有料老人ホームと特別養護老人ホームってどんな違いがあるの?

#介護施設の種類#施設選び

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有料老人ホーム・特別養護老人ホームの目的の違いとは

いずれも、主に介護が必要になった際にも快適な生活を営むためのサービスを利用できる施設です。

有料老人ホームが、介護認定非該当である元気なうちから入居できる一方で、
特別養護老人ホームは原則要介護3以上であり、特別養護老人ホームの方が、より生活に必要なケアを直接的に提供する場としての位置づけが大きいです。

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有料老人ホーム・特別養護老人ホームそれぞれの入居条件

有料老人ホームは主に65歳以上の高齢者が入居できます。
一方、特別養護老人ホームは入居条件が設けられており、要介護3以上の高齢者(ただし要介護1・2でも認知症や障害を抱えているなどのやむを得ない事情により、在宅生活が困難だと認められる場合には、特例として入所することが可能)です。
以前は「65歳以上の要介護1〜5」が入所対象でしたが、2015年以降の新規入所者は、要介護3以上の高齢者に変更されました。

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「要介護」「要支援」とは

要支援、要介護とは、介護給付を受ける際に、どの程度の利用が必要か、被保険者の状態を確認してその程度を判定した程度のことを言います。
要支援は1~2、要介護は1~5まで段階があります。要支援1から順に、より介護が必要な状態になっていきます。要支援は自立度が高く、主に要介護状態に移行するのを防ぐための支援です。
要介護は、心身に不自由があり、要支援に比べ、より介護が必要な状態を言います。

介護保険による介護サービスを受けるためには、まず要介護認定が必要です。介護認定の流れを説明します。
まず、介護認定を受けるための申請書類を市町村の窓口に提出します。市町村から、介護支援専門員等の資格を持った認定調査員が自宅に訪問します。本人や家族へ、決まった質問項目に沿って、生活の様子、特にどのようなことに困っているのかなどを細かく聞き取ります。聞き取り内容は、コンピューターで機械的に判定され、1次判定が出されます。同時に、主治医からの意見書を提出します。1次判定・主治医意見書・聞き取った中での特記事項の3つが、介護認定審査会に提出され、2次判定が行われます。

介護認定の結果は、申請日から原則30日以内に「介護認定結果通知書」によって送付されます。申請日に遡って介護保険の給付対象となるため、急な利用開始が必要な場合には、申請後からのサービス利用開始できます。

認定の結果、要支援だった場合には、「介護予防サービス」を受けることとなり、地域包括支援センターにて「介護予防ケアプラン」を作成します。
要支援だった場合には、「介護サービス」を受けることとなり、居宅介護支援事業所にて「ケアプラン」を作成します。

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有料老人ホームには様々な種類がある

有料老人ホームには様々な種類があり、大きく3種類に分けられます。「住宅型有料老人ホーム」「介護付き有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」です。

住宅型有料老人ホーム

自立度の高い高齢者から介護が必要な高齢者まで、広く入居できる施設です。提供サービスや入居条件は運営する母体によって異なるため、施設の特色が何か把握する必要があります。
介護が必要になった際には、訪問介護やデイサービス等の介護保険サービス・介護保険外サービスを組み合わせて選択することができ、受けたいサービスを選ぶ自由度が高いです。
その分、介護度が高くなると介護付き有料老人ホームに比べ月額費用の負担が高くなる傾向にあります。

介護付き有料老人ホーム

主に介護が必要な高齢者が入居できる施設です。名称の通り、介護度に応じて定額の費用を払うと、施設の職員がケアを提供してくれます。
提供内容は、食事・入浴・排泄・レクリエーション等です。

健康型有料老人ホーム

まだ介護を必要としていない高齢者が入居できる施設です。健康な方が趣味の時間を楽しめるような行事や設備が、ルールが充実しており、自身が余生を心から楽しめるような施設かどうか比較検討することが大切です。
生活相談などにも応じており、生活の中での困りごとを話すことや、医療機関と連携してスムーズに対応してもらうことができます。ここでは介護や看取りケアが必要となった場合、退去する必要がある場合が多いため、注意が必要です。

