介護でのアセスメントシートの書き方は?事例に合わせた記入例やポイントを解説!

アセスメントシートとは?

アセスメントシートとは、「ケアマネジャーが行ったアセスメントの様子を記入するシート」のことで、アセスメントシートには具体的に以下のような内容を記載します。

  • 介護サービス利用検討者が介護サービスを必要としている理由
  • 利用者の心身状態やそのご家族との関係性、生活環境の様子
  • 利用者のニーズに沿った、介護サービスの具体的な内容

アセスメントシートは、ケアマネジャーが介護サービスの利用を検討している方を対象に初回の面談を行う際や、介護サービス利用後の定期的な面談で用いられます。

アセスメントシートによって解決するべき課題や必要な介護サービスが明確化し、利用者個々に応じた介護サービスの提案が実現します。

介護ではなぜ、アセスメントが必要?

要介護高齢者の介護サービス利用に際し、アセスメントが必要な理由は以下の通りです。

  • 利用者の悩みを聞き取り、課題に沿った長期目標、短期目標の設定を行うため
  • 「足を骨折したけど、以前のように歩けるようになりたい」など、利用者の希望を叶えるため
  • 解決すべき課題や今後の目標を明確にし、適切な介護サービスを検討するため

アセスメントは、介護サービスの利用を検討している方を対象に、今後のケアプランを決定するための面談のことです。

適切なケアプラン作成のためには、明確で具体的なアセスメントシートの記入が重要です。

また、アセスメントでは介護サービスを利用される方やそのご家族との信頼関係の構築も大切になるため、時間をかけて丁寧に利用者やご家族とのコミュニケーションを図りましょう。

アセスメントシートの役割・目的

アセスメントシートの役割は、以下の通りです。

  • 介護サービス利用者の心身状態、生活環境、ニーズを明確にする
  • 利用者の情報を介護サービス提供者間で確認、共有する
  • 提供する介護サービスの内容や方針を明確化する

アセスメントシートの作成を行うことで、利用者やご家族、介護サービスを提供する介護職員、医師や看護師などの多職種に情報の共有が行えます。

ケアプランで定められた介護サービスを間違いなく適切に行うためにも、アセスメントシートによる利用者の情報共有は欠かせません。

アセスメントシートの様式・項目

アセスメントシートの様式にはいくつかの種類があります。

訪問介護などの居宅介護サービスに適した様式や、介護施設でのサービスに適した様式など、介護事業所やサービス内容によってアセスメントシートの様式は異なります。

それぞれの様式にそれぞれの特徴があるため、介護サービスを提供する介護事業所や、提供する介護サービスの内容に適した様式を使用しましょう。

7種類のアセスメントシートの様式とその特徴についてご紹介します。

<包括的自立支援プログラム>
特徴:要介護認定時に利用される「認定調査票」との関連が強い。
この様式では、要介護認定時に利用される認定調査票とアセスメントを関連付けた内容で記載を行うため、ケアマネジャーの個人的な意見が含まれません。根拠に基づいたアセスメントにより、利用者に適した介護サービスの提案を手助けします。
<居宅サービス計画ガイドライン>
特徴:全国社会福祉協議会が作った様式で、エンパワメントサポートが含まれている。
この様式では、利用者のできること・できないことにスポットを当て、利用者の「潜在的能力」を引き出すケアプランの提案を手助けします。
<MDS-HC方式>
特徴:居宅介護支援事業所、介護施設の両方で利用できる。
この様式は、在宅での介護から介護施設への切り替えを検討している方や、居宅介護支援事業所と介護施設の両方の利用を検討している方に適しています。
<R4>
特徴:公益社団法人全国老人保健施設協会が作った様式で、介護老人保健施設に適している。
この様式では、全国老人保健施設協会が保有する介護老人保健施設の情報を基に、「ICF」と呼ばれる国際的分類での5段階の絶対値評価を行います。介護老人保健施設の利用検討者が、快適な介護サービスを受けることに繋がります。
<ケアマネジメント実践記録方式>
特徴:広範囲、かつ細かい調査分析を行える。
この様式では、利用者とご家族の意見や希望の項目や、アセスメント担当者の考えや意見などの記入項目があり、広範囲かつ細かい視点からケアプラン作成が行えます。
<日本介護福祉会方式>
特徴:要介護高齢者の「衣食住」「健康状態」「家族や社会との繋がり」を分析できる。
この様式は、訪問介護サービスに適しており、要介護高齢者の「価値観や意思」「生活環境やこれまでの生活歴」を尊重したケアプラン作成に特化しています。
<日本訪問介護振興財団版方式>
特徴:高齢者や障がい者など、幅広い人に利用できる。
この様式は、他の様式とは違い、高齢者に限定せずに使用することができます。また、複数回記入できるため、介護サービス利用前後の変化が確認しやすいです。

