スキルアップ介護の資格

介護現場で役立つ?レクリエーション資格について解説します!

レクリエーションの資格にはどんなものがあるの?

有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、デイサービス、小規模多機能型居宅介護など、どの介護現場でも、複数名の高齢者が集う場ではレクリエーションがつきものです。
介護職が必ずしも介護の資格が必要ではないのと同じように、レクリエーションを実施する際に、資格は必ず必要というものではありません。ただ、現場でやり方は教わっても、レクリエーションについて体系的に学ぶとなると、自主的に学ぶことになることがほとんどです。多くの現場でレクリエーションを実施するにも関わらず、レクリエーションの考え方の部分を教わることなく担当を任せられるため、上手く実施ができず苦手意識を持ってしまったり、「今日は時間がないからこれくらいでいいかな」と手を抜いてしまったりすることに繋がります。
こういった状況があることから、介護職がレクリエーションの資格を持っていると利用者のためにも、介護職自身のためにも役立つと言えます。

レクリエーションの資格には、数種類あります。
一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会による「レクリエーション介護士」、
公益財団法人日本レクリエーション協会による「レクリエーション・インストラクター」「福祉レクリエーション・ワーカー」「レクリエーション・コーディネーター」、
一般財団法人日本能力開発推進協会による「介護レクインストラクター(R)」「認知症予防レクインストラクター(R)」などです。
いずれも民間資格であり、介護福祉士とは異なり国家資格ではありませんが、短時間~長時間の講習が必要です。

上記に挙げたものは主に高齢者向けですが、「レクリエーションセラピスト」といって、病院にかかっている患者に対してレクリエーションを提供する仕事もあります。これは、患者の生活の質(QOL)の改善やリハビリテーションを目的として行うものです。
レクリエーション療法士による仕事ですが、レクリエーションが高齢者や介護の文脈だけでなく、別の分野でも有効性が認められ取り入れられていることが分かります。

レクリエーションの資格は介護の仕事に活かせる?

レクリエーションの資格は介護の仕事に活かすことができます。就職の際に持っていると、「意欲的に自ら学んでいる人なのだな」と認識してもらうことができますし、就職した後、レクリエーションの全体計画の作成や取りまとめを任せてもらえるチャンスがあるかもしれません。
レクリエーションが好きな介護職員は、資格を取得するとそういった機会に恵まれる可能性がありますので、ぜひ取得を検討してみてください。
介護現場では様々な仕事があるため、自身の好きな業務や得意分野を担当にできると、仕事の時間が楽しみになります。

介護職がレクリエーションの資格を持つメリット

先述のように介護職自身が得られる機会が増えることもそうですし、レクリエーションの資格取得を通じて、これまでより利用者の心身の状態理解が深くできます。
認知症等の疾病や加齢に伴う筋力低下、片麻痺など、利用者の心身状態の把握に特化した介護職が効果的なレクリエーションを実施することで、利用者の心身の状態を良い状態にする助けになることができます。
自身が企画・実施したレクリエーションに楽しんで参加し、また心身にとっても良い効果が生まれるとなると、介護職冥利に尽きるというものです。

介護職として介護現場での需要が高まる

レクリエーションは大変重要な時間ではありますが、昨今、感染症流行などで介護現場の人手不足により、往来通り実施できない介護施設があります。それに伴い利用者のQOL(生活の質)や筋力の低下がリスクとして挙げられますが、「不要不急」のものとして、中止されがちなのがレクリエーションです。
しかし、そういった状況でも、利用者のQOLや筋力を上げる目的として大変重要です。そのことを理解し、実施ができる介護職は、これからも介護現場で必要とされるでしょう。
例え往来通りのレクリエーションができなくても重要性を理解していれば、日常の動作の中でも、その視点を持った介助ができます。

レクリエーションの資格の取得方法

レクリエーションに関する資格は、数回の講座を受講した後に、試験(記述・選択式、実技など)に受験し、合格することで得られる流れが一般的です。
講座はユーキャンのようにテキストを使った通信講座と、指導者から教わる通学講座いずれもあります。講座の趣旨や実施方法、カリキュラム、費用は各講座によって異なるため、違いを調べたうえで自身に合った講座を選びましょう。
基礎的な資格を取得した後、さらに上位の資格にチャレンジすることもできるため、長期的な目線でどの資格を得るか検討すると良いでしょう。中には受講説明会や体験会を実施している講座もあるので、気になるものがあれば積極的に参加してみてください。

また、身近に受講した介護職がいれば、その人から参加した感想を聞いてみると良いでしょう。管理職に相談するなどしても良いかもしれません。ただ、介護職の中には「そんなものを受けてどうするの」などと足を引っ張る人もいます。そういった声は聞き流し、自身の自己研鑽に励むのが良いでしょう。レクリエーションに限らず、介護関連の講座は、介護職としてのインプットを絶やさない仲間を見つける機会にもなりえるかもしれません。
受講の際には、勤務先以外の大切な繋がりを得られるような関わりを意識しましょう。

レクリエーションの資格が活かせる介護施設

レクリエーションの資格は、レクリエーションを実施する全ての介護施設で活かすことができます。
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、デイサービス、小規模多機能型居宅介護、老人保健施設などです。

また、介護施設に限らず、地域包括支援センターやスポーツ施設、町内会・自治会の集まりなどの、高齢者の集団、または個人に対してレクリエーションを提供することができます。
資格を持っていることで、自身の勤務先に限らず様々な場所で実施ができるため、経験を積んでいくと長期的な観点で自身のキャリアにも役立つでしょう。

レクリエーション介護士の仕事内容

レクリエーション介護士の仕事内容としては、レクリエーションの企画と実施が挙げられます。対象者の状態やニーズ、環境に応じて安全に実施ができるように企画し、実施します。実施後に振り返りをし、次回に活かす場合もあります。
ねらいや目的をもってレクリエーションを実施できる介護職は、実はそう多くありませんので重宝されるでしょう。また、職場の介護職にレクリエーションの意義について周知するなどの、教育的役割も期待されています。

レクリエーション介護士のやりがい

レクリエーションは、日々実施するものです。日常の積み重ねが利用者のQOLに直結するとなると、介護職のやりがいにも繋がります。
利用者が「つまらないな、子どもだましだな」と思いながら嫌々やるレクリエーションを、楽しそうな様子で熱中して取り組んでいるレクリエーションに変えることができたらとてもやりがいを感じますよね。

高齢者の元気と笑顔のために

若いころに比べ活動量が減少し、家族構成によっては会話の量も減っていく高齢者の皆さんが、楽しく暮らしていくためにレクリエーションは重要な役割を担っています。
楽しく身体を動かし、会話をすることで、健康でいる時間を延ばすことができます。レクリエーションについて学び、資格を取得することで、いきいきとした高齢者のみなさんに素敵な時間を提供していきましょう。