トイレの悩みを解決!便利な福祉用具「ポータブルトイレ」を知っていますか?
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目次
ポータブルトイレとは?
ポータブルトイレは、簡易に設置・持ち運びが可能な介護用トイレのことです。怪我や障害、疾病などによって、これまでのようにトイレでの排泄が難しい方が利用します。
普段長い時間を過ごす居室や寝室からトイレまでの距離が長い場合は、移動が大変です。トイレまでの移動に時間がかかり、排泄が間に合わない方のお部屋に設置すれば安心して過ごせます。
怪我をされている方やターミナル期など、体調により一時的に使用する場合や、脚力が低下したため長期的に使用される場合など、使用期間はさまざまです。
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購入方法は?介護保険の適用は可能?
ポータブルトイレは、福祉用具の販売を行う店舗またはインターネットなどで購入可能です。最近では、ホームセンターなどの介護用品売り場でも簡単なポータブルトイレが販売されています。
また、ポータブルトイレの購入は介護保険が適用されます。介護認定を受けている方は、金銭面の負担を軽減させるためにも、介護保険で購入できるポータブルトイレを検討するのがおすすめです。
ここからは介護保険で購入する方法をみていきましょう。
ポータブルトイレは介護保険の「特定福祉用具販売」の対象になる
ポータブルトイレは介護保険でのレンタルはできません。入浴や排泄で使用するような、衛生的にレンタルになじまないものは購入の対象です。
介護保険を使って購入できる特定福祉用具の5種類には「腰掛け便座」が含まれており、これにポータブルトイレが該当します。
介護保険を利用してポータブルトイレを購入する際は、購入価格の1割〜3割の負担で購入でき、残りは国が負担してくれます。本人が支払う負担金額の割合は「負担割合証」で確認することが可能です。
購入できるの金額の範囲は、毎年4月から翌年3月の間に10万円までが上限です。10万円を超えた額は自己負担になります。また、介護保険の対象になるのは、指定介護事業者に登録されている事業所から購入したポータブルトイレです。どこで購入しても良いわけではないので注意してください。
介護保険を利用してポータブルトイレを購入する方法
介護保険を利用してポータブルトイレを購入したい場合は、まずケアマネジャーに相談しましょう。介護のプロにアドバイスしてもらいながら、商品を選定するのがおすすめです。対象外の製品もあるため、しっかり相談して決めましょう。
介護保険での支払い方法は、基本的にポータブルトイレの購入費を本人がいったん全額を支払った後に、7割〜9割が払い戻される方法です。購入後に市区町村の窓口へ「福祉用具購入費支給申請書」と「領収書」「対象商品の名前、型番などがわかるパンフレット」などの必要な書類を提出し、審査が通れば口座に還付金が振り込まれます。
地域によっては、購入者が1〜3割の自己負担分のみを業者に支払う方法に対応しています。
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ポータブルトイレの種類
ポータブルトイレは、大きく分けて以下の4種類があります。
- プラスチック製標準型
- 木製いす型
- 金属製コモード型
- スチール製ベッドサイド設置型
それぞれのポータブルトイレの特徴について詳しくみていきましょう。
1.プラスチック製標準型
プラスチック標準型のポータブルトイレは、プラスチックでできているので軽量で持ち運びやすい特徴があります。トイレを設置するときや、移動させたいときなどにも簡単に行えます。シンプルな形状のためお手入れがしやすいのもメリットです。
ただし、軽量なためやや不安定に感じる場合があります。立位や座位が安定しない方は、ポータブルトイレに座る際にぐらついてしまわないか注意が必要です。シンプルな設計なので、ひじ掛けがついていないタイプもあります。ご利用される方の身体状況に合わせて選択しましょう。
他のポータブルトイレに比べて安価で購入でき、扱いやすいため気軽に導入できるポータブルトイレです。
2.木製いす型
木製いす型は、家具調とも呼ばれるポータブルトイレで、家具のような重厚感があります。背もたれやひじ掛けがついているタイプが多く、どっしりと安定しているので、立ち座りや移動が安定しない方も安心して使用できます。
また、見た目も他のポータブルトイレと違い木製なので、お部屋に馴染む落ち着いたデザインです。ふたを閉じておけば、いすとしての使用もできます。
デメリットは、ずっしりしているので移動させたいときに動かしにくい点です。値段も比較的高価になります。また、木製はニオイが染み付きやすいため、こまめなお手入れが必要です。
3.金属製コモード型
金属製コモード型のポータブルトイレとは、アルミなどの金属製のフレームにバケツが付いたタイプのポータブルトイレです。
軽量ですが、脚部の基底面が広いので比較的安定感があります。座面の高さ調整が簡単にできるタイプが多いので、体格に合わせて調整が可能です。バケツを外すとシャワーチェアとして利用できるタイプもあります。
デメリットといえば、いかにもトイレとわかりやすいデザインでしょうか。見た目が気になる方には向いていないかもしれません。しかし、シンプルなデザインでお手入れもしやすく、お体の状況に合わせて利用できるため、機能性を重視したい方にはおすすめのポータブルトイレです。
4.スチール製ベッドサイド設置型
スチール製ベッドサイド設置のポータブルトイレは、ベッドサイドから移乗することを前提に作られたトイレです。
座面の高さが変えられるので、ベッドと同じ高さに調節すれば最小限の動きで移動できます。ひじ掛けも調節できるので、移乗の妨げになりません。
重量があるため安定しているのがメリットですが、反面トイレを移動させにくいのがデメリットにもなります。
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ポータブルトイレの選び方は?
