訪問介護のヘルパーに多い悩みとは?訪問先で困った時の対処法について解説

#介護の知識

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訪問介護のヘルパーが悩みやすい理由とは?

訪問介護のヘルパーが悩みやすい1番の理由は、「1人で訪問しないといけないから」です。

介護施設の場合、頼れる先輩職員や上司が周囲にいる環境で働けます。しかし、訪問ヘルパーはある程度仕事を覚えると、「じゃ、今度は1人で訪問してきて」と先輩や上司に支持されてしまうのです。利用者様やご家族の方からは、「新人だから何でも言いやすい」と思われ、業務外のことを頼まれたり、理不尽なクレームを付けられたりしがちです。

また、利用者様が意識を失った、心肺停止状態になったなどの緊急時も、1人で適切な判断を行う必要があるため、気が休まりません。そのため、訪問介護は自分自身に合わないと感じ、早期離職してしまうヘルパーも多いのです。

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【ヘルパーの悩み①】訪問先で業務外の仕事を頼まれてしまう

いつものように利用者様のご自宅に訪問すると「あ、今日は部屋の掃除も洗濯もしなくていい」と、本来するべき仕事を止められてしまいました。「それより、息子が急に帰ってくることになってね。2階の部屋を掃除してほしいの」と頼まれました。

利用者様の関節リウマチと腰痛が悪化してから、全然使っていない2階の部屋。一度ヘルパーが様子を見に行くと、かび臭さと大量のホコリで息ができないような状態になっていました。「2階の部屋は、Aさんが使用されるわけじゃないですよね?だったら、使用する息子さん本人に掃除をお願いできないでしょうか」ヘルパーはそう伝えましたが、「せっかく30年ぶりに実家に帰ってくるんだから、せめて掃除は先にしておかないと」と、利用者様はまったく納得されません。

利用者様が普段暮らしている部屋のみ掃除するのがヘルパーの仕事です。使わない部屋の掃除や庭の手入れは業務外となっています。

【対処法】サ責やケアマネと一緒に説得する

ヘルパーがいくら「介護保険サービスで使える訪問介護の仕事内容」について説明をしても、利用者様が納得しない場合、大人数での説明が必要です。

例えば、サービス提供責任者やケアマネジャー、生活相談員など。もちろんご家族の方が参加できるのであれば、本件についての相談を行います。ご家族の方が利用者様側の意見に賛同するか、ヘルパー側の意見に賛同するかによっても、話は大きく変わってくるでしょう。

介護保険サービスでできることとできないことを改めて説明したうえで、それを表にして冷蔵庫などに貼り付けておくと、今後同じようなことがあった場合にも困りません。

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【ヘルパーの悩み②】残業が多く激務にも関わらず給料が安い

筆者である私が訪問介護に配属された時の話を取り入れさせていただきます。

初日から「朝6:30〜15:30」の早出勤務だったのですが、ちょうど定時を迎えようとした時、先輩に平然とした表情でこう言われました。「ここでは2時間の残業が当たり前だからね」「だったらもっと先に言ってくれよ」と思いましたが、言うこともできず…。ほぼ毎日「朝6:30〜17:30」、昼休憩の1時間を省いて10時間の勤務を続けてきました。

残業が当たり前になっている理由を上司に尋ねたところ、一言「人手不足だから」と言われただけです。しかも、私は夜勤をしていなかったため、夜勤手当がもらえません。夜勤手当抜き、その他諸々引かれ、手取り月収は11万円。正社員で、毎日10時間勤務をしてこの給料かと思うとしんどくなってしまい、そこの事業所を退職することに決めました。

【対処法】サ責を中心に業務の見直しを行う

訪問介護サービスは、「最期まで慣れ親しんだ自宅で過ごしたい」と考えている高齢者の肩に大変人気のサービスです。そのため、訪問の依頼件数は年々増えていく一方で、訪問ヘルパーが激務や給料の低さに嫌気が差して辞めていくのが現状でもあります。

このような環境から「誰がどれだけの件数を担当するか」「休んだ時に代わりに訪問に行けるヘルパーはいるか」など、人員配置数について見直す必要があります。また、介護記録の効率化を図るソフトの導入や、利用者様の様子がすぐに分かる見守りカメラの導入など…。少しでもヘルパーが働きやすい環境が整うよう、サービス提供責任者を中心に、全体会議を行うことを推奨します。

ヘルパーが現在の給料に不満を感じている場合は、給料についての話し合いも必要です。

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【ヘルパーの悩み③】緊急時に相談できる人がいないため不安

訪問介護サービスを利用されている方の中には、認知症の方が多くおられます。

認知症には「昔のことは覚えていて、最近のことは忘れやすい」という特徴があります。そのため、ヘルパーが訪問すると、「お客さんが来たから何かお茶でも出さないと」とそわそわしたり、不安になったりして徘徊してしまう方も。普段は穏やかに過ごされているにも関わらず、ヘルパーが来た時だけ、もしくはデイサービスに行った時だけ不穏状態になる方は意外と多いです。家中を徘徊して何かを口に入れた場合、窒息して呼吸困難になってしまうことも想定できます。

目の前の掃除や洗濯だけに気をとられていては、利用者様の急変にすぐ気付けません。もし早急に気づいたとしても、新人ヘルパーなら、どうしていいか分からず戸惑ってしまい、対応が遅れてしまうことも充分あり得ます。いくらお元気な利用者様でも、いつどのようにして緊急時を迎えるか分からないため、1人での訪問を不安に感じるヘルパーは多くいます。

【対処法】緊急時のマニュアルを作成しておく

ヘルパー一人ひとりが緊急時に適切な対応ができるよう、ポケットに入るサイズの緊急時マニュアルを作成しておくことがオススメです。また、定期的に会議を行い、緊急時のマニュアルを音読する時間を作ることで、マニュアルの内容がより頭に入ります。

特に、緊急事態に遭遇したことがない新人ヘルパーや、最近転職してきた方には、積極的に勉強会や研修会へ参加をするよう、勧めることが大切です。

また、消防署に連絡を入れると、心肺蘇生法の練習用ドナー人形を貸し出してもらえます。実践的な練習が積めるため、興味がある事業所は是非、地域の消防署へご連絡ください。本当に利用者様が心肺停止や窒息、意識不明などの緊急事態に陥ったことを想定して、さまざまな勉強会や研修会に参加することが重要です。

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ヘルパーの悩みは1人で抱え込まずに上司に相談を

訪問ヘルパーは、1人で悩みを抱え込みがちです。それは、上司や先輩に相談すると、「そんなことも分かってないのか」と思われるのが不安だからです。

訪問先でのトラブルに悩まされた時は、遠慮なく上司や先輩に相談しましょう。1人で悩みを抱えていても解決には至りません。また、相談を受けた側も、「それぐらい自分で調べて」と突き放すのではなく、親身になって話を聞くことが大切です。

在宅介護を希望する高齢者が増加傾向にある現代社会。利用者様の人数に対してヘルパーが不足しないよう、ヘルパーが働きやすい環境や相談しやすい雰囲気を常に心がけておくことが事業所に求められます。

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