介護職が身につけたい言葉遣いとは?ふさわしい敬語の実例も合わせて紹介

#未経験#言葉

介護職の業務の中では利用者さん、その家族、一緒に働くスタッフなど、多くの人とコミュニケーションを取る必要があります。
適切な言葉遣いや態度で接することが、協力的な関係性を築く第一歩です。
しかし、親しみを感じてもらうために「友人との話し方」のようにフランクにするべきか迷う方も少なくありません。
本記事では介護職にふさわしい言葉遣いについてまとめ、言葉遣いと共に意識しておきたい表情やトーンの注意事項をご紹介します。

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介護職で働く場合、必ず敬語にするべきか

介護職で利用者さんと話をする時には、原則的には敬語で話をしましょう。
親しみを込めて砕けた言葉を使いたいと思うかもしれませんが、利用者さんはさまざまな経験を経た高齢者であることが多く、若い人から馴れ馴れしく話されることを好まない場合も往々にしてあります。
そのため、適切な距離感を意識して、敬語でコミュニケーションを取るようにしましょう。

利用者の家族や施設で働くスタッフに対しても同様です。
自分より若い方もしくは経験の浅い方と話す場合でも、タメ口を使わず、敬語で接することで誠実な印象を持ってもらうことができます。
もし特定の人にフランクに話すことに慣れてしまっていると、その場に敬語を使うべき人(例えば利用者さんや上司)がいる時にも砕けた話し方をしてしまい、信頼を損ねる可能性もあります。
自分の身を守るためにも、基本的には敬語を使って仕事をすることが大切です。

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言葉遣いの基礎知識「尊敬語・謙譲語・丁寧語」チェック

丁寧な言い回しには「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つがあります。

1.尊敬語

尊敬語とは、相手を立てた表現です。
例えば、「召し上がる」、「いらっしゃる」などのように、相手に敬意を払うため、介護の現場で利用者の方と話す際には頻繁に活用できます。

2.謙譲語

謙譲語とは、自分を下げて「へり下る」ことで相手への敬意を示す表現です。
例えば、「伺う」、「申し上げる」などのように、元々立場の高い人に対して使用する言葉であるため、介護の現場での使用は適切ではないケースも見られます。

3.丁寧語

丁寧語とは、「です」「ます」のような助動詞を添えて言葉遣いを丁寧にする表現です。
うやうやしい表現にならずに丁寧なコミュニケーションが取れるため、介護の現場での使用には適しています。

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現場ではNGな言葉遣いや言い回しの例

介護の現場では敬語を使うべきとお伝えしましたが、反対に必ず避けたい話し方も存在します。
ここでは3つのNGな言葉遣いをご紹介します。

1.馴れ馴れしい言い回し

良好な関係性が築けている利用者の方には、ついタメ口のような言葉を使いたくなってしまうこともあるかもしれません。
しかし、介護職は広義にはサービス業であり、利用者を友達や知り合いのような感覚で捉えてしまうと、大きな問題に繋がることがあります。
例えば、「さっき〇〇したよね」「あーそう」「すごい」などの表現は場合によっては馴れ馴れしいと感じてしまうことがあるので注意が必要です。

2.若者言葉

介護では介護者と利用者の間に世代間ギャップがある場合がほとんどなので、日頃当たり前に使う言葉でも意味が通じないケースも見られます。
例えば、「やばい」「わかりみ」のような近年流行した言葉を無意識で使ってしまうこともあるので、一般表現として通じるかどうかに留意しましょう。

3.命令口調

丁寧な表現を使っているように見えても言い方によっては命令に聞こえてしまうこともあります。
例えば「~してください」「~しましょう」という丁寧語でも語尾を強く伝えたり、ムッとした表情で言ってしまうと「命令されている」と捉えられることもあります。
柔らかい表情やトーンも心がけて丁寧な言葉遣いをしましょう。

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どうして不適切な言葉遣いになってしまうのか

利用者と良好な関係を築きたいと思っていても、最初から全て適切な言葉を使うことは容易ではありません。
なぜ不適切な言葉が出てしまうのかを探っていきましょう。

1.普段から丁寧な言葉遣いをすることに慣れていないため

日常生活の中で敬語を使い慣れていない方は、丁寧な言葉遣いと仲間内での言葉遣いの区別が難しいことがあります。
この問題は介護職を始めたばかりの方によく起こります。
経験を通して敬語が使えるようになるので、まずは先輩の話し方を真似して敬語のバリエーションを増やしていきましょう。

2.親しみを感じてほしいという思いから

利用者に身近に感じてほしいという気持ちで、砕けた言葉遣いになってしまう人もいます。
市場での商品販売のように砕けた言葉遣いが活気をイメージさせる仕事では、そのような話し方も認められますが、介護施設ではむしろ丁寧で誠実な態度が求められます。
フランクな言葉を使わなくとも、親しみを伝えることはできるので、敬語を使用するという原則に忠実に従うことが得策です。

3.短く伝えたいという思いから

多忙な介護職の業務では、時間的な焦りから「短くキツい言い方」をしたくなってしまう場面も少なくありません。
そのような時に「早く〇〇をして」「わかった?」などのような言葉を大きな声で発せられると、自分の尊厳を蔑ろにされていると感じられることもあります。
常に相手への敬意を持って、話をすることでキツい言い方を避けるようにしましょう。

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介護職員が言葉遣いで意識すること

ここからは敬語を使う中で、さらに気をつけておくべき3つのポイントを紹介します。

1.過剰な敬語を避ける

「ご覧になられる」などのような二重敬語はかえって恭しい印象を与えてしまい、日常のコミュニケーションには馴染みません。
また、丁寧に接しようとするあまり、接待のように相手を持ち上げる態度になってしまわないことにも注意しましょう。

2.クッション言葉を取り入れる

介護職の中で利用者の依頼を断らなければならない場面にも遭遇します。
その時に「それはできません」と丁寧語で断るだけでは、突っぱねたような印象を与えてします。
クッション言葉を添えて、「そうしたい気持ちはあるのですが、それはできません」などのような表現を使うと相手との衝突を避けることが出来ます。

3.理由も合わせて説明する

断るときのケースに関連して、その理由を説明する責任があります。
例えば、施設のルールで認められていない個別の買い物を依頼された時には、「全ての利用者の依頼に応えられないので、この施設では買い物には行けないことになっています」などのように理由も合わせて伝えましょう。
なぜ出来ないのかがはっきりすると納得が得られる場合も多いです。

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言葉遣い以外にも表情やトーンに気を付ける

言葉遣い以外にも「表情」「抑揚(トーン)」「語尾の上げ下げ」に注意しましょう。
コミュニケーションに苦手意識のある方は、感情が相手に伝わりにくい場合があるので、その言葉にあった表情をしているかなどにも気を配ってみましょう。
また、語尾の上げ下げだけでも「一緒にしようとしているニュアンス」「念押しのニュアンス」「質問をしているニュアンス」などが決まるので、周囲の話し方を観察して、どのように取られるかを学ぶことが大切です。

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大切なのは相手を思いやる事

これまで敬語の種類や、敬語以外にも気を付けるポイントなど、利用者とのコミュニケーションを円滑にするさまざまな注意点をみてきました。
確かにそれらを守ることが形式的には重要なのですが、誠実で丁寧な態度は介護者の内面を反映しています。
そのため、相手への尊敬の気持ちや思いやりを持つことが、あなたの態度を決めるでしょう。
そうした思いを介護職の業務の中で忘れないようにしたいですね。

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