ポータブルトイレを選ぶときは、介護福祉士や看護師、ケアマネジャーに相談すると、普段の身体状況や生活環境を踏まえたうえで選定してくれます。
また、製品のことを詳しく理解している、販売店の方にも相談しておくと安心です。ポータブルトイレの選択には、メリットとデメリットの比較が重要です。購入にあたって情報収集をしてみてください。
ポータブルトイレを選択する際のチェックポイントは以下の通りです。
- 体格や身体状況に合うか
- どこに設置するのか
- 必要な機能がついているか
- 値段は適当か
体格や身体状況に合うか
ポータブルトイレを安全に使用するために、体格や身体状況に合うかは重要なチェックポイントです。
身長や体格にあった座面やひじ掛けの高さ、便座の大きさのポータブルトイレを選びましょう。座面やひじ掛けは高さ調節ができるものであれば便利です。
移動が安定しない方は軽量で不安定なタイプのポータブルトイレでは、転倒のリスクがあるので注意が必要です。座位が安定しない方はひじ掛けや背もたれが安定しているものを選びます。
頻繁に使用するものなので、安全にストレスなく使用できるものにしましょう。
どこに設置するのか
ポータブルトイレを設置する場所には十分なスペースが必要です。ご本人が利用しやすい場所に設置するのはもちろん、介護者が介護しやすいスペースが確保できるかも確認しましょう。状況によっては居室全体のレイアウト変更が必要になるかもしれません。
ベッドサイドに設置する場合は、ベッドからの移乗のしやすさなども考慮します。また、プライバシーが配慮できるかも確認が必要です。周囲から見えやすい場所ではないかを確認し、必要であればカーテンやパーティションの設置を検討しましょう。
必要な機能がついているか
ポータブルトイレは年々進化しており、最低限の機能以外にもさまざまな便利機能がついたものが登場しています。
- 暖房便座
- ソフト便座
- シャワー洗浄付き
- 脱臭機能
- 折りたたみタイプ
- キャスター付き
- ひじ掛けの自動調節
必要な機能があれば、ご本人の状況や予算に応じて検討してみるのもよいでしょう。
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在宅介護にオススメのポータブルトイレ3選
ここからは、インターネットで気軽に購入できる在宅介護におすすめのポータブルトイレをご紹介します。インターネットで注文した場合は、ショップによっては無料で配送してもらえるので便利です。
1.アイリスオーヤマ ポータブルトイレ
アイリスオオヤマといえば、日用品、家電製品、家具など幅広い商品を扱う有名企業です。最近では、トイレや入浴、食事の介護をサポートする介護用品も展開しています。
こちらのポータブルトイレは、シンプルなデザインのポータブルトイレでお値段も手頃です。抗菌加工済みで衛生的。シンプルなのにトイレットペーパーホルダー付きなのも便利です。
2.アロン化成 安寿 家具調トイレ
こちらのポータブルトイレを販売している「アロン化成」というメーカーは「安寿」というブランドで、介護保険が適用される福祉用具を数多く展開している企業です。
家具調のトイレは天然木で製造されているので、落ち着いたカラーでお部屋に置いても目立たず気になりません。全体の幅が48cmと、他の家具調ポータブルトイレに比べるとコンパクトなサイズです。
3.iimono117 ポータブルトイレ
取り外し可能な手すりがついているので、ベッドの横に設置しても楽に移動ができるポータブルトイレです。座席の高さは42〜55㎝の6段階に調節できるので、それぞれの体型に合わせて使用できます。手すりはしっかり握れる太めの設計で、滑り止め加工もされているので安心です。
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ポータブルトイレを活用するメリット
ポータブルトイレを活用するメリットは排泄の動作が自立できることです。トイレまで行くのが難しい方でも、オムツでの排泄をしなくてすみます。
トイレまでの移動が困難な方であれば、ポータブルトイレをベッドなどの近くにあらかじめ設置しておくことで、尿意・便意を感じたらすぐに使用ができます。
オムツや尿取りパッドの中での排泄は、QOLを下げてしまったり、力みにくいために便秘につながってしまったりするため、トイレに座っての排泄は非常に重要です。
ポータブルトイレを設置することによって、できるかぎりトイレに座って排泄ができる環境を作ることが、尊厳を守ることや自立支援につながります。
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使い方・処理方法は?
