目標が思いつかない…介護職の個人目標の立て方は?キャリア別で解説!

#スキルアップ#介護

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目次

介護の目標を立てる時に使う自己評価シートとは?

介護職として、自分がどのように成長やスキルアップをしていきたいか。
それを具体化するために、個人目標の設定を行うことが大切です。

そして、その個人目標を評価するためのツールとして、「自己評価シート」を使用します。
自己評価シートを用いて、個人目標を評価する目的は大きく分けて3つあります。

仕事に対する意欲向上・モチベーションの維持

実際の介護現場での業務は、同じ作業の繰り返しが多いです。決められた時間に決められた作業内容をこなすことで精一杯。
本当に自分が立てた目標を達成できているか、ふと不安を感じる時もあります。

そういった時に、自己評価シートを用いて客観的に目標の達成度を評価しましょう。
日頃の自分の頑張りや成長が目視でき、モチベーションアップが期待できます。

また、今後の改善点や課題、自分の強みにも気づけます。
目標の評価を行うことで、自分の仕事に自信が持てると同時に、よりよいサービスの提供を目指すことができるのです。

介護職としての成長・スキルアップ

ただ漠然と、教わった介護業務を淡々とこなすだけでは自己成長につながりません。

また、設定した個人目標が毎度同じような内容では、目標の設定と評価を繰り返すだけで、自己成長には全くつながらないのです。

勤務年数や現在のスキルに応じて、個人目標の内容もしっかり変えていきましょう。現在のことばかりに着目せず、将来身につけたいスキルや資格も考えることが大切です。

目標や達成状況、今後の課題を客観的に分析し、自己成長やスキルアップにつながる新しい目標設定を行うことで将来のスキルアップが実現します。

数年後の将来に向けたキャリアの構築

数年後、自分自身がどんな資格を取得し、どんな職種にキャリアアップしているか。

ケアマネジャーやサービス提供責任者へのキャリアアップ。もしくは、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格取得。

数年後の理想のキャリアアップを考えておくことで、目標設定が具体化します。

自己の理想のキャリアアップに向け、現状が進歩しているか。自己評価シートでしっかり確認することで、理想のキャリアが実現します。

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これはNG!良くない目標設定

介護職の目標設定には、将来のスキルアップやキャリアプランの実現という長期目標の達成につながる内容を心がけることが大切です。

間違った目標の立て方をしてしまうと、自己成長につながりません。

以下は良くない目標設定の具体例です。自分自身が以下のような目標の立て方をしていないか、しっかり見直しましょう。

①目標が思いつかないからと諦める

「目標が思いつかないなら、無理して目標を立てても意味がない」
「適当に、絶対達成できるような目標を立てよう」

このような考えで、目標を設定する前に諦め、安易な目標を設定するのはNGです。
目標設定の段階でつまずいてしまうと、介護の仕事に対するモチベーションが続きません。

②毎日のルーティンに安定してしまう

目の前の業務を覚えることやこなすことに精一杯になっていませんか?

「決められた時間内に水分提供、記録、食事介助を終わらせる」というごく当たり前の目標を設定するのはNGです。

毎日同じ業務をくり返しこにしているだけでは、自己成長につながりません。

③欲張って短期間で数多い目標を設定する

「利用者とコミュニケーションを図り、信頼関係を構築する」
「食事・入浴・排泄などの介助方法を習得し、介護現場で実践てきるようになる」
「利用者に関わる関連職種への理解を深め、多職種連携を図る」

これらの目標を介護職になって1ヶ月未満で達成する。欲張って短期間で数多くの目標を詰め込んでも、達成できません。モチベーション低下につながってしまうので、欲張ることは避けましょう。

