社会福祉士の仕事内容とは?活躍する職場や1日の流れについて紹介
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目次
社会福祉士とはどんな資格?
社会福祉士とは、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく国家資格です。ソーシャルワーカーとも呼ばれ、介護施設や医療機関、障害者福祉施設などで利用者様や患者様の相談業務を担います。
現在、日本では相談業務に必要な資格は定められていません。しかし、社会福祉士の国家資格を有していることで、相談業務に関する専門スキルを証明でき、介護・医療・福祉分野での就職に有利になります。
社会福祉士は、以下のいずれかのルートで取得することができます。
短期養成施設ルート | 福祉系短大等に2~3年通学し、社会福祉士の受験資格を得る方法 |
一般養成施設ルート | 一般大学等に4年通学し、社会福祉士の受験資格を得る方法 |
上記のいずれかのルートで社会福祉士の受験資格を得た後、年に1回実施されている社会福祉士国家試験への合格で資格取得となります。
なお、試験に合格後、社会福祉士の資格を得るには資格登録の手続きが必要です。
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社会福祉士の仕事内容
社会福祉士の仕事内容と言えば、「利用者様や患者様への相談業務」をイメージする方が多いのではないでしょうか。
社会福祉士の仕事内容は、相談業務以外にも、サービスの見直しや管理、関係各所との連絡調整など、多岐にわたります。
ここでは、社会福祉士が担う仕事内容を5つご紹介します。
相談業務
相談業務とは、介護・医療・福祉の各サービスを利用している方やそのご家族の不安・悩み事を聞き取り、解決に向けた提案を行うことを指します。
特に、地域包括支援センターや社会福祉士協議会などでは、在宅介護に悩む方や生活困窮者が抱える課題を聞き取り、適切な支援サービスを提供します。
社会福祉士は介護・医療・福祉の支援サービスだけでなく、行政が実施している補助金制度に関する知識も必要です。
支援サービスの管理
支援サービスの管理とは、社会福祉士の勤め先である介護・医療・福祉の各分野のサービスが適切に提供できるよう、管理を行うことを指します。
利用者様や患者様が安心して介護・医療・福祉の各分野のサービスを利用できるよう、サービスや人材の管理を行うことも社会福祉士の役割です。
関係各所との連携
関係各所との連携とは、利用者様や患者様が必要としている支援サービスを受けられるよう、行政や医療機関などの関係各所との連携を図ることを指します。
介護・医療・福祉の各分野のサービスのみでは利用者様や患者様に必要な支援サービスが十分に提供できないという場合、各分野や関係各所との連携が必要になります。
サービスの見直しや調整
サービスの見直しや調整とは、社会福祉士の勤め先である介護・医療・福祉の各分野のサービスが適切に提供されているか、適宜見直しを行うことを指します。
提供している支援サービスと利用者様や患者様のニーズが異なる場合、必要に応じてサービス内容の見直しや調整を行います。
介護業務
介護業務とは、高齢者介護施設や障害者支援施設などで、介護職員が一般的に行う身体介護や生活援助などを指します。
社会福祉士の仕事は相談業務が主だと思われがちですが、他の介護職員と同様に、介護現場での介護業務も行います。実際に介護業務を行いながら、利用者様の心身状態を把握するのです。
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社会福祉士が活躍する職場
社会福祉士が活躍する職場は、大きく分けて「介護」「医療」「福祉」の3つの分野です。
主な活躍の場は、介護施設や障害者支援施設、児童福祉施設、医療関係などです。
ここでは、社会福祉士が活躍する職場を3つの分野ごとに分けてご紹介します。
また、社会福祉士は勤務先の職場によって、名称が異なるため、分野ごとの社会福祉士の名称についても併せてご紹介します。
介護分野
介護分野で社会福祉士が活躍できる職場は、以下の通りです。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護付き有料老人ホーム
- 軽費老人ホーム(ケアハウス)
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 地域包括支援センター
高齢者介護施設では、社会福祉士は「生活相談員」という名称で呼ばれます。
介護施設での主な仕事内容は、入居希望者の方や利用者様、そのご家族の相談対応です。介護サービスの提供開始後も、利用者様の生活状況をこまめに確認します。
また、地域包括支援センターでは、地域で暮らす高齢者やご家族の相談対応を行い、必要に応じて適切な介護サービスの紹介を行います。
医療分野
医療分野で社会福祉士が活躍できる職場は、以下の通りです。
- 病院
- 診療所(クリニック)
医療関係では、社会福祉士は「医療ソーシャルワーカー」という名称で呼ばれます。
入院や通院が必要な患者様やそのご家族の精神的・経済的な不安を傾聴します。
患者様のニーズに合わせて、行政が実施している支援制度や別の医療機関、介護サービスなどの紹介を行うこともあるため、幅広い知識が必要です。
