【腰痛予防と対策】介護職と腰痛の関係について解説【おすすめの働き方も紹介】

#介護#腰痛

介護の現場で問題視されている「腰痛」。

「今後腰痛にならないか不安」「腰が痛くて仕事がつらい」「負担の少ない職場で働きたい」といった悩みをもつ方も多いのではないでしょうか?

今回は、介護職と腰痛の関係について解説します。

この記事を読んでわかること

正しい知識を身につけて、介護の負担を減らしましょう。

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介護職の職業病「腰痛」

介護職にとっての職業病といえる腰痛の発生率は、年々増加傾向にあります。

令和元年に行った厚生労働省の調査によると「業務上で発生した病気・怪我で4日以上休業した」という報告が「保健衛生業」のなかだけで1750件。そのうち腰痛が原因という報告が1648件と、90%以上を占めています。
(※出典:厚生労働省 業務上疾病発生状況等調査(平成31年/令和元年))

要介護の利用者に寄り添い支援する介護職の人にとって腰痛は、切っても切れない関係にあります。

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腰痛につながる主な要因とは?

腰痛を引き起こす原因は、主に次の3つ。

無理な姿勢で作業する

中腰や前かがみといった無理な姿勢での作業は、腰への負担が大きくなります。

負荷のかかる動きを頻繁にする

重いものを持ち上げる、腰を何度もひねるなど、腰へ負荷がかかりやすい動きを頻繁に行うのも腰痛の原因となります。

同じ姿勢を長時間とる

同じ姿勢のまま長時間過ごすと、腰が凝り固まる原因に。

立ちっぱなし、座りっぱなしの状態は腰への負担につながります。

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介護の仕事がなぜ腰痛につながるのか

介護の現場には、上記で解説した腰痛の原因となる動きが数多く潜んでいます。

移乗介助

利用者の移動をサポートする移乗介助。ベッドや車いすから利用者を持ちあげなければならず、腰への大きな負担となります。

食事介助

利用者の隣に座って行う食事介助。横向きになるため無意識に体をひねってしまいやすく、腰へのダメージにつながります。

入浴介助 排せつ介助

入浴や排せつをサポートする際も、入居者を持ち上げる必要があります。

職員ふたりで対応することも多いですが、腰への負担は大きいです。

体位交換 おむつ交換

いずれも寝たきりの利用者が必要とします。

主にベッドで行うため、体に負担のかかる中腰での作業になります。

長時間の立ち仕事

介護の現場には全介助の利用者も多数。付きっきりの介護で長時間立ち続け、腰が凝り固まってしまいます。

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腰痛を予防するにはどうしたらいい?

姿勢に気をつけて介護を行う

負担のかかりやすい姿勢・動作を確認し、意識的に改善しましょう。

少ない力で身体介助を行う「ボディメカニクス」といった正しい介護技術を身につけることで、腰への負担を最小限にできます。

休息をしっかりとる

介護は大きな力をつかう場面が多く、疲労を蓄積しやすいです。

こまめな休憩をとり、体をしっかりと休めることが大切です。

福祉器具を活用する

介護ベッドの多くは高さの調整が可能。腰に負担がかかりにくい高さに調整してから移乗介助を行いましょう。

介護リフトやスライディングシート・ボードといった福祉用具を使うのもおすすめです。

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腰痛になってしまったら労災はおりるのか

「介護が原因の腰痛である」と証明できれば、労災の認定を受けられます。

しかし、慢性的な腰痛との区別が難しく、労災認定が認められない場合も。

医師に相談する場合は、勤めている期間や仕事の内容をできるだけ具体的に説明しましょう。

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仕事を休んだ方が良い「危険な腰痛」とは

腰痛のなかにも症状はさまざま。下記の症状がみられる場合は、すぐに仕事を休んで医療機関を受診しましょう。

・突然の激痛
・安静にしていても痛みが激しい
・痛むところが赤く腫れる
・光熱が出る
・足のふらつき

軽い痛みが長期間続く際も、早めの受診をおすすめします。

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腰痛持ちでも介護の仕事を続けたい

腰に痛みが出てきた場合は以下の方法で対処しましょう。

腰をいたわるアイテムを使う

腰痛ベルトやコルセットなど、腰をサポートしてくれる道具を使うのがおすすめです。

骨盤を支え、腰への負担を軽減してくれます。

ストレッチの習慣化

こまめなストレッチを行い、腰の筋肉をほぐしましょう。

腰の筋肉を支えている太ももや体側なども一緒にほぐすと効果的です。

動かしすぎると悪化する可能性もあるため、無理のない範囲で行ってください。

腰をあたためる

血行をよくすると、腰痛の症状が緩和しやすいです。
湯船にゆっくりとつかる、温湿布を貼るなどの対策が有効です。

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職場環境を改善して腰痛予防に繋げる

職場環境や働き方の改善でも、腰痛を予防できます

介護しやすい環境を整える

家具の配置を整え室内のスペースを確保すると、無理な姿勢での介護を減らせます。

室内や浴室などの床を滑りにくい材質に変えるのも効果が期待できます。

体操・エクササイズを実施する

利用者と職員が一緒に参加できる体操やエクササイズに取り組むのも、腰痛予防につながります。

利用者の身体機能の維持・向上を図ることで、職員の介護負担も軽減できます。

上司に相談する

休憩の取り方や新しい器具の導入など、ひとりでは改善しづらい部分もあります。

腰痛が悪化する前に上司や運営元に相談してみましょう。

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腰痛が酷いようなら違う形態の介護職にうつることも

別な形態の介護職にうつることも腰痛対策のひとつ。

介護の負担が比較的低い施設形態や職種を紹介します。

グループホーム

グループホームの利用者は認知症の方に限られますが、介護度が低い方が多く入居しています。

5~9人ごとのグループで生活する「ユニットケア」を取り入れており、利用者の人数が少ないのも特徴。

身体的負担の少ない、掃除や洗濯といった家事のお手伝いが主な仕事です。

リハビリデイサービス

集中的なリハビリで身体機能の維持・向上を目指すリハビリデイサービスもおすすめです。

リハビリや機能訓練に特化しているため入浴や食事といったサービスを最小限にしているところが多く、介護職員の身体的負担を減らせます。

住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅

自立した利用者が多い住宅型有料老人ホーム。介護が必要な利用者は外部サービスと契約することが多いため、施設スタッフの介護負担が少ないことが特徴です。

施設で介護サービスを提供しているところも一部あり。介護リフトやストレッチャー浴といった設備を導入している施設がおすすめです。

ケアマネジャー 生活相談員

ケアマネジャーや生活相談員など、現場での作業が少ない職種を目指す道もあります。

しかしいずれも「介護支援専門員」「社会福祉士」「精神保健福祉士」といった専門の資格が必要。

介護の現場での経験も求められるため、できるだけ負担の少ない介護職を続けながら資格を取得しましょう。

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腰痛の原因を知って介護の仕事を続ける

腰痛を引き起こすさまざまなリスクが潜む介護の現場。

適切な予防策をとったり勤務形態を変えたりしてみることで、腰痛のリスクを最小限にとどめられます。

介護の仕事を長く続けられるよう、今回紹介した情報をもとに改善に取り組んでいきましょう。

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