在宅介護の限界を感じたときの対処法|ストレスを抱えず無理なくつづけるコツを伝授
- 在宅介護がストレスで限界を感じてきた
- 介護で困ったときは誰に相談すればいいの?
- 親を施設に入れるのはかわいそう?
在宅介護を頑張っていれば、このような悩みや不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
いつまで続くかわからない在宅介護。体力は限界に達し、イライラしてしまったりストレスを抱え込んでしまったり、辛い思いをしている方はたくさんいます。
そこで今回の記事では、在宅介護で限界を感じた時の対処法、無理なく続けるコツなどを解説します。
在宅介護で不安を抱えている方はぜひ参考にしてください。
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目次
在宅介護の限界について
在宅介護といえば、介護者の日常生活に多くの負担や制限がのしかかるため、ストレスを感じる方が多いのではないでしょうか。在宅介護に限界を感じるのには以下のようなケースが考えられます。
身体介護や不規則な生活による体力的な限界
在宅介護ではベッドからの移乗や入浴介助、排泄介助など、体力的な負担がかかります。施設と違い、介護に適した設備がそろわない中での介護はしづらく、介護者の体を痛めてしまう原因になります。また、夜間の体位交換や排泄介助をおこなったり、認知症がある場合は徘徊やせん妄の対応をしたり、睡眠時間が削られることも。程度はそれぞれですが、介護度の重い方や認知症介護であれば介護者の疲労は計り知れません。体を休める時間を取れず、毎日の介護は続いていくので限界を感じてしまいます。
認知症対応や先の見えない不安による精神的な限界
認知症のある方の介護をしていると、ストレスを溜めやすくなります。同じことを何度も繰り返して言われる、暴言暴力を吐かれる、被害妄想がある場合の対応に苦慮して精神的に疲れてしまいます。徘徊や、近所に迷惑をかけてしまうようなことが頻繁に起こってしまえばさらに精神的負担が重くなってしまうでしょう。
周りに協力者がおらず、相談する人がいなければ一人で抱え込んでしまうことも。いつまで続くかわからない、先の見えない不安は精神的に大きな負担になってしまいます。
自分の時間が持てない・休めない時間的な負担
介護に時間が取られてしまうと、自分の時間が持てないという時間的な制限が生じます。体を休められないため身体的疲労が溜まってしまうのはもちろん、プライベートな時間が持てないのはとてもストレスになってしまいます。介護によって退職を余儀なくされたり、趣味の活動ができなくなったりして、自分の希望のライフスタイルがかなえられないのは非常に辛いことです。
長期にわたる介護費用など経済的な負担
介護には思っている以上にお金がかかります。介護保険サービスや介護費用の助成を受けたとしても年金だけでは不安に感じる方も。家族が介護離職で収入がなくなってしまえば、経済的な支援も途絶えます。介護が長期にわたれば生活が困難になってしまう方も少なくありません。
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在宅介護をやめる、見直すきっかけ
在宅介護はもう限界だと感じ、やめたり見直したりするきっかけには次のような場合があります。
- 認知症が重度になり目が離せなくなった
- 排泄介助が必要になった
- 病気や骨折で動けなくなり身体介護が増えた
- わがままに耐えられなくなった
- 介護者が腰などを痛めた
- 介護者が体調を崩した
- 介護者が介護うつを発症した
- 介護者のライフスタイルが変わり介護ができなくなった
限界だと感じる事例は上記に限らず、100人いれば100通り存在します。在宅介護がもう限界だと判断するタイミングはなかなか難しいものです。しかし、いつかは在宅介護をやめたり見直したりする時がきます。在宅介護をやめるきっかけは介護する側、される側どちらの都合でもなくさまざまな要因が総合的に絡み合っています。
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在宅介護には覚悟が必要?
前述した通り、在宅介護をするとなると介護者にはさまざまな負担が強いられます。相当な覚悟を持っていないと共倒れになってしまう場合もあるでしょう。
独居の高齢者であれば、家族が自宅に通い介護をするケースや、同居を考えなければ一人暮らしを続けるのが難しくなるケースも考えられます。
精神的な負担が蓄積すると最悪の場合、虐待に至ってしまうケースも少なくありません。身体的虐待、精神的虐待、経済的虐待、ネグレクトなどは高齢化社会が抱える社会問題の一つです。
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限界を感じた時の対処法はあるの?
