介護職は悩みが多い?精神的・身体的な負担を軽減する方法

介護職は仕事のストレス度合いが高い傾向にあり、体力的・精神的に負荷が大きい仕事とされています。

そのため、「体力的に限界で仕事をやめたい」「仕事内容と待遇が見合っていない」という不満を持った介護職員も少なくありません。

そこで本記事では、介護職員が抱えやすい悩みを紹介し、それらを緩和する方法についても解説します。

介護職員はどのような悩みを抱えているのか

令和2年度 「介護労働実態調査」によると、介護職員の大きな悩みには次のようなものが挙げられています。

  • 人手が足りない(52%)
  • 仕事内容の割に賃金が低い(39%)
  • 身体的負担が大きい(31%)
  • 有給休暇が取りにくい(27%)
  • 精神的にきつい(26%)
  • 健康面の不安(感染症・怪我)がある(21%)

同統計によると、このうち人での不足感については平均賃金の上昇、外国人労働者の受け入れなどの施策により改善傾向にあり、離職率も過去最低を記録しています。
そのため、介護事業全体としては徐々に働きやすい環境が整備されてきています。

一方で、身体的負担や精神的負担の項目は、前年度の結果とほぼ変わらないかもしくは不満が強くなっているため、早急な対策が求められています。
ここからはなぜ身体的・精神的な悩みが発生しているのかを整理します。

介護職員の悩み① 利用者様と人間関係

介護職員はさまざまな人間関係の中で仕事をしています。
例えば利用者本人、そのご家族、職員同士などです。
利用者本人との関係では「思うようにコミュニケーションが取れない」「本当は一人一人と時間をかけて話をしたいのに、仕事が多くてその時間が作れない」など複雑な背景があります。

利用者との悩みを解消するためにまず始めたいことは、悩みの原因を明らかにすることです。
コミュニケーションで悩んでいる原因が、利用者の認知症が進行していたことと深い関係があり、介護職員が過度に罪悪感を抱いてしまっていたというケースもあるので、自分一人で背負い込まずに周りにアドバイスを求めることも大切です。
また、仕事量が多いことが悩みの背景にある場合には、上司との業務調整や効率の良い働き方の検討が効果を発揮することもあります。

介護職員の悩み② 利用者ご家族との人間関係

利用者のご家族との間での人間関係を負担に感じている方も少なくありません。
最も多いケースは「利用者の家族が施設ルールに非協力的」というものです。
持ち物や面会時間など、施設によってさまざまな運用ルールがありますが、それらを正しく理解していただけない場合にはトラブルに発展することがあります。
まずはルールを認識してもらえるように、最初のガイダンスで注意深く説明をし、ルール違反があった場合には改めて確認をする必要があります。
事業所として決めた制度に対して安易に例外を作らず、丁寧な説明によって理解を求めることが重要です。

ルール違反が繰り返される場合には、施設の管理者に報告をし、施設全体として対処していけば良いでしょう。

介護職員の悩み③ 職員同士の人間関係

慢性的な人手不足が続いていた介護業界では、普段は面倒見の良い職員同士であっても、仕事量に圧倒されてコミュニケーションにすれ違いが生じることもあります。
基本的には多くの職員が「できることなら良い人間関係にしたい」という思いを共有しているため、ミスコミュニケーションが起きないような仕組みさえあれば、よほど大きな人間関係のトラブルに陥ることは回避できるケースが多いです。

例えば、「分かりやすい介護記録をつけて効率の良い意思疎通を図る」「気持ちの良い挨拶をする」「世代の異なる職員の価値観や考え方に理解を示す」などはすぐにでも始められます。

介護職員の悩み④ 新人ならではの悩み

介護職を初めてから3年以内は最も離職率が高いとされています。
その原因の多くが「新人ならではの悩み」に集約されます。
具体的には、「仕事のメリハリのつけ方が分からないから、ずっと集中してしまって疲労がたまる」「初めて学ぶことが多いため、息つく暇がない」「身体的な負担に慣れていない」などが挙げられます。

これらに対処するためには、まずは仕事環境に慣れることが最優先です。
「教えてもらったことを忘れないようにメモを持ち歩く」、「自分から仕事が見つけられない時には相談する」などを心がけると、少しずつ心の余裕が生まれてきます。

介護職員の悩み⑤ リーダー職の悩み

介護職ではスキルアップを経て、介護リーダー・ケアマネージャー・サービス提供責任者になる方も一定数存在します。
それら管理職に付くと「業務内容が変わって新しいことを覚えるのが大変」「周りに相談できる人が減って不安」などの悩みを抱きやすいです。

これらを解決するためには、「別の事業所の近い職種の方と交流を持つ」「適正に不安を感じたら上司に相談する」「別の立場から価値を提供していることを確認する」などのアプローチが有効です。
周りに頼られる立場になるとなかなか弱音を吐けなくもなってしまいますが、メンタルヘルスの維持のために自分一人で抱え込まないようにしましょう。

介護職員の悩み⑥ 体力的な悩み

介護では利用者をベッドから下ろす際や、入浴の介助の際に大きな身体的な負荷がかかります。
若いうちはそれらに耐えることもできますが、年齢を重ねると共に疲労が蓄積しやすくなります。
実際に離職率のデータを見ても、50代以降の介護職員の離職率は高い値を示しているため、体力的な限界を感じて辞める人が少なくありません。
また、夜勤の有無なども体調に大きな影響を与えます。

体力的な悩みを解決するためには、「夜勤や長時間労働の少ない職場へ転職する」「運動習慣を持ち、体力的な衰えを軽減する」「資格を取って介護福祉士やケアマネージャーを目指す」などの方法が考えられます。
中でもスキルアップは収入面での改善も伴うので、介護に喜びを感じている人であればぜひ検討したい選択肢です。

介護施設にもさまざまな種類があり、そこでの業務内容も異なります。
もし体力的な悩みが大きいのであれば、身体介護の度合いの低いデイサービスでの勤務なども適しています。
より医療的なケアに関する知識をつけたい場合には、介護老人保健施設などへの転職も考えられます。

介護職員の悩み⑦ 待遇面での悩み

令和2年度の介護職一般労働者の平均月給は24万円でした。
仕事の負担を考慮すると決して待遇が良い職種とは言えません。
一方で、介護職管理者の平均月給は38万円と比較的恵まれています。

賃金の改善のためにはスキルアップを行い、より高い役職へ移行するのがベストです。
また、事業所によって待遇が異なるため、転職エージェントに登録して賃金の良い事業所に転職するのも1つの手です。

1人で悩まず相談や転職も

介護職を続ける中で、多くの人が悩みに直面します。
原因を探って建設的な解決できる問題もあれば、根が深く簡単にはどうにもできない問題も考えられます。

それでも一人で悩まず同僚や上司からアドバイスを求め、できる限り働きやすい環境を自ら作り出すことが大切です。
もしも仕事をやめたくなる状況が続くのであれば、転職して環境を変えてしまうのも問題ありません。
介護を続けるモチベーションを明確にし、自分が長く仕事を続けられるような方法を模索していきましょう。