介護におけるアセスメントとは。アセスメントシートを書く際のポイントや種類についても解説

介護の現場で耳にすることの多い「アセスメント」。

「アセスメントってなに?」

「どんなことを聞けばいいの?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

今回は、介護現場のアセスメントについて紹介します。

高齢者のニーズを把握するために使用する「アセスメントシート」の種類や、書き方のポイントについても解説していますので、しっかりと読み、正しい知識を身に付けましょう。

介護職で必ず耳にする「アセスメント」とは「評価」のこと

アセスメント(assessment)は日本語で「客観的な評価」を意味する言葉です。

介護におけるアセスメントとは、高齢者のさまざまな情報を評価・査定すること。

高齢者本人に関することや周りの環境など、査定ポイントはさまざま。

以下のポイントが主な評価対象です。

  • 生活の状況
  • 身体状況
  • 交友関係・家族関係
  • 地域・周辺環境

上記の内容を分析し「ケアプラン」の作成に役立てます。

アセスメントを行うのは主にケアマネジャーですが、別の職員が担当することもあります。

モニタリングはアセスメントより後に行う

モニタリングとは、ケアプランに問題がないか確認し、高齢者に必要なサービス提供が実施できているか確かめることです。

そのため、ケアプランの作成段階で行うアセスメントとは違うものになります。

高齢者の身体状況や生活環境は日々変わるものなので、プランがだんだんずれてくることも。

常に最適なサービスを提供できるように、こまめに見直す必要があります。

アセスメントを実施するときのポイント(h2)

アセスメントの実施は、高齢者の自宅に訪問して行うことも多いです。

訪問前・実施前に確認しておくべきポイントは以下の3つ。

  • 関係機関から情報を収集する
  • 訪問時のマナーに気をつける
  • インフォームドコンセントについて理解する

関係機関から情報を収集する

かかりつけの医療機関や地域支援包括センターなど、高齢者と関わりがある事業所から情報を収集しましょう。

医師や看護師などから身体状況を詳しく聞くことで、より本人に適したケアプランの作成が可能になります。

担当の理学療法士や作業療法士など、リハビリを担当している専門家から話を聞くのも効果的です。

訪問時のマナーに気をつける

自宅に訪問する際は、高齢者やご家族が不快にならないマナーを身に付けておく必要があります。

急な訪問は相手にとって迷惑となるため、相手の都合がいい日時を確認しましょう。

注意するべきマナーは以下のとおり

  • 氏名・所属している事業所・自分の役職を名乗る
  • 身だしなみを整える
  • 丁寧な言葉遣いを心がける

また、初回のアセスメントは説明事項が多く、時間がかかりがちです。

長時間にわたる話し合いは相手が疲れてしまうので、1時間前後で切り上げましょう。

インフォームドコンセントについて理解する

福祉や医療などの専門的なサービスを提供する際に、適切な説明のもと利用者の合意を得ることを「インフォームドコンセント」といいます。

高齢者やご家族の意思を尊重し、インフォームドコンセントの考え方に基づいたアセスメントを行いましょう。

貴重な情報が集約された「アセスメントシート」

アセスメントで確認した内容を記録する「アセスメントシート」。

ケアプランを作成する際の重要な指針になるため、高齢者へ提供する介護サービスの内容に大きく影響します。

アセスメントシートの7つの様式

アセスメントシートには以下7つの様式があります。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

  • 包括的自立支援プログラム
  • 居宅サービス計画ガイドライン
  • インターライ(MDS-HC)方式
  • R4
  • ケアマネジメント実践記録方式
  • 日本介護福祉会方式
  • 日本訪問介護振興財団版方式