特別養護老人ホーム

原則要介護3以上の、比較的介護度が高い高齢者が入居できる施設です。特別養護老人ホームは有料老人ホームが民間施設であるのに対し、社会福祉法人等の公的施設であるため、負担金額が低い傾向にあります。その分非常に人気があり、場所によっては入居希望から実際に入居できるまで、数年かかることもあります。

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受けられるサービス・居住スペースの違い

有料老人ホーム

基本的な介護サービスを一通り受けることができます。居住スペースは、基本的に個室です。支払い費用に応じて、ホテルのスイートルームのようにリビングスペースがある広い部屋がある施設や、夫婦で使える間取りになっている部屋が用意されています。

特別養護老人ホーム

基本的な介護サービスを一通り受けることができます。居住スペースは、ユニット型・往来型の2種類があります。ユニット型は、10名程度の少人数の集団単位で、食事や生活を共にする方式で、個室です。
特別養護老人ホームは総居室数が多いですが、少人数で共用のリビングで過ごすことで、落ち着いた生活を過ごすことができます。往来型は多床室で、病院の4人部屋のように複数人で部屋を共有するものです。ユニット型に比べ、月額利用料が低いことがメリットです。

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有料老人ホームは受けられるサービスによって料金が様々

有料老人ホームでは、自身で受けられるサービスを選択できます。特に、設備面での充実さで、他施設と差別化されています。
例えば、図書室・プール・カラオケ・ジム・理美容ルーム・リハビリルーム・音楽室などの設備や、演奏会・演劇・フラワーアレンジメント等のアクティビティなどです。外出支援や移動販売等の保険外サービスの充実度も異なり、月額の料金に含まれている場合と、利用時に支払う場合とがあるため、長期的な目線でどういったサービスがあり、費用が必要となるか計算が必要です。
入居時の見積もりには、必要最低限の項目のみ記載があるケースがあるため、日常的な出費になるものや金額が大きいものについては、施設に質問し、より実態に近い月額費用を算出すると良いでしょう。

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それぞれのメリットとデメリット

有料老人ホーム

生活の自由度が比較的高く、待機なしで入居しやすいメリットがあります。
デメリットは、入居金の負担が大きい場合が多いです。
また、有料老人ホームであっても全体の介護度が高い場合、自立度の高い方の対応が後手になることがあります。

特別養護老人ホーム(特養)

介護度が高くなっても、自己負担金額を抑えて生活できるため、長期的な利用となっても費用面での負担が最低限で済むことがメリットです。
デメリットは、介護度が高い方が多いため、入居者同士のコミュニケーションが難しい場合、刺激が少ない生活となることです。介護度の高さに比例して職員が慌ただしくなるため、対応してもらうまでの待ち時間が長く、対応時間が短くならざるを得ない傾向にあります。

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自分に合った施設を探すには

自身の現状や、将来を見越して施設を探すことが重要です。自宅で過ごすことが難しくなり、長年親しんだ家から離れる寂しさを抱きながらの施設探しになるでしょう。施設探しから入居までの時間的猶予があまり残されていない場合も少なくないと思います。そういった時、長期目線や複合的な観点を持って施設選びをするのはとても難度が高いです。入院中であれば、メディカルソーシャルワーカー(MSW)という専門職が、退院後の生活の相談に乗ってくれます。
また、地域包括支援センターに行くと、地域の施設の評判について聞くことができる場合があります。施設の入居者は残念ながら口コミをネットに掲載することが難しいため、あまり口コミを集めることができません。

ある程度候補を絞り込んだら実際に見学に行き、入居されている方の様子や環境、職員の様子を観察してみてください。どの施設も慌ただしい様子に驚かれるかもしれませんが、入居者が各々穏やかに過ごしていて、設備が清潔であること、職員の言葉遣いや挨拶が整っていることなどが着目点です。
施設選びの観点についての書籍が出ているので、それらに目を通し、入居者と家族間で、何を重視して施設選びをしたいか擦り合わせると、よい施設選択ができます。

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