アセスメントシートを作成する時期・タイミング

アセスメントシートを作成する時期は、「アセスメント」と「モニタリング」を行った時です。

  • アセスメント:介護サービスの利用を検討している方との初回の面談のこと。
  • モニタリング:介護サービス提供後、利用者の生活の様子や利用者の意向を確認すること。

モニタリングに関しては、介護保険制度により実施頻度が以下のように定められています。

「要介護者は月に1回」「要支援者は3ヶ月に1回以上」の頻度で実施すること。

さらに、利用者の心身状況や要介護度の変化によりアセスメントを実施し、都度アセスメント

シートの更新を行います。

アセスメントシートの基本的な書き方

アセスメントシートには、基本情報として以下のような情報を記載します。

  • 利用者の氏名、性別、住所や電話番号
  • 現在の生活環境や生活保護の受給について
  • 要介護認定区分や障害者手帳の保持について
  • 利用者が現在利用している介護サービスについて
  • 利用者の寝たきり度や歩行状態、身体の状態について
  • 介護サービスに対する利用者本人の意向

さらに、利用者の情報を分析するためにアセスメント項目というものがあります。

利用者に最適なケアプランを作成するために、利用者の状況に応じてしっかり記入しましょう。

【事例1】認知症の方のアセスメントシート作成

認知症により、社会との繋がりが断たれてしまっている方の場合です。

既往歴や現在の疾病の症状などの健康状態や、食事・入浴・排泄などの日常生活の動作に加え、以下の内容にスポットを当てて観察、聞き取りを行いましょう。

  • IADL(手段的日常生活動作)について
    調理や掃除、買物、お金の管理などの動作が自分でどこまでできるか。「自立可」「一部介助有」と評価を行います。
  • 認知機能及びコミュニケーション能力
    日常生活上での意思決定がどの程度行えるか。また、聴力や視力、他者へ意思を伝えることがどの程度行えるかを記載します。
  • 社会との関わり
    社会活動への参加状況や、本人の孤立感の有無などを記入します。

 

【事例2】寝たきりの方のアセスメントシート作成

寝たきりにより心身機能の低下が著しい方の場合です。

既往歴や現在の疾病の症状などの健康状態をさらに深掘りして観察、聞き取りを行いましょう。

  • 排泄状況
    排泄の頻度やおむつ、ポータブルトイレの使用状況を記載します。また、失禁やその後始末、排泄のコントロールについても確認が必要です。
  • 食事及び口腔衛生の状況
    普段摂取している食事の回数や栄養バランス、水分の摂取量を記載します。また、口腔内の衛生状況についてもしっかり確認しましょう。
  • 皮膚状態やその他必要な配慮事項
    褥瘡や皮膚疾患、その他疾患による医療的処置が必要かどうかを記載します。また、介護拒否や暴力行為などの問題行為の有無。終末期ケアを要するかの確認も必要です。
  • 居住環境及び介護状況
    現在住んでいる住宅や環境について、リフォームの必要があるかを図面も用いて記載します。バリアフリー設備が整っているか、介護者の見守りが行き届いているかの確認も必要です。

アセスメントシート作成のポイント

アセスメントシート作成のポイントとして、以下のような点に注意しましょう。

  • 利用者の意向をメインとし、ご家族や介護職員の情報をメインにしない。
  • アセスメント担当者の個人的な意見ばかりを記載しない。
  • メモとしての記載は避け、誰が見ても分かりやすい内容にまとめる。

アセスメントシート作成の目的は、「介護サービス利用者ご本人の意向を、ご家族や多職種に共有すること」です。

そのため、利用者以外の人の意見を主体とせず、分かりやすい内容を心がける必要があります。

利用者のニーズを把握し、適切な介護計画を

アセスメントシートは、担当する利用者全員分を同じ内容で記載するわけではありません。

利用者個々の心身状況、ニーズなどを詳細に把握して記載することで、その方に応じた介護サービスの提供が実現します。

そのため、アセスメントシートの書き方や様式を理解しておくだけではなく、利用者の声や話をしっかり聞くことがアセスメントシート作成の根本です。

アセスメントシートの記入方法については、基礎知識として身に着けておくようにしましょう。