在宅介護の限界を感じてしまったときは、どのように対処すれば良いでしょうか。一人で抱え込んでしまうと疲弊してしまいます。制度を活用し、協力者を作ることが大切です。
介護保険サービスを利用する
在宅介護を続けるコツは、介護保険サービスをうまく活用することです。ケアマネージャーに相談すると、必要なサービスを組み立てて利用できるように調整してくれます。
ヘルパーが自宅に訪問してくれる訪問介護サービスを利用し、身体介護をしてもらうと体力的な負担が軽減できます。医療ケアが必要な方には、看護師が訪問する訪問看護を依頼すると安心です。また、認知症予防や移動能力低下を防ぐため、デイサービスやデイケアに通うのもおすすめです。他者との交流や、体を動かすことがADLの低下を予防します。
在宅介護では、一時的に介護者が息抜きできる時間を作るのも必要です。介護保険サービスを利用して介護を任せている間に、介護者は自分の好きなことをする時間や休息をとりましょう。少し長めにショートステイなどお泊まりのサービスを使うのも一つです。
介護保険サービスの利用を通して、相談相手や誰かに介護を任せる時間を作ると一人で抱え込まず心に余裕が生まれます。無理しすぎないことが大切です。
職場の協力を得る
在宅介護をおこなっていることは、職場にも伝えておきましょう。職場の理解を得るのも在宅介護を無理なく続けるコツです。急な休みが必要になるかもしれません。状況を伝えて知っておいてもらうだけでも理解を得やすいでしょう。
介護休暇など、会社で決められた制度を活用するのも一つです。労働者に与えられた権利を使い、仕事と介護を両立し、介護離職にならないようにしてください。
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在宅介護で限界を感じた時の相談先
在宅介護で限界を感じたときは、ケアマネージャーに相談しましょう。介護のプロフェッショナルとしてさまざまな対応策を一緒に考えてれます。介護サービスにはたくさんの選択肢があり、その方の心身状況や介護する家族の状況も総合的に考えて、その方に合ったサービスを紹介してくれます。
現在、介護サービスを利用しておらず、担当ケアマネージャーがいない場合は「地域包括支援センター」に相談してください。地域包括支援センターは地域内の高齢者やその支援者に対する総合相談窓口で、日常生活圏域ごとに設置されています。保健師やケアマネージャーが配置されているので、介護に対する相談ができます。介護サービスの利用を検討する場合には気軽に相談してみてください。
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限界を感じたら施設入居も視野に入れる
在宅介護は、さまざまな支援を受けると無理なく継続できます。しかし、身体介助量が増えたり、認知症の症状がひどくなったりすると限界を感じてしまうのも仕方がありません。限界を感じる前に施設入所も視野入れておきましょう。
介護サービスをあまり使ったことのない方であれば、サービスを受けて家族以外の人の援助を受けるのに慣れておくのも良いかもしれません。また、実際にショートステイを利用して介護施設の雰囲気に慣れておいたり、情報収集や施設見学をしておいたりするのも良いでしょう。
最期まで在宅介護を貫くべきだと、頑張りすぎると負担は増幅します。介護で心身共に疲れ、倒れてしまってはお互いにとってもよくありません。
施設入所を視野に入れて準備しておくことは精神的な負担も軽減され、いざという時の安心につながります。
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1人で抱え込まず、適切な相談先や対処選びを
今回の記事では、在宅介護で限界を感じた時の対処法、無理なく続けるコツなどを解説しました。
在宅介護は介護者に非常に多くの負担がのしかかるため、相当な覚悟が必要だと言われています。しかし、介護サービスをうまく活用し介護を助けてもらったり、相談に乗ってもらったりすると、簡単に乗り切れることもたくさんあります。
1人で抱え込まず、適切な相談先や対処法を知っておきましょう。
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