介護職におけるケアワーカーとは?介護福祉士やソーシャルワーカーとの違いを解説

#介護の知識#介護の資格

介護の現場では多職種の方が勤務しており、保有している資格もさまざまです。

それぞれの職場によりその職種の呼び方も異なるため、違いが分かりにくい方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、介護職における「ケアワーカー」について解説します。「介護福祉士」や「ソーシャルワーカー」との違いやその仕事内容、活躍できる場所についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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介護福祉士・ケアワーカー・ソーシャルワーカーの違い

そもそも「ワーカー」とは英語であり、日本語では「労働者」や「働き手」という意味です。介護職において一般的に「ケアワーカー」と呼ばれているのは、実際の介護現場で働いている介護職を指します。ケアワーカーという資格があるわけではなく、介護が必要な方に対して直接身体介護や生活援助を提供する職員の呼称です。

介護福祉士もケアワーカーの一種で、仕事内容に明確な違いはありません。ただし、介護福祉士は介護福祉士国家資格を取得したケアワーカーであり、高い専門知識や技術を有しています。介護現場のリーダー役としてチームのまとめ役になったり管理職になったり活躍の幅が広がります。

一方、同じ「ワーカー」でも「ソーシャルワーカー」は福祉や医療などの現場で相談支援業務を行う仕事です。直接介護を行うのではなく、医療や介護が必要で日常生活を送るのが困難な方に対して、適切な支援が受けられるようにサポートします。相談業務を行うため幅広い知識や相談援助技術が求められ、社会福祉士・精神保健福祉士などの資格所有者が就業しているのが一般的です。

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ケアワーカーの働き方・仕事内容

ケアワーカーとは前述の通り、介護現場で働いている介護職員を指します。その仕事内容を詳しくみてみましょう。

ケアワーカーの仕事内容

ケアワーカーの仕事は主に以下の3種類です。

  • 身体介護
  • 家事援助
  • 精神的なサポート

身体介護とは、主に介護が必要な方の体に直接触れながら行う介護のことを指し、食事・排泄・入浴・清拭・身体整容・移乗・移動介助など日常生活のあらゆる動作のサポートや、外出・通院の介助のことを言います。また、直接体に触れなくても、ご自身の力でできるように見守りながら行う自立支援も身体介護の一つです。

家事援助とは、掃除・洗濯・買い物・調理などの身体に直接触れない生活支援です。主に訪問介護サービスなどでは、ご自宅で過ごされている方の家事援助は重要な役割を果たします。

ほかに、認知症の方や精神的に落ち込んでいる方に対してメンタル面でのサポートを行うのも重要な役割です。ご高齢者に楽しい会話や外出、レクリエーションなどを通して生活の質を保つお手伝いをします。ご利用者やご家族から相談を受けた場合に助言を行うなど、身近な相談相手として精神的なサポートを行うのも大切な仕事です。

ケアワーカーの働く場所

ケアワーカーが働く場所には、代表的なところで以下のような職場があります。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 有料老人ホーム
  • グループホーム
  • ケアハウス
  • 訪問介護ステーション
  • デイサービス
  • デイケア

特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・有料老人ホームなどの入居施設は、ご高齢者が生活されている施設での勤務です。24時間365日高齢者のお世話が必要なため、勤務形態も日勤帯だけでなく夜勤に入るケースもあります。

一方、訪問介護サービスはご自宅での介護になるため、ご高齢者宅に訪問し、必要な時間帯に必要なサービスを提供します。身体介護の他にも、ご自宅で生活する上での家事援助も重要です。

また、デイサービスやデイケアは通いのサービスになるため、送迎サービスやレクリエーションの企画・実行なども仕事の中で大きなウェイトを占めます。

これらの施設や事業所で活躍するケアワーカーは、介護という本質的には同じ仕事を行いますがその業務内容は働く場所により大きく異なります。呼び方も、入居施設などでは「介護職員」「ケアスタッフ」、訪問介護事業所では「ホームヘルパー」「訪問介護員」などと呼ばれることが多いでしょう。