④高度な目標を設定したが、実現が難しい

「利用者個々の身体状況・健康管理について把握し、個々に応じたケアを行う」という目標を設定したものの、実際に業務に入ると実現が難しかった。

実際は利用者とのコミュニケーションを図ることや基本業務を覚えることで精一杯。
健康管理については、看護師が把握しているため、看護師に質問しないと分からない。

入社後すぐ、このように高度な目標を達成しても実現できるとは限りません。無理な目標設定をすると、無力感を感じてモチベーションが下がってしまいます。

⑤先輩や上司の指示で目標を設定する

入社後、先輩や上司に「個人目標を設定してみて」と言われたからとりあえず書いた。

このように、主体性がない目標は設定しただけになり、実際には達成しません。必ず個人目標は自分の意思でしっかり考えて書くようにしましょう。

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介護職が目指すキャリアアップモデル

個人目標が思いつかない場合、まずは数年後のキャリアアップモデルを考えてみましょう。

介護職には勤務年数やスキルに応じた資格が数多くあります。
まずは資格の取得を長期目標として定め、そのためにはどんな短期目標を立てれば良いのか考えることがオススメです。

具体的には、以下のような資格取得を長期目標として定めることをオススメします。

①介護職員初任者研修

厚生労働省が認定している公的資格で、介護の基礎が習得できます。
資格を取得するには、通学もしくは通信で合計130時間の演習を受講する必要があります。

無資格・未経験で介護の仕事を始めた方にオススメの資格です。

②実務者研修

介護職員初任者研修よりも、幅広い介護知識と実践的な介護技術が習得できます。介護福祉士国家資格の受験時にも必須となる資格です。

無資格で介護の仕事を始め、介護福祉士取得を目指している方にオススメの資格です。

③介護福祉士

数ある介護資格の中で唯一の国家資格です。一定の介護知識・技術を習得していることが証明できます。
介護福祉士の受験には、実務者研修を修了し、3年以上の実務経験が必要です。

介護職としての勤務歴3年を迎えた方にオススメの資格です。

④認定介護福祉士

介護福祉士の上級資格です。介護職員の人材育成や多職種連携、家族介護者の助言などの役割を担います。

認定介護福祉士の受験には、介護福祉士資格取得後、5年以上の実務経験が必要です。

介護職としての勤務歴10年を迎えた方にオススメの資格です。

⑤介護支援専門員

ケアマネジャーとも呼ばれ、居宅介護支援事業所や介護施設に必置されている職種です。介護を必要とする高齢者と介護保険サービスの橋渡し役を担います。

また、介護サービス利用後も利用者の状況を適宜確認し、ケアプランの見直しを行います。

介護職としての勤務歴5年を迎えた方にオススメの資格です。

⑥生活相談員

利用者やそのご家族からの相談や苦情への対応、利用者のサービス利用に関する手続き、多職種連携や他機関への連絡を担う職種です。

生活相談員になるための条件は各自治体によって異なるため、各自治体に確認しましょう。

介護職としての勤務歴5年を迎えた方にオススメの職種です。

⑦サービス提供責任者

訪問介護事業所にて、ケアマネジャーが立てたケアプラン通りに介護サービス提供できているかの確認を行い、訪問介護員との連携を図る職種です。

介護福祉士資格取得・介護職員初任者研修終了・実務者研修終了・実務経験3年以上
これらの条件を満たしている者であれば、サービス提供責任者になれます。

⑧介護事務

介護報酬請求業務、電話や来客の対応、労務管理を担います。

資格は不要ですが、介護保険制度に関する幅広い知識が必要とされる職種です。
介護事務管理士の資格を取得すれば、レセプト作成スキルが証明できます。

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なぜルーティンが中心の介護職で個人目標を設定するの?

介護の仕事は「朝10時から入浴介助をする」「昼前には利用者をフロアに誘導する」
という感じで、業務がルーティン化してしまいがちです。
流れ作業をこなすだけになってしまうと、スキルや技術の向上ができません。
ルーティン化しやすい業務内容だからこそ、介護職としてのスキルアップのために個人目標の設定が重要なのです。

介護職の目標設定にはどんな目的があるの?

介護職の目標設定には大きく分けて、以下の3つの目的があります。

  • 仕事に対するモチベーションの向上
  • 業務の効率化、スキルアップを目指せる
  • 将来の具体的なキャリアプランが見えてくる

明確な目標があると、そこに向かって頑張ろうと、仕事への意識が高まります。
また、目標設定を行うと「自分が行うべきこと」「自分の課題、克服点」が明確化するため、効率よく業務をこなせるようになります。
着実な問題改善により、自身のスキルアップや段階的なキャリアプランの構築が目指せます。

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目標はどうやって立てるの?

