介護職の転職理由最上位?面倒な人間関係の悩みについて解説します

なぜ、介護現場の人間関係は悪化しがちなの?

介護の仕事は対人援助職であり、「高齢者の暮らしを支えたい」と志し入職する方がほとんどです。そうした方々が集まっているのに、なぜ人間関係が悪化してしまうのでしょうか。

介護現場の悪い人間関係の例

例えば、まだ仕事に十分に慣れておらず手際が悪い新人を罵倒するベテランスタッフ。気に入らないスタッフに辛くあたる利用者。無理な残業を依頼する管理者など、介護現場の悪い人間関係の例は様々です。

介護現場で人間関係が悪くなる理由は?

職場の人間関係の悩みは、介護現場に限らないことですが、介護現場での人間関係悪化には、介護現場特有の環境要因が深くかかわっています。

まず、「介護現場の深刻な人手不足」が挙げられます。高齢者に伴い要介護者は増加していますが、介護職の人数は圧倒的に不足している状況が続きています。人手不足の場合、利用者の生活を24時間支援する職務上、シフトが組みにくくなり、夜勤や連勤、残業が続くなど無理な労働によって心身ともに疲弊してしまいます。特に現状では、感染症流行下であり、罹患した職員がいるとその分をカバーする必要があるため、ハードワークが強いられている施設が多くあります。

次に、「人手不足により1人当たりの業務分担が多い」ことが挙げられます。近年では感染症対策のため、ガウンや手袋・マスクの装着やアルコール消毒、こまめな清掃など、平時にプラスされる業務が増えています。それでなくても、時間通りにケアが終わらず残業がある状況が多いため、負担感が増していると言えるでしょう。

また、日常のケアの他にも、イベントの企画準備や、担当利用者の備品管理などを担当していることが多く、負担が大きいと言えます。業務になれたスタッフは、比較的時間が使える夜勤の際に事務仕事を行う場合がありますが、慣れていない新人スタッフやターミナルの利用者がいる場合にはそういった対応が難しいでしょう。

また、「ストレスが溜まりやすく、新人などの立場が弱い人に発散してしまう」ことも要因の1つです。介護は感情労働と言って、自分の感情を抑えてサービス提供を行うことが求められる仕事です。認知症を持つ高齢者の対応や、自分勝手な利用者のケアを日々するのはストレスが溜まります。他のサービス業と異なり、生活を支える性格上長期間付き合っていく必要があります。そういったストレスを抱えやすく、新しく入職して不慣れな新人や、指示出しが必要な派遣スタッフ、受け答えが優しい穏やかなスタッフに当たってしまうパターンが多く見受けられます。

具体的には、わざと具体的な指示出しをしない・休憩室で一方的に利用者の悪口を話す・不条理な文句を言うなどです。利用者はサービス提供対象であるものの、時に「立場が弱い人」としてターゲットになりうるため、最悪の場合虐待が発生してしまいます。虐待には、身体的なものはもちろん、精神的虐待・経済的虐待があり、職員による心無い言葉や態度は利用者を深く傷つけます。万が一そうした状況を見聞きしたり、兆候が見られたりした場合には、管理者や会社の窓口、自治体の相談先などに速やかに連絡しましょう。

また、「スタッフのシフトが合いづらく、職場外のコミュニケーションが取りづらい」ことも挙げられます。他の業界と異なり一斉の定時退社がないため、退社後に食事に行くなどのコミュニケーションの時間が取りづらいです。普段あまりコミュニケーションを取る時間なくとも、飲み会の際に互いのことが分かり、親睦が深まったという経験は誰しもあるかと思います。普段あまりよい印象を持っていない相手でも、家庭の様子が分かるとこれまで見えていなかったその人の一面が見え、距離が縮まることがありますが、そうした機会が作りにくい状況にあります。

人間関係の悪化は介護職の離職率へ直結してしまう

上記で挙げたように、人間関係が悪くなる環境要因は多く、すぐに改善できるものではありません。また、大勢いるスタッフの中に、倫理観が欠如した者が入り込んでしまった場合は特に、修復が困難となります。そうした職場は仕事がしづらいため、離職率が高くなる傾向にあります。

人間関係の悪さを改善する方法・コツ

人間関係を改善したい場合、まず相手がどのように考えて行動しているのか考えることが大切です。なかなか相手の思いを想像することは難しいですが、自身がそうであるように、相手もまた自身の考えるルールに則って行動しています。

また、「自分はこのように思っている、よい関係を築いていきたい」と機会を見て伝えてみるのもよいでしょう。話してみると、互いに勘違いしていることや思いもよらず相手にしてしまっていたことが分かり、和解に繋がる可能性があります。もし管理者が信頼でき、中立に仲を取り持ってもらえそうであれば、相談してみるのもよいかもしれません。

介護の在り方においては、所謂「正解」が目に見えにくいです。介護観の違いによる対立である場合は、建設的な話し合いができれば、互いの考えを深め合える機会にあります。感情的にならずあくまで理性的であることを心がけ、対話してみるとよいかもしれません。

改善が期待できない場合、転職を

自身が人間関係を改善しようとしても、改善に向かわない場合もあります。建設的な行動を心がけていても、誠実に対応することが、めんどくさいと感じてしまうかもしれません。こういった不毛な悩みを続けるのは辛いものです。そうした場合には、転職を検討しましょう。

介護現場は無数にあり、どこも人手不足です。人間関係の悩みは、自身の努力ではどうしようもない問題ですので、見切りをつけてその場から去ることも選択肢の一つとなります。多忙な日々の中での転職活動は大変ですし、せっかく慣れた仕事をまた覚えなおさなくてはならず、億劫な気持ちになるかもしれません。しかし、一度身に付けた介護の基本はどの職場に行っても通用します。また、他の職場を知っていることで、新しく入職した場でその経験が重宝されることも多々あります。

人間関係が良い職場を見抜く方法・コツ

転職を検討したほうがよいと頭では思っていても、なかなか行動に移すにはハードルがありますよね。「転職しても状況が変わらないのでは」という大きな不安がつきまとっているかと思います。
確かに、どの職場にも色々な人がいて、入職してみないと分からないことはあります。ただ、介護現場はほかの業界に比べて、見学やボランティアなどで実際に現場体験がしやすいため、面接官の話だけではなく実際の内情を、入社前に観察しやすいメリットがあります。

人間関係に悩んでの転職であれば、数日現場体験をしていると、スタッフ間の連携を見て、「とても密に連携がとれている」「とても雰囲気がいい」など、感じ取れるものがあるかと思います。
逆に、「ちょっとした互いの声掛けもぎくしゃくとしていて、ボランティアへの扱いも雑だなあ…」などと感じた場合、その違和感はきっと正しいです。どの職場も基本的に多忙な環境ではありますが、その中に相手への思いやりが感じられるかは重要視してください。

しんどい時は無理に我慢をしないことが大切

人間関係に頭を悩ませていると、段々とプライベートの時間まで考えてしまい、勤務時間を苦痛に感じてしまいます。そういったストレスは非常に身体に悪いため、我慢は禁物です。
介護の仕事は、老人ホームなどの施設介護だけでなく、基本的に一人で行動する訪問介護など様々な種類があります。転職を機に自身の働き方を見つめなおし、気持ちよく働ける場所を探してみてはいかがでしょうか。