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介護福祉士の働き方・仕事内容

続いて、介護福祉士の働き方や仕事内容を確認してみましょう。

介護福祉士の仕事はケアワーカーと同じ

ケアワーカーとは介護現場で働いている介護職員を指すため、介護職員初任者研修修了者も、介護福祉士実務者研修修了者も、介護福祉士もケアワーカーです。そのため、介護福祉士の仕事内容や働く場所はケアワーカーと同じになります。

介護福祉士とケアワーカーの違い

ケアワーカーと介護福祉士の違いは、介護福祉士国家資格を持つか持たないかです。介護福祉士が名乗れるのは、国家試験に合格した者だけです。

介護福祉士の資格を持っていれば専門的な知識や技術を持っていることが証明されるため、就職や転職、昇進に有利になります。介護現場でも、リーダーや管理者などの役職に抜擢されることもあるでしょう。また、訪問介護事業所のサービス提供責任者になるためには、介護福祉士資格か介護福祉士実務者研修どちらかの資格を所有していなければなりません。そういった意味でも介護福祉士の資格は重要な意味を持ちます。

資格がなくてもケアワーカーとして勤務し活躍することはできますが、ステップアップを目指し活躍の幅を広げたい方は、ケアワーカーの中の国家資格である介護福祉士資格取得にチャレンジしてみるのがおすすめです。

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ソーシャルワーカーの働き方・仕事内容

「ソーシャルワーカー」は、これまで説明してきた「ケアワーカー」や「介護福祉士」と仕事内容が大きく異なります。ここからは、ソーシャルワーカーの仕事内容や活躍できる場所について説明します。

ソーシャルワーカーの仕事内容

ケアワーカーや介護福祉士が、介護現場で直接的な介護を行うのに対して、ソーシャルワーカーの主な役割は相談業務です。

生活において問題を抱えている方に対して、さまざまな制度を活用して幅広いサポートを行い、解決に導きます。

ソーシャルワーカーという資格があるわけではなく、その仕事は社会福祉士・精神保健福祉士などの有資格者が担います。必ず資格が必要というわけではありませんが、高度な専門知識・技術が必要なため、就職する際には資格所持を条件としている職場が多いでしょう。

ソーシャルワーカーの働く場所

ソーシャルワーカーは生活の中で困難を抱える方のサポートを行う仕事のため、介護や医療現場だけでなく、児童・生活困窮者・地域など、社会福祉分野のさまざまな現場で活躍できます。

主な勤務場所は以下の通りです。

  • 医療機関
  • 高齢者福祉施設
  • 障害者福祉施設
  • 学校
  • 児童福祉施設
  • 自治体

それぞれの場所で働くソーシャルワーカーは呼び名も異なります。例えば、医療機関で働くソーシャルワーカーは「医療ソーシャルワーカー」「メディカルソーシャルワーカー(MSW)」です。また、精神的な問題を抱える方のサポートをする「精神科ソーシャルワーカー」は「サイキアトリック・ソーシャルワーカー(PSW)」と呼ばれます。

他にも教育機関で働く「スクールソーシャルワーカー(SSW)」、福祉事務所や児童相談所などの公的機関で働く「ケースワーカー(CW)」など、ソーシャルワーカーが相談員として働くことができる職場は多岐にわたります。

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それぞれの職種の違いをしっかり理解しよう

今回の記事では「介護職におけるケアワーカーとは?介護福祉士やソーシャルワーカーとの違いを解説」と題して解説しました。

介護職においてケアワーカーとは直接身体介護や生活援助を提供する職員を指すのが一般的です。

介護現場には、ケアワーカーの他にも相談業務に関わる職種や看護師、機能訓練指導員などさまざまな人たちが勤務しています。他職種と連携・協働することで、ご利用者へのよりよいサービス提供につながります。

チームケアを大切にして、より良い支援ができるようにそれぞれの仕事の違いをしっかり理解しながら自身の役割を果たせるようにしておきましょう。

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