福祉分野
福祉分野で社会福祉士が活躍できる職場は、以下の通りです。
- 障害者支援施設
- 障害者就労支援事業所
- 地域活動支援センター
- 児童自立支援施設
- 母子生活支援施設
社会福祉士は、障害者福祉施設では「生活指導員」、児童相談所では「児童福祉士」と、それぞれ異なる名称で呼ばれます。
福祉分野は障害者や児童、母子など、様々な人を対象としたサービスがあるため、社会福祉士が自分に合った職場を選びやすい分野と言えるでしょう。
障害福祉施設では、心身に障害を持つ方の自立生活や就労に必要なサポートを行い、日常生活や就労に関する相談に対応することが主な仕事内容です。
児童福祉施設では、精神状態や素行に問題がある児童の家庭訪問を行ったり、何らかの事情で入所が必要になった母子の自立生活をサポートしたりします。
他にも、社会福祉協議会や福祉事務所で、行政職員として活躍することが可能です。
社会福祉士は地域福祉の推進を行い、生活課題を抱える地域住民をサポートするという大切な役割を担っているのです。
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介護施設に勤務する社会福祉士の1日の流れ
社会福祉士は、介護・医療・福祉の様々な分野で活躍することが可能です。
ここでは、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームなどの介護施設に勤務する社会福祉士の1日の流れをご紹介します。
以下の業務スケジュールは一例ですので、あくまで参考程度にご覧ください。
時間帯 | 業務スケジュール |
8:00 | ・出勤 ・電話対応(問い合わせ・質問・相談などへの回答) |
9:00 | ・午前に予約していた利用者様やご家族との打ち合わせ |
10:00 | ・来訪者対応(利用者様のご家族・介護施設の入居希望者など) |
11:00 | ・行政や医療機関などの関係各所への連絡 |
12:00 | ~昼休憩~ |
14:00 | ・午後に予約していた利用者様やご家族との打ち合わせ |
15:00 | ・行政や医療機関などの関係各所との会議 |
16:00 | ・来訪者や電話の対応 |
17:00 | ・業務報告書や公的資料の作成 ・退勤 |
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病院に勤務する社会福祉士の1日の流れ
病院やクリニックなどの医療現場では、社会福祉士は「医療ソーシャルワーカー」という名称で活躍しています。
ここでは、病院やクリニックなどの医療現場で活躍する医療ソーシャルワーカーの1日の流れをご紹介します。
以下の業務スケジュールは一例ですので、あくまで参考程度にご覧ください。
時間帯 | 業務スケジュール |
8:00 | ・出勤 ・ミーティングへの参加 |
9:00 | ・病棟訪問を行い、患者様の健康状態を把握する |
10:00 | ・午前に予約していた患者様とそのご家族との面談 (入院費用の相談や、退院後の生活に必要なサービスなどについて) |
12:00 | ~昼休憩~ |
14:00 | ・午後に予約していた患者様とそのご家族との面談 (入院費用の相談や、退院後の生活に必要なサービスなどについて) |
15:00 | ・病棟訪問を行い、患者様の入院や退院後の生活に関する不安や悩み事の聞き取りを行う |
16:00 | ・業務報告書や公的資料の作成 |
17:00 | ・退勤 |
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社会福祉士の資格を取得するメリット
現在、日本では相談業務に必要な資格が定められていません。
無資格者でも生活相談員やソーシャルワーカーとして活躍することが可能ですが、社会福祉士の資格を取得することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。
社会福祉士の資格を取得するメリットは、以下の通りです。
- 相談業務の専門職として、利用者様や患者様から信頼してもらえる
- 離職しても、様々な分野で再就職や転職がしやすい
- 「認定社会福祉士」や「認定上級社会福祉士」など、上位資格の取得でさらなるキャリアアップが目指せる
厚生労働省が公表した「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、社会福祉士の平均月収額は、無資格者よりも約9万2千円多いと報告されています。
社会福祉士の資格を取得することで、相談援助業務の専門スキルが身につくだけでなく、給与や待遇面で優遇してもらえるというメリットがあります。
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社会福祉士の仕事は傾聴力が重要
社会福祉士は、介護・医療・福祉の各分野で活躍する相談業務の専門職です。
病気や障害を持つ方や、介護が必要な方、生活に困窮している方など、様々な人の悩みを傾聴し、適切な解決策を提案します。
社会福祉士は、相談業務のプロとして活躍したい方にオススメの国家資格です。
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