実際どう違うの?グループホームと有料老人ホームについて解説します

意外と知らない「グループホーム」と「有料老人ホーム」の違い ~入居対象者~

グループホームは、「認知症の高齢者に対して、共同生活住居で、家庭的な環境と地域住民との交流の下、入浴・排せつ・食事等の介護などの日常生活上の世話と機能訓練を行い、能力に応じ自立した日常生活を営めるようにするもの。」です。

(介護保険法第8条第20項及び第8条の2第15項、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第89条等より)

つまり、グループホームは「認知症を患った高齢者専門のケア」が受けられる施設と言えます。また、条件として原則65歳以上であるこ、医師による認知症の診断を受けていること、要支援2または要介護1以上の認定を受けていること、施設のある市区町村に住民票があること の条件に該当する必要があります。

対して有料老人ホームは、「高齢の方が心身の健康を維持しながら快適な暮らしを過ごせるよう、必要に応じて衣食住の支援を受けることができる施設」を指します。有料老人ホームには、介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・健康型有料老人ホームの3種類があります。ホームによって、65歳以上等の年齢制限がある場合があります。いずれも共通しているのは、自宅の代わりに入居できる施設であるということです。

「グループホーム」と「有料老人ホーム」の違い ~規模と設備~

グループホームは、管理者が3年以上認知症の介護従事経験があり、厚生労働大臣が定める研修を修了した者を常勤専従として配置しています。認知症に特化した施設であるため、管理者に認知症ケア経験があることが条件の一つです。また、1事業所あたり1又は2の共同生活住居(ユニット)を運営し、小規模の集団を形成してケアを行います。認知症の特性上、入居者も職員の体制もなるべく固定し、顔見知りの安心感ある集団で過ごすことで、快適な共同生活を目指しています。1ユニットの定員は、5人以上9人以下で、基本的には個室です。

有料老人ホームも基本的には個室で、規模は様々です。グループホーム・有料老人ホームどちらも、居間・食堂・居間・台所・浴室、消火設備その他非常災害に際して必要な設備等、住宅として必要な機能が一通り備わっています。施設によっては、リハビリテーションのための機材があるリハビリ室や、シャンプー台が付いた理美容室、家族と過ごすための団欒室、和室などがあります。入居費の価格帯によって、家庭的な雰囲気、ホテルのような設備などグレードが異なりますので、長期間過ごす住宅として、嗜好に合った施設を選ぶと良いでしょう。

「グループホーム」と「有料老人ホーム」の違い ~サービスの違い~

グループホームは認知症の方に特化している施設ですが、それ以外の特徴は、グループホームも有料老人ホームもあまり変わりません。衣食住に関する支援を提供していて、一人一人に応じて必要なサービスや介助方法を予め協議し、職員間で統一したケアを提供します。季節ごとに敬老会や花見等の催し物があり、保育園等の近隣施設との交流が特色の施設もあります。有料老人ホームは、本人の自立度によって外出のためにバスが出る施設もあります。また、タバコや飲酒等のルールは施設によって異なりますので、入居前に確認しておきましょう。

「グループホーム」と「有料老人ホーム」の違い ~運営会社と待機状況~

グループホームと有料老人ホームはいずれも、株式会社や社会福祉法人等の民間で運営しています。費用負担としては非常に幅があり一概には言えませんが、グループホームは入居一時金8.1万円、月額利用料11.9万円なのに対し、有料老人ホームは入居一時金349.1万円、月額利用料22.8万円と、かなり差があります。

また、要介護度によって、別途月々のサービス加算費用がかかります。(引用:https://www.minnanokaigo.com/guide/cost/grouphome/

待機状況としては、いずれも待機者は増加傾向にあります。首都圏、過疎地域いずれも介護職は人手不足であり、一方で介護ニーズが増えているためです。そのため、夜間帯の見守りをロボットで支援し、人員基準を緩和することで解決を図る動きがありますが、「あくまでロボットは補佐でしかなく、結局は人手が必要なため人員削減策には繋がらない」と現場の反発は強く、施設側の対応準備も考えるとすぐに解決に向かうのは難しそうです。

それぞれのメリットデメリットは?

グループホームのメリットは、何と言っても認知症の方専門の施設であるため、認知症ケアに特化した介護職からサービスを受けられることが特長です。認知症の方同士であれば、大声を出し落ち着かない様子であっても、ある程度はお互い様にできます。不思議なことに、会話が成立していないとしても認知症の方同士の波長が合い、穏やかな空気の中で過ごすことができることも多々あります。それらは、その施設がどのような認知症ケアをするのかに依るところが大きいため、見学の際に日頃している工夫を聞き、入居者の実際の様子を見ると良いでしょう。

デメリットとしては、認知症への適切なケアができていない施設の場合、認知症の状態が悪化してしまうことが考えられます。介護施設は非常に少ない人員かつタイトなスケジュールで動いているため、時間に余裕を持って十分な関わりを持つことが難しいことが多々あります。入居者同士のコミュニケーションを楽しむことができず、自身の趣味もできなくなり楽しみを見いだせずに過ごすことになった場合、刺激が少ない生活を過ごすことになってしまう可能性があります。

対して老人ホームのメリットは、認知症を患っていない入居者がいるため、コミュニケーションが円滑であれば友人ができ、生活のハリになることです。長い時間を過ごす施設で、気の合う友人ができるととても暮らしやすいです。グループホームも有料老人ホームも、2~4名で1つのテーブルを囲んで食事をすることが多いため、食事の時間が社交の場となります。

デメリットは、もし認知症を患って入居した場合に、疎外感を感じる場面が発生する可能性があることです。体操やレクリエーション等、入居者が集まって実施する際、認知症の症状が出てしまい、全体を中断して白い目で見られてしまったり、他の入居者ができていることができなかったりという場面が出てきます。そういった場面にどのように対応するかは職員の手腕に依るところがありますが、認知症の症状は次第に悪化していく場合が多く、その方に人手が必要となります。

施設によって受けられるサービスが異なるので細かくチェック

ここまで、グループホームと有料老人ホームの違いについて解説しました。介護施設には多くの種類があり、それぞれが想定する対象やサービスは異なります。インターネットで検索したり、地域包括支援センター職員や介護支援専門員に相談したり、知り合いに話を聞いたりして、自身の状況に合う施設を選択することが大切です。介護は時期によって状況が変化するので、そういった視点を持てると後々「こんなはずじゃなかった…」と後悔することが減ってくるでしょう。

施設は見学を受け入れているので、実際に雰囲気や清潔さを見たり、必要とする医療的ケアを満たせるか、看取りまでしてもらえるか、費用面で無理がないか等を確認したりすることが大切です。中には、試しに短期間居住できる施設もあるため、利用してみるのもよいでしょう。