ここからは、ポータブルトイレの使用方法、処理方法を解説します。
ポータブルトイレの設置場所
ポータブルトイレは、長い時間を過ごす居室内に設置しておくのが一般的です。尿意・便意をもよおしてから、排泄が間に合うような距離に設置しましょう。
ポータブルトイレの下には、ポータブルトイレ用の防水マットを使用するのがおすすめです。マットを敷いておけば、汚れてしまったときの処理が楽になります。床やじゅうたんが汚染してしまうと、臭いが残ってしまう原因になってしまいます。防水マットをこまめに交換し清潔を保つようにしましょう。
また、介護用のポータブルトイレ用マットは、転倒予防の効果もあります。足を滑らせたり、ポータブルトイレそのものが動いてしまわないように滑り止め効果のあるものを選びましょう。
排泄介助の方法
ポータブルトイレを居室のベッドサイドに設置している場合は、まずベッドの端に腰をかけてもらいます。しっかりと足がついているのを確認し、立ち上がってもらったあとポータブルトイレにお尻を向けるように回転してもらいましょう。ズボンと下着をおろし、ゆっくりとポータブルトイレに腰を下ろします。
座位が安定している方であれば、介護者はその場を離れて、排泄が終わった頃に声をかけてもらうと良いでしょう。介助や見守りが必要な方の場合はその場を離れずに最後まで安全を確保することが大切です。排泄が終わったら清拭し、パンツやパッドが汚れていた場合は交換します。
ポータブルトイレへの介助の方法は、その方のお体の状況によって大きく異なります。手すりを持って立ち上がれる、ズボンや下着を着脱できる、清拭ができるなど、ご自身でできることがある場合はなるべく任せ、自立支援することが大切です。
介助者が実施した方が早いと思っても、排泄という行為は非常にデリケートなものです。たとえ家族であっても手を出しすぎず、できるだけ本人に任せるようにしましょう。
ポータブルトイレ使用後の処理方法
排泄後は、バケツに溜まった排泄物をトイレに流し、バケツもトイレ用のブラシと洗剤で洗います。こまめに洗浄しないと、臭いの原因になってしまいます。排泄物は時間が経過するほど臭いが強くなってしまうため、処理はできる限り早く行うようにしましょう。
ポータブルトイレの中に、あらかじめ水を張っておくと処理が楽になります。トイレットペーパーを敷いておくのも、便が直接バケツに付着するのを防ぐためおすすめです。ポータブルトイレ用の消臭剤なども販売されているので利用すると良いでしょう。
プライバシーへの配慮が必要
排泄介助や排泄物の処理をする際には、ご本人のプライバシーへの配慮が必要です。
ポータブルトイレは、通常の個室トイレと異なり、他の人の視線を遮る必要があります。誰でもすぐに入って来られてしまう心配があると、安心して排泄できません。
ポータブルトイレを使用する際には部屋の鍵をかける、部屋の外にいる人に使用中であることが分かるようプレートをかけるなどの工夫が必要です。また、使用中には、腰回りにタオルをかけるなどして、羞恥心にも配慮しましょう。
介護者に排泄物の処理をさせてしまうことに、罪悪感を覚えてしまう方もいます。その結果、排泄の回数を減らすために水分の摂取を控えてしまうケースもよくあることです。排泄が滞ると、身体への悪影響を及ぼします。持病の悪化や熱中症につながる恐れもあるため、心理的変化についても注意が必要です。
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心身機能や用途に合わせて快適に利用しましょう
ポータブルトイレは、自身でトイレ排泄することを助ける福祉用具です。足腰が弱くなっても、自身で排泄できることは、自尊心を維持する上でとても重要です。
トイレが間に合わなくなってしまったからパッドを使おう、オムツにしよう、ベッド上で交換しようとするのではなく、可能な限りトイレでの排泄ができるように自立支援をしなけれなりません。
排泄は日常で何度もある動作なため、自身にとっても介助者にとっても負担感の大きい介護の一つです。お互いの生活を維持し、快適に過ごすためにも、状況にあったポータブルトイレの使用を検討してみてください。
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