介護職のキャリアアップ!実務者研修の資格に必要な費用や勉強時間は?

介護職にはさまざまな資格があり、スキルを上げて資格を取得することで、役職や賃金に違いが生まれます。

本記事ではまず介護職に重要な3つの資格を紹介します。
次に、多くの人が目指す「実務者研修」に焦点を当てて、研修の内容や取得への道のりを詳しく解説します。

介護職でキャリアアップに向けて取得したい「実務者研修」の資格とは

2013年度以降、介護職の基本的な資格は次の3つに区分されています。

  1. 初任者研修
  2. 実務者研修
  3. 介護福祉士

このうち初任者研修と実務者研修は厚生労働省の認定資格であり、介護福祉士は国家資格に該当します。

初任者研修と実務者研修は「研修」と付くように、所定の座学を受講することで修了できます。

初任者研修を受けた後に実務者研修を受ける方が多いですが、実務者研修の受講に要件がないため、無資格の状態からの受講も可能です。

実務者研修では次の20科目を450時間かけて履修します。

領域科目時間数 (時間)
人間と社会人間の尊厳と自立5
 社会の理解I5
 社会の理解II30
介護介護の基本I10
 介護の基本II20
 コミュニケーション技術20
 生活支援技術I20
 生活支援技術II30
 介護過程I20
 介護過程II25
 介護過程III45
こころとからだのしくみ発達と老化の理解I10
 発達と老化の理解II20
 認知症の理解I10
 認知症の理解II20
 障害の理解I10
 障害の理解II20
 こころとからだのしくみI20
 こころとからだのしくみII60
医療的ケア医療的ケア50
合計450

それに対して介護福祉士は11科目125問の試験を受験し、75問以上の正答で資格を取得できます。

合格率は60%前後と高水準ですが、簡単に通るという訳ではありません。

介護福祉士の受験には「実務経験が3年以上あること」「実務者研修を受けていること」が要件になっているため、高い合格率は「受験者には介護についての知識が既に一定以上あること」が影響しています。

実務者研修は独学で取得できるの?

実務者研修は独学で勉強が可能です。

ただし、研修という性質上、いずれかのスクールが提供する講座を受講しなければ「修了証明書」をもらうことができません。

つまり、資格としてキャリア形成に生かすにはスクールを利用する必要があります。

実務者研修の受講にはほとんどの科目で通信学習が利用できますが、科目によっては通学が必要になります。

通学が必要な科目は「介護過程III」と「医療的ケア」の2つです。

医療的ケアに関しては演習部分のみが通学受講の対象となるので、通学が必要な時間の目安は45時間+αとされています。

カリキュラムと受講期間は?

実務者研修のカリキュラムは上述の一覧にある20科目をカバーするように作られています。

厚生労働省によって内容が定められているため、基本的にはどのスクールで受講しても同様の内容を学ぶことができます。

受講期間に関しては、既に取得した資格によって大きく異なります。

無資格の場合は全ての科目を受講するため450時間必要になり、1日2~3時間の学習を継続して、半年程度で受講を終えるケースが一般的です。

一方、初任者研修を既に終えている方や、2012年まで存在したヘルパー2級の資格を持っている方はいくつかの科目が免除されるため、275時間の受講が必要なだけになります。

この場合、3~4か月で受講を終える方が多いです。

通信制の講座を活用すれば空いた時間で受講ができるので、休日や夜の時間帯を活用して、より短期間に取得することも可能です。

実務者研修は今持っている資格とスクールによって受講料が違う!

実務者研修の費用は2つの要因により大きく異なります。

1つ目は現在持っている資格です。

受講期間の項目で述べたように、初任者研修を受けている方やヘルパー2級の資格を持っている場合などには必要な科目数が減るので受講費用も安くなります。

2つ目の要因はスクールです。

スクールの立地や講座以外のサービスの充実度によって料金が異なります。

あるスクールでは質問対応が丁寧であったり、受講後の就労支援を行う例もあります。

2022年8月現在の代表的なスクールの料金を比較してみましょう。

スクール名無資格ホームヘルパー2級ホームヘルパー1級初任者研修介護職員基礎研修
ニチイ160,000円100,000円66,667円100,000円52,389円
三幸福祉カレッジ129,700円99,700円77,000円99,700円37,000円
藤仁館医療福祉カレッジ180,000円140,000円102,000円140,000円46,200円

無資格では13万円前後から、初任者研修を受けられている方であれば10万円前後から実務者研修が受講ができます。

時期によっては割引が適用されるのでさらに安価に受講できる可能性があります。

ぜひ複数のスクールの資料請求をして、比較してみましょう。

給付金制度を活用して資格を取得できる

実務者研修はいくつかの給付金の対象になります。

代表的なものではハローワークが提供する教育訓練給付金制度があります。

実務者研修は専門的な教育訓練と見なされるため、上限を40万円として受講費用の50%がハローワークから支給されます。

さらに受講終了日の翌日から1年以内に雇用された場合、もしくは継続して雇用されている場合には追加で20%相当額が支給されます。

つまり、「働きながら資格を取得する場合には70%が還付される」ことになります。

また、現在仕事をしておらず、求職者支援制度の対象になる場合には、実務者研修の受講料全額に加えて、職業訓練受講手当、通所手当などが支給されることがあります。

つまり、実質無料で実務者研修が受けられるという非常にお得な制度です。

求職者支援制度の対象となるためには以下の要件を満たす必要があります。

  • ハローワークに求職の申し込みをしていること
  • 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
  • 労働の意思と能力があること
  • 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと

ハローワーク以外にも、地方自治体の制度の対象になる場合があります。

例えば「介護人材資格取得支援事業」を行う自治体では、介護施設で働く人を対象に受講費用の一部が還付されます。

「資金貸与事業」を行う自治体では実務研修の受講に必要な資金を貸付け、規定の条件を満たせば返済が免除されます。

東京都の場合は2つの条件を満たすことで返還免除となります。

  • 実務者研修修了後、介護福祉士として登録する
  • 東京都内の社会福祉士施設等で介護業務等に2年間従事する

これらの事業はほぼ全ての都道府県で実施されているため、お住まいの自治体に問い合わせて条件を確認してみましょう。

キャリアアップに向けて資格取得を目指す!

介護職の平均賃金は他の職種と比較して決して高いとは言えません。

しかし、資格の取得を通してキャリアアップすることで賃金は上昇していきます。

厚生労働省の統計によると、令和2年度の無資格の介護従事者の平均給与が月額27万5620円であったのに対して、実務者研修修了者では30万3230円と約2万円のプラスになっています。

実務者研修の費用はさまざまな制度により支援されるため、それらを有効に活用して資格取得を目指してみてください。