「目標設定をしたいけど、どんなことを書けば良いの?」
「目標を設定したけど、今の目標は自分にとって適切なのかな?」
そんな悩みを感じた時には、ベーシック法での目標設定を参考にするのがおすすめです。

「ベーシック法」とは、最も基礎的な目標設定のフレームワークです。以下の4つの切り口から目標の設定を行います。

  1. 目標項目
  2. 達成水準
  3. 期限
  4. 達成計画

ベーシック法での「目標項目」の設定方法

「目標項目」とは、何を達成するのかということで、以下の4つのタイプがあります。
また、4つのタイプそれぞれに沿った目標の具体例も紹介します。

(1)向上:現状からレベルアップを目指すための目標
例)実務者研修を修了したので、介護福祉士を目指し書籍を購入して勉強する。

(2)改善:現状の問題点を改善、解決するための目標
例)認知症の方の言動に戸惑って先輩に助けを求めることが多いため、認知症に関する知識を深める。

(3)維持:現在取り組んでいることの継続、維持に繋がる目標
例)ケアマネジャー取得のための勉強を1日1時間行っているが、受験日まで継続する。

(4)創出:今までにない新たなことを生み出し、挑戦するための目標
例)今までは職場の勉強会にしか参加していなかったが、今後は社外での研修や勉強会にも参加する。

ベーシック法での「達成基準」と「期限」の設定方法

「達成基準」とは、どうなればその目標を達成したかを判断する指標です。
達成したかどうかを明確にするため、目標は具体的な数値や状態で示します。

例)「介護福祉士の模擬試験で80点以上とる」
「ケアマネジャーの参考書を毎日10ページずつ読み進める」

また、いつまでに何を達成するのかという「期限」を設定します。
1年間、半年、四半期、もしくは「〇年〇月まで」と、より具体的に決めましょう。

例)「来年中に介護福祉士の国家資格を取得する」
「今年の10月までにケアマネジャーの参考書を読み終える」

ベーシック法での「達成計画」の設定方法

「達成計画」とは、目標の設定後、定めた目標の具体化を行い、実行へのプロセスを明確にしたアクションプランです。

例)「社会福祉士国家資格に合格する」という長期目標がある。
「今年10月までに社会福祉士の参考書を読み終える」

「来年1月までに社会福祉士の問題集を解き終える」

「来年3月の試験までは毎日予習問題に取り組む」

このように、目標を達成するために必要なことを順序立てて計画します。

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個人目標はきちんと評価する!

個人目標は、設定後適宜達成できているか確認、評価することが重要です。
目標が計画通り行われているか、自己評価することでモチベーションの維持に繋がります。
客観的な視点での評価は、問題の改善においても大事なことです。
また、個人目標の達成度を確認するツールとして、「自己評価シート」を用いることをおすすめします。

個人目標を評価する目的って何?

目標の設定目的である「モチベーションの向上」「スキルアップ」「キャリア構築」
評価を行うことで、進捗状況や自分の成長が可視化でき、目的への実現に近づきます。

介護の仕事に慣れてくると、介護職は仕事を流れ作業のようにこなしてしまいがちです。
評価を行うことでそういった問題が改善でき、介護サービスの向上に繋がります。
また、評価を行うことで自分の強みを発見でき、自分に自信が持てるようになります。

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目標はどんな内容で設定する?~駆け出し編~

介護の仕事を始めて1〜3年の駆け出し介護職の人は、仕事に慣れることが最優先です。
そのため、設定する目標は「介護の基礎を学ぶこと」を大事にしましょう。
いきなり高い目標を設定すると挫折しやすくなり、モチベーションを損ねてしまいます。

1~3年目介護職の目標の具体例

「3ヶ月以内に利用者の方の顔と名前を覚え、趣味や既往症、家族構成を把握する」
「問題点を見つけた時には、後回しにせずその日のうちに関連者への報連相を行う」
「1日に最低でも1回は業務の合間に利用者の方とのコミュニケーションタイムを作る」
「〇月〇日から実務者研修の取得に向けて研修を初め、研修最終日の〇月〇日に実務者研修を修了する」