包括的自立支援プログラム

介護施設団体が開発した方式のため、介護施設で使われることが多いケアプランの作成方式です。

最大の特徴は、要介護認定に使う「認定調査票」と関連付けられている点。

ケアマネジャーの主観ではなく、認定調査票をもとにケアプランを再構築することで、高齢者に最適なサービスを提供できるようになります。

居宅サービス計画ガイドライン

高齢者の「強さ」を把握し、ケアプランの作成につなげる様式です。

高齢者がもつ体や心の問題を、自分自身で解決していく「エンパワメント」の考え方を取り入れています。

インターライ(MDSHC)方式

明確な評価基準を設けることで、アセスメント実施者による結果のばらつきを減らせる方式です。

基準を一本化しているため、在宅・施設・高齢者住宅それぞれのケアプラン作成に役立てられます。

R4

「公益社団法人全国老人保健施設」が介護老人保健施設向けに開発したシステム。

認知機能や身体機能などを細かく分類し、5段階の評価で判断します。

ケアマネジメント実践記録方式

分析項目が細かく、高齢者のニーズを細部まで反映しやすい方式です。

アセスメントシートには「家族や自宅の状況」「アセスメント担当者の判断による課題」などを記入する欄も。

記入にある程度の時間をかける必要があります。

日本介護福祉会方式

衣・食・住・体の健康・心の健康・家族の関係・社会関係という7つの領域に分けて、高齢者を分析します。

高齢者の価値観や周辺環境を重視しているのが大きな特徴です。

日本訪問介護振興財団版方式

「日本訪問介護振興財団」が開発した様式。

課題を30項目に分け、高齢者のニーズを細かく分析します。

アセスメントの内容を複数回記入できるため、継続的にプランの質向上が図れます。

アセスメントシートを書く際はわかりやすさを重視

見直したときにわかりやすいシートを書くことが、質の高い作成につながります。

書く際に重要視するポイントは以下のとおり

  • 5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識する
  • 本人・家族の要望を取り入れる
  • 現在のサービス利用状況を記入する
  • 自立しているところ、介護が必要なところを明確にする

また、上記で紹介した様式以外に、オリジナルのアセスメントシートを作成することもできます。

その場合は、以下の「課題分析標準23項目」を満たしている必要があります。

基本情報に関する項目

No. 標準項目名 項目の主な内容(例)
1 基本情報(受付・利用者等基本情報) 居宅サービス計画作成についての利用者受付情報(受付日時、受付対応者、受付方法等)、利用者の基本情報(氏名、性別、生年月日、住所・電話 番号等の連絡先)、利用者以外の家族等の基本情報について記載する項目
2 生活状況 利用者の現在の生活状況、生活歴等について記載する項目
3 利用者の被保険者情報 利用者の被保険者情報(ケアプラン、医療保険、生活保護、身体障害者手帳の有無等)について記載する項目
4 現在利用しているサービスの状況 介護保険給付の内外を問わず、利用者が現在受けているサービスの状況について記載する項目
5 障害老人の日常生活自立度 障害老人の日常生活自立度について記載する項目
6 認知症である老人の日常生活自立度 認知症である老人の日常生活自立度について記載する項目
7 主訴 利用者及びその家族の主訴や要望について記載する項目
8 認定情報 利用者の認定結果(要介護状態区分、審査会の意見、支給限度額等)について記載する項目
9 課題分析(アセスメント)理由 当該課題分析(アセスメント)の理由(初回、定期、退院退所時等)について記載する項目
課題分析(アセスメント)に関する項目
No. 標準項目名 項目の主な内容(例)
10 健康状態 利用者の健康状態(既往歴、主傷病、症状、痛み等)について記載する項目
11 ADL ADL(寝返り、起きあがり、移乗、歩行、着衣、入浴、排泄等)に関する項目
12 IADL IADL(調理、掃除、買物、金銭管理、服薬状況等)に関する項目
13 認知 日常の意思決定を行うための認知能力の程度に関する項目
14 コミュニケーション能力 意思の伝達、視力、聴力等のコミュニケーションに関する項目
15 社会との関わり 社会との関わり(社会的活動への参加意欲、社会との関わりの変化、喪失感や孤独感等)に関する項目
16 排尿・排便 失禁の状況、排尿排泄後の後始末、コントロール方法、頻度などに関する項目
17 じょく瘡・皮膚の問題 じょく瘡の程度、皮膚の清潔状況等に関する項目
18 口腔衛生 歯・口腔内の状態や口腔衛生に関する項目
19 食事摂取 食事摂取(栄養、食事回数、水分量等)に関する項目
20 問題行動 問題行動(暴言暴行、徘徊、介護の抵抗、収集癖、火の不始末、不潔行為、異食行動等)に関する項目
21 介護力 利用者の介護力(介護者の有無、介護者の介護意思、介護負担、主な介護者に関する情報等)に関する項目
22 居住環境 住宅改修の必要性、危険個所等の現在の居住環境について記載する項目
23 特別な状況 特別な状況(虐待、ターミナルケア等)に関する項目

まとめ

高齢者の情報を評価・査定するアセスメント。

質の高いケアプランを作成するため、アセスメントシートへ詳しい情報を記入する必要があります。

アセスメントについての正しい知識を身に付けて、高齢者へのサービス向上につなげましょう。