費用が安い老人ホームや年金だけで入れる施設はある?負担を軽減する制度も解説
介護施設の入居を考えるとき一番気になるのは、費用がどのくらいかかるのかではないでしょうか。
高齢になり収入がなくなると、年金や蓄えだけで生活をしなくてはいけません。出来るだけ費用を抑え、安心した老後生活を送りたいものです。
この記事では、費用の安い老人ホームや費用を安くする制度などを解説します。
施設の費用面が気になる方はぜひ参考にしてください。
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目次
費用の安い老人ホームはある?
一般的に費用が安いと言われる老人ホームには、「特別養護老人ホーム」や「ケアハウス」などがあります。
ただし、その方の経済状況により費用が安いと感じる基準は人それぞれでしょう。安ければ良いというわけでなく、どのようなサービスが受けられるかも重要なため、「安い」と感じる基準も異なります。
また、老人ホームには入居できる要件があり、誰でも入居できるとは限りません。例えば、特別養護老人ホームは原則要介護3以上であることが入居の条件です。
費用の安い老人ホームは人気が高いため待機者が多く、なかなか入居ができないケースもあります。
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公的施設・民間施設の違い
老人ホームは大きく分類すると「公的施設」と「民間施設」の2種類で、どちらも介護保険制度を利用して入居できる老人ホームです。
公的施設と民間施設の違いは運営母体であり、それぞれに特徴があります。
公的施設とは
「公的施設」は国や地方自治体、社会福祉法人などの公的な団体が運営している老人ホームです。「特別養護老人ホーム」や医療やリハビリ体制が整っている「老人保健施設」、身寄りのない方に適した「ケアハウス」などが該当します。
公的施設には、心身の状況や経済状況により入居の条件が設定されています。民間施設に比べるとレクリエーションなどのサービスが比較的少ないのも特徴です。居室は個室でなく相部屋のケースもありプライベートが確保できないデメリットもあります。
民間施設とは
「民間施設」に代表されるのは民間事業者が運営している「有料老人ホーム」・「サービス付き高齢者向け住宅」・認知症の方が入居できる「グループホーム」などの施設です。
民間施設は民間企業が運営していることもあり、施設により独自のサービスを展開しています。自立している方が自由に生活できたり、食事が充実していたりとさまざまなニーズに対応しているのが特徴です。
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公的施設・民間施設、どちらが安い?
ここまで説明するとお分かりだと思いますが、老人ホームは民間施設より公的施設の方が安い費用での入居が可能です。
公的施設は、国の補助金が出るため費用が安くすみます。国や地方自治体などの公的機関が運営する施設であり、支援が必要な人を支えるための施設です。
そのため、入居の必要度が高い方から優先的に入居ができるシステムがあり、入居待ちが長くなってしまう可能性があります。
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利用者の介護度による金額の違い
老人ホームにかかる費用は、まず入居するときに必要な「入居一時金」です。公的施設などでは、入居一時金が不要な施設もあります。
次に必要なのが毎月の居住費・食費・日常生活費などにあたる「月額利用料」です。また、介護を受けるためには「介護サービス費」を支払う必要があり、介護にかかる費用はその方の介護の必要度によって異なります。
外部サービス利用型
公的サービスであるケアハウスの一般型や民間サービスの住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などは、施設のスタッフからの介護サービスではなく、外部サービスを利用します。
自宅で過ごされている方と同じような居宅サービスを利用するため、介護にかかる費用は利用したサービスの金額だけです。そのため月によって金額に変動があります。
施設介護サービス費
特別養護老人ホームなどは、施設のスタッフから24時間の介護が受けられます。介護にかかる費用は介護度によって定額です。
ここでは費用が安い特別養護老人ホームの施設介護サービス費をご紹介します。
介護度 | 基本介護サービス費(1割負担) |
要介護1 | (19,560円) |
要介護2 | (21,600円) |
要介護3 | 23,790円 |
要介護4 | 25,860円 |
要介護5 | 27,870円 |
特別養護老人ホームは、原則要介護3以上の方が入居できる施設です。要介護1・要介護2の方は特例であれば入居できる場合があります。また、上記は30日換算で算出した基本サービス費の金額であり、サービス加算額は施設により異なります。
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介護費用を安くする制度について
介護施設の入居にかかる費用が高額になった場合、介護費用を安くする制度が利用できないか確認してみましょう。要件に当てはまれば、介護費用が払い戻しまたは減額される制度がいくつかあります。
特定入所者介護サービス費(公的施設)
「特定入所者介護サービス費」とは低所得の方の介護費用負担を軽減する制度です。
介護にかかる費用は介護保険から給付されますが、介護保険施設の居住費や食費は、全額自己負担で保険給付の対象外です。しかし、所得の低い方は申請すれば費用が支給されます。
特定入所者介護サービス費には、所得によって4段階に分けられた負担限度額が設けられており、市町村に申請し負担限度額認定証を受ける必要があります。
高額介護サービス費制度
「高額介護サービス費制度」とは、介護サービス費として支払った介護費用の負担額を減免する制度です。
高額介護サービス費も対象者の条件が4段階に分けられ、段階ごとに負担限度額が設けられています。1ヶ月の合計が限度額を超えた場合、申請をすると超えた額が戻ってくる仕組みです。
高額介護合算療養費制度
「高額介護合算療養制度」は介護保険と医療保険の自己負担額が多くなったときに払い戻ししてもらえる制度です。
高額介護合算療養費制度を利用するには、いくつかの条件が所得や年齢などによって設定されています。1年間にかかった自己負担額を合計し、限度額を超えた場合に申請すると、高額医療合算介護サービス費が支給されます。
申請の窓口は加入している医療保険です。国民健康保険や後期高齢者医療制度の場合は自治体からお知らせが届きますが、会社の健康保険に加入している方にはお知らせ届きませんので注意して手続きしましょう。
医療費控除
医療費控除とは、確定申告のときに支払った医療費の所得控除が受けられる制度です。
介護保険サービスの中でも医療系のサービスを利用した場合や、医療系サービスと併用することで控除対象となる介護サービスがあります。
また、おむつを使用している方はかかりつけ医に「おむつ使用証明書」を発行してもらうと、医療費控除が受けられます。
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年金だけでも入居できる介護施設はある?
年金額によりますが、年金だけで介護施設入居に入居することは可能です。
ただし、年金だけで入居するとなれば施設の選択肢は狭くなります。費用を安く抑えるには、公的施設を選択するのは必須となるでしょう。年金額は厚生年金か国民年金かによっても異なりますが、月額数万円〜20万円程度給付される場合が一般的です。
民間施設などでは入居金が必要な施設が多く、月額の利用料も10万〜30万を超える施設がほとんどで年金で支払い続けるのが難しくなります。特別養護老人ホームであれば、入居金が無料で月額利用料の平均は5〜15万円程度です。要件に当てはまっている場合は、年金だけで入居できるでしょう。
しかし、老人ホームで生活する上での月額にかかる費用には、医療費や日用品などの費用も別に必要になることも忘れてはいけません。ぎりぎりの生活では不安なので余裕を持った計画が必要です。
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数ある介護施設を比較し、費用の安い施設選びを
この記事では、安い費用で入居できる老人ホームや介護費用を安くする制度について解説しました。老人ホームには様々な料金形態やサービス形態があります。
費用の安い施設にはメリットもデメリットもあります。数ある介護施設を情報収集の上、比較することが大切です。本人や家族でしっかり相談してベストな施設選びをしましょう。
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