1~3年目介護職の目標におすすめの資格

  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修

介護の基礎知識を習得でき、介護福祉士国家資格の受験に必須となる資格です。

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目標はどんな内容で設定する?~業務に慣れてきたら~

勤続年数が3年以上になると、基本的な介護スキルは身についています。
そのため、3〜5年目は中堅になることを目指し、スキルアップに力を入れましょう。
研修や勉強会への参加を行い、積極的に専門的な知識を取り入れることが必要です。

3~5年目介護職の目標の具体例

「月に1回は自分でレクリエーションを企画し、実行する」
「月に一度、他職種連携会議を開き、他の職種との連携を図りながら利用者への適切なケアを実施する」
「介護福祉士国家試験の半年前にあたる〇月〇日から1日最低2時間は問題集を解き、
最初の1ヶ月で問題集の〇〇の部分まで終わらせる」

3~5年目介護職の目標におすすめの資格

  • 介護福祉士
  • 社会福祉士

国家資格の取得を通じ、「介護のプロ」という自覚が持てます。

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目標はどんな内容で設定する?~中堅になってきたら~

勤続年数5〜10年の中堅になると、後輩指導、人材育成の目標が加わります。
介護職の人手不足に歯止めをかけるためにも、中堅介護職の後輩指導スキルは重要視されます。

5~10年目介護職の目標の具体例

「3ヶ月以内に現在の指導内容を見直し、新たに人材育成マニュアルを作成する」
「ヒヤリハットを月に50件まとめて対応マニュアルを作成する」

5~10年目介護職の目標におすすめの資格

  • ケアマネジャー
  • サービス提供責任者

難関資格の取得へのチャレンジで、自身のキャリアアップを目指しましょう。

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目標はどんな内容で設定する?~管理者になったら~

勤続年数10年以上のベテランになると、管理職を任されるようになります。
人材育成や管理職候補の育成など、求められる役割が増えていきます。
介護現場のリーダーのみならず、施設長や責任者になることも。
また、介護スキルだけでなくマネジメントスキルや経営に関する知識も必要になるため、さらなる知識の研鑽が必要になります。

10年以上、ベテラン介護職の目標の具体例

「離職率が前年比で〇%増加していたため、残業を減らすなどの業務改善を図り、〇%まで離職率を下げる」
「外部研修に2ヶ月に1回参加し、施設の経営状況の把握を進めて経費の削減を図る」

10年以上、ベテラン介護職の目標におすすめの資格

  • 認定介護福祉士
  • 主任ケアマネジャー

責任者の立場で介護サービスの提供を行うために、必要な資格取得を目指しましょう。

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書き続けたら目標が思いつかなくなった

「自分のキャリアに応じた目標を書き続けたが、最終的に目標が思いつかなくなった」
そんな悩みを感じた時、まずは自分の課題点を明確にすることが大事です。
仕事での失敗経験や自分の苦手を思い返すことで、克服に繋がる目標設定が実現します。

例)「利用者とのコミュニケーションが苦手」という弱点を克服する場合。
自分の苦手をベースに、自分の理想像を展開し、徐々に具体化していく。

「1日3回以上、利用者とのコミュニケーションタイムを作る」
このような具体的な行動を考え、実行に移し、自己評価を行う。

「無理に喋るよりも、1日1回利用者と折り紙を折る時間を作る方が良いな」
そういった試行錯誤を繰り返すことで、目標が定着化します。

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しっかりと目標を立ててキャリアを積んでいく

個人目標の設定は、いきなり無理な計画を立てないことが大事です。
達成できないような高度な目標を並べるのではなく、自分のペースに合わせた目標を設定し、1つ1つ着実に目標を達成していくことがスキル向上に繋がります。

自分が理想とする介護職になるためには、現実的で的確な目標設定が必要です。しっかりと目標を持つことで、介護職としてのキャリアアップを目指しましょう!

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