効果を発揮します。

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高齢者が水分を拒否した時の対処法

人間は高齢になると、認知機能の低下に伴い、喉の渇きを感じにくくなります。
また、水分を摂ることでトイレが近くなるからと水分補給を拒否する人も多いです。
そのため、高齢者が水分を拒否することは珍しいことではありません。

しかし、高齢者が拒否するからといって、水分補給を怠ってはいけないのです。
熱中症や夏バテ、脱水症状を引き起こさないために、水分を上手く勧める必要があります。

  • コーヒーや甘酒など、高齢者が好む水分を出すようにする
  • ゼリーや果物など、水分の多い食べ物を勧める。

「コーヒーだと利尿作用が高くなって、水分としての役割を果たさない!」と、固定観念で考えることを避け、高齢者の嗜好に合わせる必要があります。
また、水分補給に拒否のある方に対しては「少し味見をしてもらえますか?」と声かけし、少しずつ水分摂取をしてもらうこともオススメです。
高齢者の水分補給では、水分の内容だけでなく、声かけやタイミングも重要です。

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高齢者の夏バテを防ぐ、水分補給のコツ

高齢者の夏バテを防ぐ水分補給のコツとして、「こまめな水分補給」が大切です。
500mlのペットボトルを一気に飲むように促すなど、無茶をしてはいけません。
テレビを見る前や入浴をする前に飲み、終わったらまた飲むなど。
少しずつ、時間をかけて水分提供を行い、その量や飲んだ時間などをメモに残す。
このような工夫を行い、日常生活の中で水分を摂る習慣をつけることが重要です。

また、嚥下状態に応じてゼリーで水分を補うなど、身体に合った水分補給を選びましょう。
高齢者だけでなく、家族や介護職員も水分補給が欠かせません。
高齢者と一緒に飲むようにすると、会話が弾んで水分補給も楽しくなります。

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夏バテを防ぐために欠かせない観察ポイント

高齢者の熱中症や夏バテを察知するには、普段の観察が欠かせません。
特に、高齢者の熱中症や夏バテは放置すると、重症化して生命を脅かすことになります。
素早く気付いて対処をするためにも、日頃からの様子観察が必要です。

  • いつもよりふらつきが多く、顔のほてりがある。
  • だるそうにしている、吐き気や頭痛の訴えがある。
  • いつもより汗を大量にかいている、または手足の浮腫みがひどい。
  • ぼんやりして目の焦点が合わない、呼びかけに対する反応が鈍い。

要介護高齢者では、身体の状態を訴えられない人も多いです。
そのため、上記のような症状に気づいた時は速やかに医療機関を受診しましょう。
健康な人であれば、身体を冷やして水分を摂ることで回復することが多い熱中症や夏バテですが、要介護高齢者では様子見をしている間に重症化してしまいます。
いつもと違うと気づいたら、速やかにかかりつけ医に連絡することが必要です。

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高齢者の心身状況を理解し、適切な声かけを

暑い夏は身体への負担が大きく、身体に疲れが溜まってしまうものです。
猛暑日だけでなく、残暑が厳しい時期にも「夏バテ」への注意は欠かせません。
夏バテでは自律神経の乱れから、だるさや食欲不振など、数々の身体の不調が起こります。

また、身体が弱ることで消化器官の炎症や感染症を起こすリスクも高まります。
要介護高齢者では、食事や水分が摂れなくなり、衰弱死や老衰に繋がることも。
特に、高齢者は熱中症や夏バテの自覚がないことも多いため、周囲の注意が必要です。

熱中症や夏バテの正しい知識を持って、高齢者の生活を支えましょう。

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