【世田谷区】訪問美容を仕事にするには?サービスを受けるためには?を解説します

需要が増える「訪問美容」ってどんな仕事?

歳を重ね、外出へのハードルが少しずつ高くなっていくシニアの方。これまで美容院には欠かさず通ってきた分、お手入れができなくなると悲しいですよね。そんな方に、利用をオススメしたいのが、「訪問美容」「訪問理美容」というサービスです。

訪問美容とは、主にご自宅に美容師が訪問し、美容室で受けるようなカットやシャンプーのサービスを受けることを言います。怪我や病気で外出が難しい方にとって、ご自宅でリフレッシュできるのは嬉しいですよね。高齢化に伴い交通の足がなくなったり、長い時間座っているのが辛くなったりと、思いがけずこれまでの習慣を続けることが難しい方はたくさんいて、年々需要が増えているそうです。

訪問美容を専門にしている美容室もあれば、普段はお店を構えていて、必要時に訪問をしている美容室もあります。(時折、レジにチラシが置いてあったり、外に「訪問美容もやってます!」などと看板を置いている美容室を見かけませんか?以前より、そういった美容室が増えているような気がします)

この記事では、そんな訪問美容サービスについて、解説します。ちなみに、市区町村によっては、訪問美容を、病気や障害を持った方が気軽に利用するための制度があります。今回は、世田谷区を例に紹介します。

訪問美容はどこで施術を受けられるのか

訪問美容のサービスは、ご自宅で通常の美容室のように、洗髪やカットをしてもらうことができます。また、有料老人ホームには理美容サービスが行える設備が整っている又は決まった日時に固定の理美容サービスが受けられる施設があります。

世田谷区では区の「訪問理美容券」が使える!

世田谷区では、寝たきり等で美容室に行くことが難しい方を対象し、訪問理美容サービスを気軽に利用できるよう、「訪問理美容券」を提供しています。利用条件を満たせば少ない負担金で利用することができます。利用条件は、世田谷区在住で、自宅でねたきり等のため理美容店に行き理美容を受けることができない、(1)65 歳以上で要介護3~5の方もしくは (2)身身体障害者手帳1・2級、愛の手帳1・2度の方が対象となっています。

※⑴の「要介護」とは、介護度の有無を測る「要介護・要支援認定」で審査された度合いのことをいいます。市区町村へ介護認定の申請を行い、調査員による聞き取り調査・医師の意見書をもとに、介護認定審査会により審査が行われる流れです。審査が終了するまで、約一か月所要時間かかかります。

※介護老人福祉施設、理美容サービスが行える有料老人ホームなどに居住している方は対象外です。そういった方々は、介護保険外サービスとして自費でお願いするかたちとなります。

今回は世田谷区を例に挙げましたが、お住まいの市区町村でも同様の制度がないか、ぜひ調べてみてください。インターネットで見つけられない時には、地域包括支援センターや区の高齢障害支援課など行政の窓口に問い合わせてみると、思いがけない制度が見つかるかもしれませんので、オススメです。

理美容×介護の知識を持つ「理美容福祉専門士」

高齢化に伴い需要の増加が見込まれる訪問理美容ですが、福祉の視点を持った「理美容福祉専門士」という資格があります。理美容福祉専門士は、理容、美容師免許取得者を対象に、在宅や施設に対する訪問理美容福祉サービス向上を目指す方を言います。

福祉の観点を持っているスタッフであれば、お客様も、自分の身体の調子を相談し、「首が痛くなりやすいのでシャンプーは短めにお願いしたい」「肩が上がらなくて頭の後ろの方がよくかけないので、念入りに洗って欲しい」など、気軽に要望を伝えることができます。福祉の知識を持っている理美容福祉専門士なら、そうした高齢者の身体の問題について理解しているので、お客様に気兼ねなく要望を伝えてもらえるように働きかけができますよね。そのためにも、訪問美容に携わる際には、福祉の知識をしっかりと身に付けておく必要があります。

理美容福祉専門士の講座では、施術の様子が分かるビデオ教材や実際の実技があります。

※理美容福祉専門士は、国家資格ではなく職業能力訓練です。講座を受けて修了証明書を取得するものになります。取得していないとなれないというものではありません。

世田谷区で訪問美容師として働くには

実際に働くためには、専門学校等を卒業して国家試験(筆記・実技)に合格する必要があり、訪問美容師は美容免許を、訪問理容師は理容免許を取得していれば働くことができます。ただ、障害のある方や高齢者を対象にサービス提供を行うため、対象とする方々がどういった困りごとを持っているのか、身体にどんな不自由さを抱えているのか十分に理解する必要があるでしょう。身体を扱う専門職であるため、福祉関連の知識やスキルを磨いてから、訪問美容師としてスタートするのが望ましいです。

介護に関する資格で比較的取得しやすいのは、「介護職員初任者研修」です。研修は、都道府県が指定する養成機関で開講されており、約130時間の講義を受けます。座学はもちろん、実技も行うので、お客様の身体に触れる前に、受講生同士が身体験し合い、よりお客様に安心して任せてもらえるような、理論に基づいた技術を身に付けることができます。また、身体について知ると、高齢や障害ならではのコミュニケーションの取り方・注意事項を知ることができます。特に高齢者は普段会話する相手が限られているため、息抜きとしての役割を果たすこともあります。あるいは、認知症の症状が現れるなどして、短時間で完了させることを優先しなくてはならない場面もあるため、手際の良さも重要です。

時には、介助者であるご家族も同席であることもしばしばあり、その時間を共にする方が、いい気持ちで過ごせるよう、プロとしてのふるまいが求められます。たいてい、定期的な利用になるため、少しずつ関係性を築いていくのがよいでしょう。

訪問美容の仕事を受けるためには

訪問美容は、地域包括支援センター職員や居宅介護支援事業所のケアマネジャーからの依頼があることも多く、開業した際には、それらの場所に営業活動をするとスムーズに依頼を受けられるでしょう。サービスとして選ばれるためには、福祉の知識があることをアピールし、快適に過ごせるような工夫をするなど、差別化できることがあるとよいです。訪問美容に限らず福祉サービスは、ケアマネジャーを介して口コミが広がりやすい傾向にあるため、最初の頃は、直接感想を教えてもらうなどして勉強するとよいかもしれません。

また、世田谷区の訪問理美容サービス(訪問理美容券)を使用してのサービス提供を行う際には、「訪問理美容サービス協力店」として名簿に登録する必要があります。詳しくは、管轄の保健福祉センターへご相談下さい。

全ての人に理美容サービスを

美容室に行って髪を切ると、頭もさっぱりしますし、心もすっきりしていい気持ちになりますよね。「いくつになっても綺麗でいたい」「気軽に美容サービスを受けたい」という願いを叶える訪問美容。「馴染みの美容室に行けなくなってしまった…」とふさぎ込んでしまうのではなく、ぜひ対象となる方は一度サービスを利用してみてください。

これから仕事として関わりたい方はぜひ福祉の専門性を身に付けて、サロンとは違った環境で、お客様ごとのオーダーメイドな心地よい時間をつくっていきましょう。